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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
245/270

44-3 問題の本質

いつもありがとうございます。

ここから一気に話が加速していく、かもしれない。

エルさんの話を要約するとこうだ。


まず僕達が学園を居なくなってから、そう間を置かずに学園ダンジョンは安定したらしい。

続いて学園の南側、大陸の中心よりやや南よりの国々を中心に人族至上主義を掲げる宗教が一気に勢力を拡大させた。

同時に人族の人族による人族の為の学園を創設。世界中から人族に勧誘を掛けて、今ではマリアッジ学園よりも在籍人数は多いそうだ。

ちなみにエルさんエラーザさん兄妹も誘われたらしいけど、断ったらしい。


「兄には『どうぞ逝ってきてください。そうしたら直ぐに家族の縁を切りますので』と言って差し上げたのに、残念ですわ」


と笑って言ってたエルさんはどこまで本気だったんだろう。

っと、話を戻して。

現在、人族至上主義に転向した国では他種族への迫害が深刻化しているらしい。

酷い所では奴隷制度の復活までさせて、強制的に他種族を奴隷にしているところもあるとか。


「まさかそこまで酷いなんて」

「最近は特に強力な魔道具の生産を開始したとの噂もあり、軍国化を進めていますわ。

侵略を始めるのも時間の問題ではないかという意見もあります」


強力な魔道具っていうのは、あの魔法の杖を筆頭にしたものだろう。

あれを量産出来れば簡単に強大な軍隊が出来上がってしまう。

まぁ魔石のコストも馬鹿にならないだろうけど。


「って、そうか。魔道具を作るなら魔石が大量に必要になるはずだけど、向こうに有用なダンジョンがあるのかな」

「問題はそこですわ」

「それについては私から話しましょう」


エルさんの話をフレイさんが引き継いだ。


「まず、そうね。

先日の魔物の襲撃の際、学園から魔道具がいくつか盗まれたのは覚えているかしら」

「ええ」

「その盗まれたものだけど、ダンジョンから魔素を収集する『集魔の香炉』だったの。

本来は暴走前のダンジョンから魔素を抜いて安定化させる魔道具なのだけど、それを複数のダンジョンから魔素を奪うように改造してしまったみたいなの。

今分かっているだけでも学園ダンジョンの他、4箇所のダンジョンで魔素が奪われているのが確認されているわ」


そうか。それで学園ダンジョンも魔素が薄かったのか。

5箇所のダンジョンから魔素を吸収して魔石を量産すれば、確かに幾らでも魔石が手に入りそうだ。

って、それって物凄く強力な代物なんじゃないだろうか。扱いきれるのかな。


「そんなに大量の魔素を集めて大丈夫なんですか?」

「大丈夫じゃないでしょうね」

「え”」


フレイさんはしれっと言ってのけた。


「あの魔道具はそれほど強固なものではないし、こんな無理な使い方をすれば幾らもしない内に暴走するでしょうね」

「暴走するとどうなるんですか?」

「大爆発を起こして大陸に大穴が開いたり、次元に穴を空けてしまったりとかね」

「それって大問題じゃないですか。なにか回避する方法はないんですか?」

「そうね。彼らが出来ることであるとすれば、集めた魔素を全部使って儀式魔法を発動させることね」

「儀式魔法ってなんですか?」

「広義の意味では複数人が協力して発動させる魔法のことだけど、ここでいう儀式魔法は『勇者召喚』もしくは『魔王召喚』のことよ。最後に行われたのは50年以上前ね」


昔ながらの吟遊詩人たちに受け継がれているという、勇者召喚の伝説は、この世界が魔王によって崩壊の危機に瀕した時、聖女が神に祈りを捧げ異界より勇者を招き世界を救うというもの。


「実際には勇者っていうのは異世界から強制的に人を誘拐されて、魔素によって改変改造された人間兵器の事よ。

魔王召喚は人の代わりに魔物だった場合の話ね」


数百年生きているフレイさんは、過去に何度か勇者や魔王が召喚されたのを見てきたそうだ。

1回を除いて、そのいずれもが多くの犠牲を払ったらしい。

西の砂漠や東の大峡谷もその時の名残らしい。


「勇者召喚って魔素が溜まってれば簡単に出来るものなんですか?」

「十分な知識と経験がないと難しいわ。だからきっと、実験がてら魔物を召喚したり改造したりしてたんじゃないかしら」


それはつまり、先日の魔物の襲撃やその前のゴブリン達の事を言ってるんだろう。

もしかしたら僕達が知らないだけで他にもあったのかもしれない。


「フレイさんなら被害が出る前に勇者なり魔王なり、倒すことが出来たりしないんですか?」

「出来るわよ。でも残念ながら私達ドラゴンは、それらに介入することが出来ない掟なの。

こうしてあなた達に宣託を授けるのが精々ね」

「そういうものなんですか」

「ええ。ごめんなさいね」


悔しそうなフレイさんを見れば、本当は今すぐ飛んで行ってブレス1発で全部無かったことにしたいのかも知れない。

僕はここに集まってくれているリーンさんやケイ達の顔を見回してから頷いた。


「リーンさん。

今回の問題は僕達が何とかします。

きっと学園都市に居る人たちだって協力してくれます。

だから安心してください」

「そうね、期待しているわ」



すこしでもこれまでの伏線が繋がってくれればいいのですが。

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