44-4 情報共有と対策
いつもありがとうございます。
最終章の道筋が見えてきたのは良いのですが、やりたいことが多すぎる。
ちゃんと終われるのかな。
図書館を出た僕達は揃って町の冒険者ギルドへと向かっていた。
「それにしても戦争に勇者召喚か。
個人的に勇者はどうでもいいけど戦争は回避したいね」
「ああ。だが俺達1個人がそれを止めることなど出来ぬであろう」
「うん。それでもせめて被害を最小限に留めたいよね。
そのためにも冒険者ギルドに協力を要請しないと」
冒険者ギルドに入ると夕方にも関わらず人でごった返していた。
パッと見、知らない人が多い。
恐らくは他所から来た人たちが何か仕事はないかと詰め掛けているんだろう。
僕達は人ごみを掻き分けて受付にたどり着くと、受付のお姉さんにギルドマスターに取り次いでもらえるようにお願いした。
「久しぶりだな。ソージュ。
突然町から居なくなったと聞いて町の奴らが心配していたぞ」
ギルドマスター室に案内されると、開口一番にマスターがそう言ってきた。
「何か問題が起きたんだと思うが、もう大丈夫なのか?」
「はい、ご心配をお掛けしました。そちらは無事に解決しました。
今日は今起きている人族至上主義の問題についての情報提供と相談に来ました」
「あー、奴らか。人や物資の流れから、大規模な戦争を起こすつもりなんじゃないか、という報告は受けている。
俺達冒険者ギルドは基本、国家間の争いには手を出さないんだがな。
今回はそうも言っていられないと他の町のギルドとも協議しているところだ」
「それを聞いて安心しました。僕達が持ってきた情報ですが……」
僕はフレイさんから教えてもらったことを掻い摘んで説明した。
「魔法を撃ち出す魔道具と他のダンジョンから魔素を奪って大規模召喚を準備している、か。
確かにどっちもやばいな」
「はい。せめてダンジョンからの魔素の収集を食い止めれば、これ以上の魔道具の生産は食い止められるんじゃないかと考えています。
それについては、知り合いに魔道具の第一人者が居るのでこの後相談してみます」
「そうか、それは助かる」
「あとは魔道具の製造工場を破壊出来れば良いのですが」
多分今集まっている魔素だけでも十分な魔道具を作れるだけの量があると思う。
問題は魔素から魔石に変換する速度と、それを魔道具に加工する時間だ。
それなりに大規模な施設になるとは思うんだけど、敵国の中を探し回るのは大変だ。
「そっちはギルドが手を貸そう。
厳重に警備された施設を破壊するのはAランク以上の難題だが、場所の特定だけならBランクで十分だ。
向こうの国のギルド員に連絡を取って探してもらう事にしよう」
「よろしくお願いします。
あと、魔道具についての情報ですが、僕の知る限り数発同じ魔法を撃ったら撃ち止めになる消耗品でした。
なので上手く無駄撃ちさせれば無力化出来るかも知れません。
もちろん改良されている可能性もありますが」
「なるほど。陣を張る時の参考にさせてもらおう」
さて、ギルドはこんな所かな。
僕達はお礼を言ってギルドから出ると、先日の教会へと向かった。
用件はもちろん、魔道具についての相談だ。
「ふむ。ダンジョンから魔素を奪う魔道具か。なかなかに興味深いな」
「はい。原理は分かりますか?」
「1つ2つ思いつくのはある。だが実用化は難しいだろうな。惜しむらくはその古代魔道具が手元にないことか」
「すみませんがそれは諦めてください。それで、逆に奪われるのを防ぐ魔道具は?」
「そちらは簡単だ。流出経路さえ見つければそこに結界を張るだけで済む。
そうだな。3日待ってくれ。経路を見つける魔道具と結界の魔道具。それぞれの試作品を作ってみよう」
「よろしくお願いします」
こうして考えるとお父さん達が、このお爺さんを救い出して連れて来てくれたのは僥倖だった。
さすがに魔道具については僕じゃ分からないからね。
後は。魔道具が出来た後の各ダンジョンへの設置は冒険者ギルドにお願いするとして、魔素の流入が止まった事に気付いた向こうが暴挙に出る可能性もあるから、それまでに魔道具工場を破壊しておきたい。
どうやら折角帰ってきたのにまた向こうに逆戻りになりそうだ。
だいぶ慌しくなってきました。
ちなみにギルドはそれぞれの国家に属してはいますが、指揮系統は独立し常に世界中のギルドと連携を取っています。
そのためいずれかの国家に加担することは禁じられています。




