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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第4章:それぞれのルーツ
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41-5 対策会議2

いつもありがとうございます。

そして気付けばブックマークが増えている。

ありがたや。

盛り上がる人たちに冷水を浴びせるようなその声の主は蛇族の男性だった。


「みんな、その少年たちが救助活動を行ってくれたから評価しているようだが、結局はよそ者だろう。

そんな彼らの案に乗って万が一失敗したらどうするんだ。

負けたら俺たちは殺されるか奴隷で、女子供はペットや家畜のような扱いになるだろう。

それでも尚、挑むのであれば博打のような作戦には乗れない。そうだろう?」

「それは、確かにそうだが」


うん、彼の言う通りだろう。

僕とリーンさんは姿は大地人とほぼ変わらない。

だから混乱に乗じて逃げるのは難しくないし、今から逃げても構わないんだ。

でも実際に命がけで戦う彼らはそうではないのだ。

安易な作戦や1か8かの危険なものでは納得してもらえないだろう。


「そう、ですね。

ではまず、今僕が考えている作戦をお伝えします。

それを聞いて意見があれば随時言ってください。

また、最後まで聞いて実行に移すかどうかは皆さんの判断に委ねます」


じっと僕を見る男性の目は、それを聞いてもまだ納得いかない所があるようだった。

鱗に覆われた頭を掻きながら更に僕に聞いてきた。


「その作戦を話す前にもういっこ聞かせてくれよ。

人、というか、頭のいい奴ほどさ、自分に利が無いことには寄り付かないもんだ。

おまえたちがそこまで俺たちに肩入れする理由はなによ。

俺たちに味方して、結果何を求めるんだ?」

「それは……」


求めるものって言われると、ひとつしか思い浮かばない。


「おんせん、かな」

「は?」

「だから、温泉。美人の湯。

元々リーンさんと一緒に入りたかったからこの町に来たんだし。

出来ればゆったりのんびり心行くまで堪能したいでしょ。

それには戦争なんかされてたら無理だし、血臭漂う温泉とかも嫌だし」

「おま、それだけの理由なのかよ」


僕の素直な気持ちに呆れた声が返ってきた。

いけないことかな。

大切な人を喜ばせる為なんだから、多少の苦労は必要経費だと思うんだけど。


「あとはあれだね。温泉町と言えば、温泉まんじゅうとコーヒー牛乳。あと温泉卵。

これを食べないと温泉に来たとは言えない。

……もちろん、この町にもあるんですよね?」

「いや、そりゃあるがよ。

あぁもう。分かったよ。無事に勝てたら温泉まんじゅうでも温泉卵でもたらふく食わせてやる。

その代わり碌でもない作戦だったらお前たちを敵陣に放り込むからな」

「あはは、さすがに万の兵隊を相手にするのは疲れるから遠慮するよ。

さて、じゃあ改めて説明させてもらいますね」


蛇族の人にも納得してもらったところで説明を始めた。

特に今回は時間があまりない。後続の軍隊の移動速度から考えて、明日の夜には町の手前まで来るだろう。

それまでに打てる手を打ちつつ、これ以降にも活用できる防衛施設を造れたらベストだ。

欲を出し過ぎて中途半端になっても行けないのでさじ加減は難しいけど、ここは天然の要塞になる素質もある場所だ。

これをきっかけに防備を拡張しても良いだろう。


「まず今夜から明日にかけてですが、モグラ族の方々には目一杯頑張ってもらいましょう」

「おう、任せてくれ」

「狸族の方にはちょっと危険な任務をお願いしたいのですが」

「何でも言ってくれ」

「熊族の人達は子供の頭くらいの大きさの石を大量に調達して来てほしいです」

「そんなもので良ければ幾らでも手に入るだろう」

「猿族の人達は、えっと、本番まで特にお願いすることがないのですが」

「ええ!!そんなぁ~」

「というのは冗談で、その素早さを活かして偵察をお願いします」

「そうこなくっちゃ」


そんな感じでみんなの役割を伝えていく。


「で、実際に攻めて来るであろう明後日の作戦ですが……」

「……ふぅむ、なるほど。この場合は……」

「ああ、それなら俺たちがこう動けば」

「ちょっと待て。たしかこっちに……」


僕の考えた原案を元に、皆で地の利を活かした計画を練っていく。

結局作戦会議が終わったのは日付が変わる真夜中だった。

この作品は基本幸せ展開です。ダーク展開はほぼありません(敵には多少あります)。

本来もっと疑われたり揚げ足を取られたりするのが当たり前ですが、これだけ多くの種族が集まってるので普段からお互いを尊重する文化が出来てるんです、きっと。

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