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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
243/270

44-1 久しぶりの学園風景

いつもありがとうございます。

ここから最終章になります(きっと終われるはず)。

と言いつつ前回からのフラグ回収からですが。

ジバンリン暦52年10月3日


マリアッジ学園に戻って来てから数日が経った。

この数日はギルドに顔を出したり色々やっている内にあっという間に過ぎてしまった。

お父さん達も、ここなら安心だからと地方で困ってる人達の救援の為に既に町を発っている。

そして今日は久しぶりに授業を受けに学園に来てるんだけど、何と言うか普通。

授業内容は特に前と違いはなく、ここだけ見ると人族至上主義の影響はそれ程でもないように思える。

強いて言えば若干生徒と教師の人数が減ってるくらい、かな。

居なくなった人たちはいずれも人族で、こちらで居心地が悪くなったというより、向こうで地位の向上を求めた結果らしい。

まぁ以前僕とごたごたを抱えてた人達の大半が居なくなったので、僕としては過ごしやすくはあるんだけど。


「おい、Eランク。お前にお客さんだぞ」

「はーい。ありがとう」


この呼ばれ方も久しぶりだ。

以前のような侮蔑の意味はほぼ無くなったので、僕のあだ名のようになってしまっている。

それでもこの学園にランクによる差別意識がまだ残っている証拠なんだろうな。

こういうのも何とか出来たらもっと良い学園になると思うんだけど。


っと、それより僕にお客さんって誰だろう。

リーンさんなら呼ばずに仲間で入ってくるだろうし、ケイも同様だ。

ミラさんが来るならケイも来ているだろう。

えっと、あと僕を訪ねて来るとしたら……

そう考えながら教室の外に出てみれば、そこには鬼。もとい、鬼の形相をしたエルさんが居た。


「ソージュ。私が言いたい事が分かるかしら」

「あ、えっと」

「なぜ学園に戻ってきたにも関わらず、私の所に顔を出さないのかしら。

私、もしかして忘れられてしまったのではないかと、心配してしまいましたよ」

「ま、まさかそんな事あるはずないじゃないですか」

「ほほほほっ。そうでしょうね。って言うと思いましたか!!」

「うっ。ごめんなさい」


素直に頭を下げた僕を見て、ようやく溜飲が下りたのか「はぁ~」とため息を吐いてからいつものキリッとしたエルさんに戻った。


「まぁ皆さんが、戻って来てからも忙しくされていたのは知っていますからね。

ただ私からも伝えておかなければならないことが幾つもありますので、今日の放課後はフレイ様の所に集合してください」

「うん。色々動いてくれてありがとう」

「べ、別にソージュの為ではございませんわ」


フンってそっぽを向くエルさん。

相変わらず褒められるのは苦手みたいで、そんな仕草にほっとしてしまった。


「では伝えましたからね」

「うん、ありがとう」


立ち去るエルさんを見送ると、僕も次の講義の準備に取り掛かった。


そして昼休み。

僕は以前のように学園北側の大樹の下でリーンさんとお弁当箱を広げていた。


「リーンさんとお昼をこうして一緒するのも久しぶりですね」

「うん、このそーくん特製の卵焼きも久しぶりだよ。

こっちのミートボールも。そーくんの味がするよ~」

「リーンさん、さっきから食べ物ばっかりですよ」

「ん~ブラッドベリーおいし~~」

「これは落ち着くまで待つしかないか」


20分後。ようやくお腹いっぱいになったリーンさんと並んでのんびりお茶を飲んでいる。

今日は日差しも穏やかだし、気持ち良い風が吹いてるし、このまま昼寝に移行してしまいそうだな。


「平和ですね~」

「うん~」

「こんな穏やかな日が毎日続けば良いんですけどね~」

「そうだね~。って、そーくん。その発言、若干お爺ちゃん入ってるよ」

「えぇ!?あーじゃあ、リーンさんはお婆ちゃん?」

「残念。女の子は何年経っても女の子なのだよ。商店街の人たちもよく『女子』会してるって言ってたし」

「平均年齢40オーバーの女子会……僕には想像できないですね」

「女子会は基本、男子禁制だからね」


うん、これ以上は踏み込まない方が良いらしい。

女子会恐るべし。


「っと、そろそろ午後の講義が始まるから私は行くね。

そーくんはどうするの?」

「僕は相変わらず午後の講義は受けられないので、久しぶりに薬草畑に行ってみます。

2ヶ月以上放置していたので、雑草だらけだとは思いますけど」


数十話ぶりに学園を描いてる気がします。

当初は学園ラブ?コメディを目指してたはずなんですけどね。

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