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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
249/270

45-3 襲う人と襲われる人達

いつもありがとうございます。

なぜか新作を書き出してからの方が筆の進みが良いと言う謎。

相乗効果?


今回、若干残酷な描写があるのでご注意を。

砦を抜けた僕たちは再び南へと急いでいた。

でもこう、急いでいる時に限って面倒事は起きる気がする。


「ぎゃあああぁぁ~~」


ほらやっぱり。

街道の先から悲鳴と共に馬車か何かが倒れる音が響いた。


「そーくん」

「うん、そうですね」


そして僕もリーンさんもこういう時に放っておけないたちなんだよね。

急ぎ悲鳴が聞こえた場所に向かうと、そこには一人の剣士が多数のオークに囲まれている所だった。

周りには馬車が2台。その内の1台は横倒しにされている。

また、地面には剣士に切られたであろうオークが2体倒れていた。

っと、剣士が僕たちに気付いた。オークたちを警戒しつつ、こっちに視線を送ってきた。


「おや、新手かと思いましたが。ご同輩でしたか」

「ご同輩?」


穏やかな物言いといい、襲われているはずの剣士には余裕が感じられた。

って、ちょっと待て。

良く見たら向こうの人達、オークじゃなくて猪系の獣人族だ。

とすると、この人は襲っている側なのか!?


「念のためお聞きしますが、なぜこのような状況になったのですか?」

「なに。見てのとおり狩りの最中さ。教会の依頼の帰りに小汚い豚共が居たから始末しておこうと思ってね」

「彼らはれっきとした獣人族のようですが」

「ああ、つまりケダモノだ。そっちのお嬢さんもそう思うだろう?

それともまさか君たち。可愛そうだからこの豚共を見逃してやれとでも言うのかい?」

「僕たちは心ある生き物には敬意を払うように育てられましたから」

「そうね。むしろ見た目は綺麗でも中身が腐っている方が問題だと思うわ」


そこまで言うと、彼の殺気が僕たちにも向けられるようになった。

彼は少し首をかしげるような仕草をしてから、納得したように手を叩いた。


「そうか、君たちは汚染された人族なんだね!」

「は?」

「いや全く。見た目は人族と変わらないけど、その身にケダモノの血が混ざっているものが居ると聞いた事があるけれど、君たちがそうなんだ。

ならここで一緒に浄化してあげよう。

あ、でも。そっちの君は顔は綺麗だし私のペットにしてあげるのも良いかもしれないね」


そう言ってリーンさんを値踏みするように見てきた。

うーん。本来ならこんなところで面倒事は起こしたくなかったんだけど、リーンさんをこんな目で見る奴をそのままにはしておけないな。


「リーンさん。仕方がないのでやりましょう」

「そうね。ここで私達の事を知られるのもまずいし。

そっちの獣人族の人達!この男の相手は私達がするから今のうちに逃げてちょうだい」

「ふっ。この私が見逃すとでも思うのかい?」

「その余裕がいつまで続くかしら、ね!」


言いながら氷弾を撃ちだした。

しかし、男性の方も涼しい顔のままかわしてみせた。


「この私が教会に認められし王道12星の1人と知っているのかい?

そんな初歩的な魔法、幾ら撃っても、当たりは、しな。ちょ、待て、どんだけ連射する、ぐはっ」


最初こそ余裕でかわしていたけれど、段々数を増して行ったリーンさんの氷撃にとうとう撃ち抜かれた。

最後の1発、顔面にもろに当たったけど生きてるかな?

と思ったところで、しぶとくも鼻血を出しながら立ち上がった。


「ぐひっ。ペットにしてやろうと思ったがやめだ。

四肢を切り裂いて犯しながら殺してやぶべっ」


汚い事を言い出した所でリーンさんが上空から叩き落したアイスハンマーで頭をつぶされた。

彼が人族だと言うなら、まず間違いなく死んだだろう。

念のため魔石による爆破で身元が分からないように処分しておく。

アンデッドとかになられても困るしね。


「あの、助けて頂きありがとうございました」


と、そう言えばまだ獣人族の人達が逃げ切れずに残ってたんだった。

恐らく彼らの代表と思われる人がこちらへと挨拶しに来ていた。


「皆さん大丈夫ですか?切られた2人は」

「はい。何とかまだ一命は取り留めていますが、碌な薬もない現状、時間の問題かと。」


苦しまないように、と続きそうな所で、僕はアイテム袋からまだ残っていた回復薬を取り出した。


「これを使えば何とかなるかもしれません。

あと、この北には人族の砦があります。上手く迂回して抜けられれば国境はもう少しなので頑張ってください」

「何から何までありがとうございます。おふたりの事は決して忘れません」

「あ、いえ。僕たちは本来ここには居ない人間です。なので忘れてください。

この先何があっても、途中誰にも会わなかったという事にしてほしいです」

「それは……分かりました。私達は道中誰にも会っていません」


僕たちの事情を察してくれたのだろう。

深々と礼をした後、薬を持って急ぎみんなの所に向っていった。


「さあ、リーンさん。僕らも今のうちに」

「うん。あの人達、無事に国境を越えられると良いけど」

「そうですね」


そこまでは面倒を見る余裕がないので、彼ら自身に頑張ってもらうしかない。

僕らは心配しつつも、移動を再開した。




ちょっと他の小説を参考にさせていただいております。

小数で人間だからって被害者とは限らないって話ですね。


それとソージュ達が、さっくりきっちり殺人と証拠隠滅を完遂していますが、普段から人に近い姿の魔物も相手にしているので、その辺りの忌避感は薄くなっています。

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