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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
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44-2 小さな変化あれこれ

いつもありがとうございます。

リーンさんと分かれて学園の敷地に作った薬草畑へと移動した。

そこには僕の予想とは全く違って、しっかり手入れされた畑に青々と薬草が生い茂っていた。


「ようこそいらっしゃいました。旦那様」


出迎えてくれたのはシルキーのキーヌ。

普段は僕の部屋のメイドをしてもらっている精霊だ。


「なんでキーヌがここに?」

「ここは旦那様の庭のようなものですから」


どうやら以前よりもパワーアップしてある程度自由に遠出が出来るようになったらしい。

以前なら宿り木となる花のある一帯しか活動できなかったのに。


「それと、他にも手入れを手伝ってくださる方が数名」


畑の奥を指し示すキーヌ。

言われて見れば今も何人かの学生が雑草を抜いたり、成熟した薬草を採集したりしていた。

その内の数人が僕に気が付いた。


「お、帰ってきたのか。Eランク」

「ちょっ、ばか。ちゃんと名前で呼んであげなさいよ」

「いや、名前なんだっけ」

「それくらい覚えておきなさいよ。ソージュ君でしょ」

「ああ、そうそう。ソージュな」


そんなやり取りをする、恐らくは先輩。バッジからして2人ともAランクみたいだ。

ただ向こうは僕を知ってるみたいだけど、僕の記憶にはない。


「えっと、すみません。どちら様でしたっけ」

「あ、そうよね。ごめんなさい。

私はマゴー。彼はピーマ。ソージュ君と話をするのは初めてだから安心して。

私達を含め今ここに居るのは、先日の魔物の襲撃の際に怪我をして、あなたの育てた薬草のお陰で助かった人達よ、といえば大体分かるかしら」

「あ、なるほど」


つまり恩返しも兼ねて畑の世話を買って出てくれたんだ。

これは嬉しい誤算というものだね。


「そちらのキーヌさんに聞いたら、元々ソージュ君の趣味で始めた畑だそうだけど、迷惑じゃなければこれからも私達に手伝わせてもらえないかしら」

「邪魔だなんて、そんな。とても助かります。今後ともよろしくお願いします」


それから改めて手伝ってくれている人たちに挨拶をして回り、1時間ほど一緒に活動してからその場を後にした。

放課後まではまだ少し時間があるから、今の内に学園ダンジョンにも顔を出しておこう。


久しぶりに来た学園ダンジョンは、空間こそ以前のままだけど、明らかに魔物の数が減っていた。

20階層まで走り抜けてみたけど、どこも以前の活気は感じられない。

……全体的に魔素濃度が下がっているのか。

これについてはフレイさんに確認すれば原因が分かるだろう。

少なくとも以前のように不安定になっている訳ではないから慌てる必要もないか。

と、時間もちょうど良いくらいだし、そろそろ図書館に向かおう。


図書館にたどり着いた時には、既に他のみんなは来ていた。


「すみません。お待たせしました」

「大丈夫よ。みんな色々気になって早めに集まっただけみたいですし」


みんなを代表してフレイさんが答えた。

って、あれ?


「フレイさん。以前あった時より肌つやよくなってません?」

「あら分かる?実はね。今回の件であの人に相談に行ったのよ。

あの人に会うのは久しぶりだったから色々頑張っちゃったわ」


ふふふって笑うフレイさんは大人の色香を振りまきながら頬を染めていた。

具体的に何があったのかはご想像にお任せします、って事なんだろう。


「さて、フレイ様のそれはまた後で聞くとして、まずはお互いの情報共有から始めましょう」


そうしてエルさんの仕切りで話し合いは始まった。

そしてようやく本題に差し掛かります。

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