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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第4章:それぞれのルーツ
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42-4 決着

遅くなりました。

途中まで書いて別のネタが思い浮かんだので、全面描きなおしてました。

僕たちは援軍に駆けつけてくれた人達を連れて、敵の本陣と対峙していた。

敵軍の先頭には昨日と同じ様にビリーマスが仁王立ちしている。


「奇しくも昨日と同じシチュエーションですね」

「同じじゃないさ。こっちは俺達以外の部隊は戦闘続行不能なっているからな。

まさかここまでやるとは思ってなかったぞ。

あれもお前たちの仕業なのだろう?」


振り返った先には、阿鼻叫喚の地獄絵図。と言っていいのかは微妙な所だ。

腹を抑えてうずくまる者、絶望した顔でへたり込む者など、およそ戦場には似つかわしくない光景だ。

幸い距離があるのでここまで臭いは届かないけど、鼻を押さえている人もいるから、我慢できずに漏らしてしまった人も居るみたいだ。


「朝食に下剤でも混ぜたのか?まったく酷いことをする」

「戦いの朝に暢気にご飯を食べてる方が問題だと思うんですよ」

「それはそうだな。事実、俺の直属の部隊は全員無事だ」

「彼らにはこれも良い経験でしょう。これが血みどろの殺し合いなら、問答無用で殺されている訳ですし」

「命の代わりに人としての尊厳的なものが抹殺されてる気がするが。まぁいいか。

で、お前達が出てきたということは、もうネタは尽きたってことか?

逃げるなら追わないぞ」


人数で言うと、こちらが20人ほど。向こうは500人近く居る。

普通に考えたら勝ち目はない数字だ。

仮に1対1でこちらに分があるとしても、僕らを無視して町を襲われたら500人全員を止めるには手が足りない。

守る側としては、人数差は致命的だ。だから。


「もちろん、ネタは用意してあります」

「おまっ、それをどこで!?」


僕達は一斉に魔法の杖を掲げて火球の魔法を発動させた。


「ちっ。総員、対魔法防御!」


こちらの魔法を見て咄嗟に防御を固める敵。何割かは魔道士も混じっていたのだろう。

魔法障壁が全体を覆うように展開された。


ドドドンと地面や障壁にぶつかり爆発する火球。

幾らも経たない内に敵は爆発の煙と土埃に包まれる。


「気にせず杖の魔力が切れるまで撃ち続けるよ」

「「はい!」」


数分後。

魔力の尽きた杖を捨てて敵の動向を注視する。

煙が晴れた後には、ぼこぼこになった地面と、多少焼け焦げていたり煤けているけど、8割がた無事な敵の姿が現れた。


「やってくれる。

残念だがもう容赦はしてやれないな。

大人しくしていれば多少は痛い思いをせずにあの世に送ってやる」


そう言って、剣を構えて一斉にこちらへと突撃を開始した。

まさにその時。


「そこまでだ。双方剣を退け!!」


町の方から地面を揺らすような大声が響き渡り、堪らずその場にいた全員が足を止めた。

声の主は、町長さんだった。

町長さんはこちらに向かって歩きながら、何かを敵に向かって放り投げる。

ドサッと落ちてきたものを見れば、それは人間だった。

……さっきケイ達が捕まえてきた中のひとりだな。

捕まえた時よりボロボロになっている気がするけど、生きてはいるようだ。


「その男は先ほど、町の西側からこの町を襲おうとした者のうちの1人だ」

「……それがどうした」


投げ込まれた人を横目でチラッと見た後、ビリーマスがさも何でもないように答えた。


「交換条件と行こうじゃないか。

こちらからは残りの捕まえた者達全員を引き渡す。

その代わり、大人しく国へ帰ってはもらえないか」

「ふむ。確かにその男はこちらの軍に所属していたかもしれない。

だが、捕虜となった時点で死んだも同然だ。

残念だがその提案には乗れないな」

「捕虜の中に、公爵家の息子、いや団長が居たとしてもかな。ビリーマス副団長殿」

「チッ」


ケイに連れてこられて、一番偉そうにしていた青年。

少し尋問したらすぐに色々と話してくれた。

自分がこの軍のトップであることや、自分の家が主導で今回の侵攻が行われていることなど。

ビリーマスとしては、ばれてなければ大した価値はない、で推し進めたかったんだろうけど。


「はぁ。分かった。その条件を飲もう。

だが俺達に出来るのは、ここで軍を引き揚げる事だけだ。

その後、意識を取り戻した団長や国がどう動くかまでは保障できん」

「十分だ。団長の青年には我々に伝わる呪いを掛けておいた。

日常生活を送る分には何の問題もないが、いざ我々獣人を襲おうと考えたら発狂するほどの恐怖を覚える呪いをな」


ニヤリと笑う町長さん。

その顔からは僕達と話していたときの温厚そうな雰囲気は消え、暗く底のない闇を映したような危険な何かが垣間見えた。


「そんな呪いがあるはずが、と言いたい所だが、確かに俺達は獣人たちの能力には精通していない。あってもおかしくはないかもしれないな」

「では。皆の衆、捕虜の人間達をここへ」


合図を受けてズタボロになった人達が担がれて僕達とビリーマス副団長の間に積まれていった。

かろうじて胸の辺りが上下しているから、生きてはいるのだろう。


「では我々は外壁まで下がって見送ることにしよう」

「……一応、生きているみたいだな。

よし、総員撤退する。動ける者は自力で何とかしろ」


そうして捕虜になっていた人達を部下に担がせて撤退を始めるビリーマス副団長に、僕は声を掛けた。


「ビリーマス副団長。後ろで苦しんでる人達用の解毒草です。

即効性は無いですが1時間もあれば体調は回復するでしょう」

「ああ、助かる」


僕の投げた薬草の束を受け取るビリーマス副団長。

そのまま残りの人たちを引き連れて山を降りていくのだった。


獣人族の掛けた呪いは洗脳とかトラウマの一種で、魔法的な何かではありません。

そしてソージュ達が○○と呼ばれるくだりを作ろうと思ってたのに、出せなかった。

どこかで、埋め合わせするか、無しにするか。

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