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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第4章:それぞれのルーツ
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40-7 ソージュの家の事情

いつもありがとうございます。

頭の中の情景と文章表現に乖離があるのがキツイ。

話がひと段落付いたところで、今度はお前たちの番だと言いたげにブラッドさんが僕らを見た。


「結局お前らはこんなところまで何しに来たんだ?

さっきは知り合いがいる、みたいな事を言ってたが、まさか先生に会うためだけにここまで来たのか?」

「うん、まぁこの時忘れの里に来た目的はそれだね。

とは言っても、ここに至った原因はブラッドさんにもあるんだよ」

「あん?何のことだ」


訝しむブラッドさんに、先日の魔物襲撃の騒動から始まった一連の事をかいつまんで説明した。


「……つまり、訳あって近くまで来たから、寄ってみましたって事か?」

「結論だけ言うとそうだね」

「なんというか、お前らしいな。その掴みどころのない行動とか」


なんだろう。

僕たちとしては結構大冒険をして来たつもりなんだけど、こう一言に纏められるとちょっとモヤモヤする。

そこで、それまで黙っていたリーンさんが補足してくれた。


「そもそもは、私がそーくんのお祖母ちゃんに会いたいって言ったのが原因なの。

そーくんのおばあ……エリーさんの事は色んな所で名前を聞いていたから、どんな人か会ってみたかったんです。

50年前に世界を救って学園を創った方の奥さんだって話だし、当時のお話なんかも聞けたら嬉しいです。

そーくんってその辺りの話ってあまりしてくれなくて」

「それは僕自身、あまり知らないからなんだ。

家の中だと昔話ってほとんど聞いた事が無いし、ある種タブーなのかなって思ってたから」


学園の図書館で初めて詳しく経歴を知ったくらいだし。

お父さんも歴史や各地方の民俗学は教えてくれても、その辺りは話題にすることはほとんど無かった。


「そうね。タブーって訳じゃないんだけど、あの人が微妙な反応をするからね」


とエリーさんが当時を懐かしむ感じで応えた。


「あの人は勇者とか英雄って呼ばれることが嫌いなの。

でもあの頃の話をすると、大半の人がそこに行きつくでしょ。

だから、あの人が、ではなくて多くの種族の力を集結して世界を救った、その中にあの人や私も居たのよ。

って感じで話すようにしてるのよ」


そうなんだよね。

更に言うと、僕自信はお祖父さんには会ったことはない。

(1歳くらいの時に会ってるらしいんだけど、流石に覚えてないし)

だから「あなたのおじいちゃんは凄い人だったんだよ」って言われても「へぇ」って感想しか出てこない。

実際問題として魔血族の方が重要だし。

エリーさんもやり手の商人っていうより、元気なおば、お姉さんって感じなのがその感覚に拍車を掛けている気がする。

っと、そのエリーさんの視線がリーンさんの首筋で止まった?


「ふたりはこれから学園に戻るのよね。

ならここを出て北東の山の中腹に温泉が沸いてるからオススメよ」

「温泉?」


突然何をって思ったけど、次の言葉でエリーさんがなにを見てたのかが分かった。


「特に美肌効果があるとか、若返り効果があるって言われてるし。

最近あまりケアとかしてないんじゃない?

若さに任せてると、後々後悔するわよ」


言われてみれば、リーンさん若干肌にツヤがない、かな。

この数か月、リーンさんは竜の山でも世界樹の森でも修行の毎日だったって言ってたから仕方ないって気もする。

でもそんな僕の視線に気が付いたのか、リーンさんはサッと赤くなりつつ、メラメラと燃えていた。


「それは絶対に必ず行かないと、そーくん!!」

「あ、うん。そうだね」


僕たちの次の行き先が決まった瞬間だった。




ほとんどあった事もないおじいちゃんの事情ってどのくらい知ってる?

って聞かれたら、詳しく知ってる人ってどれくらいいるんでしょう。

少なくとも私は、名前すら分かりません(汗)

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