41-4 対策会議
いつもありがとうございます。
その夜。
僕達は町長の家に集まっていた。
今後の対策を練るためだ。
「まずは、皆さんにお礼を言いたい。
皆さんの尽力のお陰で被害を最小限にすることが出来た。
特にそちらのソージュ君とリーンさんは、外の人であるにも拘らず、誰よりも率先して救助に駆け回ってくれた。
本当にありがとう」
「いえ、僕達は出来ることをしただけです」
「今の世の中、それが出来る人がどれほど居ることか。
さて、これで終わりなら良かったのだが、残念ながら違うだろう」
町長さんの言葉に集まった皆が頷く。
当然だ。襲撃した奴らはほぼ無傷で立ち去っているし、奴らの目的は襲撃ではなく占領なのだから。
「そこで、次に奴らが来た時にどうやって撃退するか、みなの意見を聞きたい」
「ううむ、あれほどの強力な魔法を撃てる相手に、防衛戦は無理だ。
撃退できたとしてもその頃には町が廃墟になる」
「なら打って出るか?」
「我々はそれほど戦に精通している訳ではない。勝てるのか?」
「それに、援軍が居たらどうする」
「それよりも今の内に避難をするべきでは」
「いや、奴らの蛮行を許す訳にはいかん」
「そうだ。逃げたとしても奴らは大地人じゃないというだけで襲ってくるぞ」
「だからといって勝てないなら意味がないだろう」
喧々囂々、それぞれ意見が飛び交う。
方向性も統一出来て無いし、このままだと話が長引くな。
「先に1つ確認してもいいですか?」
僕の声に、全員の視線がこちらに集まる。
「何かね」
「出来る出来ないは一旦置いておいて、皆さんがどうしたいのかを教えて下さい。
この町を放棄して逃げますか?それとも、戦って町を守りたいですか?
それによって今後の行動が180度変わると思います」
「……」
皆が皆、お互いの顔色を窺う中、町長が一言「戦おう」と言った。
その一言で全員の意思が固まったようだ。
「分かりました。
それなら僕らも勝つために尽力させていただきます。
次に、皆さんの得意なこと、不得意なことを教えてください。
直接戦いに役立たないものでも結構です」
僕の質問に何人かが手を上げた。
「僕ら狸族は変わり身の術と幻覚系の魔法なら得意です。
逆に力はないので直接戦闘には不向きです。
後はこの中では身軽な部類だと思います」
「俺達、熊族は力はあるが魔法はからきしだ。手先も器用とは言い難い。
それと、大人で戦えるのは20人くらいしか居ない」
「私たちモグラ族は穴を掘るのは得意よ。魔法も土を扱うものなら任せて」
「猿族だ。すばしっこいから陽動、撹乱、奇襲なら任せてくれ。
だが、狸族と同様正面からの攻防ではまず勝てん。
数で勝ればやりようはあるがな」
この他にも「洗い物なら任せてくれ」とか「遠目なら」とかいくつか有力な情報を得ることが出来た。
それにしても、よくこれだけの種族が集まったものだ。
でも直接戦闘が得意そうなのが熊族だけって、普段狩りとかはどうしてるんだろう。
あ、罠を仕掛けるんだね。
「なるほど。ありがとうございます。
確かに皆さんがおっしゃるとおり、直接戦闘は避けた方が良さそうですね」
「……やはり厳しいだろうか」
「そうですね。楽ではないです。でもやりようはあるかなと」
「おぉ、それは頼もしい。
あとは狼族や狐族が居てくれれば心強かったんだが……」
ん?最後のはなんだろう。
見渡すと確かに犬っぽい人も猫っぽい人も居ないようだ。
「あの、狼族や狐族というのは?」
「ん、ああ。もうずっと昔に一緒に居た種族なんだが、涼しい所を好む事や食料事情などもあってここよりも北の地に移っていったんだ。
彼らは根っからの狩猟種族だからね。
彼らが居れば相手が10倍だろうと後れを取ることは無かっただろうと思ったのさ」
って、そうだ。
10倍で思い出したけど、重要なことを伝えてなかった。
「あの、期待させた後にこれを伝えるのは心苦しいのですが」
「気にせず気付いたことは何でも言ってくれ」
「例の襲撃してきた奴らですが、恐らく先遣隊もしくは強行偵察隊です。
僕らがここに来る前にこっちに向かう1万近い軍勢を見かけました。
あれがきっと本体だと思います」
「なんと!?仲間が居るとは思っていたが、この町の総人口よりも多いではないか」
「はい。まぁこれを撃退出来れば、今後ここを襲う人は居なくなりますから頑張りましょう」
「いや、そんな簡単に言われても……」
呆れとも取れるため息をつく代表者の人たち。
それでも僕らが楽観的なのをみて希望は捨てずに居てくれるようだ。
だけどそこに、それまで静観していた人物が声を上げた。
「なあちょっと待て。本当にいいのか」
久しぶりに問題を振って次に行きます。
話の切れ目が悪かったとも言いますが。
因みに多種多様な種族が居ますが、総じて共存関係です。
動物だったら肉食だけど、獣人だから実は草食なんてこともあるかもしれないですね。




