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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
22/270

4-A 寮母ルーメの笑顔

よろしくお願いします。


今回から別視点パートです。

まずは寮母のルーメさんから。


そして、総合評価が1.5倍に増えてる!!

皆さん、ありがとうございます。

ジバンリン暦52年3月16日


Side ルーメ


ルーメです。

普段はマリアッジ学園 第2男子寮の寮母をしています。


このマリアッジ学園には、男子寮、女子寮それぞれ5つずつあります。

Aランク以上の生徒用の特別寮とBランク以下の各学年を均等に振り分けた第1~第4です。

第1から第4の各寮には400人近くが暮らしています。


そして3月は別れと出会いの季節。

3月8日に卒業した生徒が退寮し、今年度新たに入学する生徒達がやってきます。

ただ、3年間一緒に暮らすとは言っても、寮生は400人も居るので、朝の挨拶くらいしかしたことが無い子達も大勢居ます。

なので悲しいとかは、あまりありません。


願わくば、今年入ってくる生徒達が暴れないことを祈ります。

去年の子達はちっとも私の言うことを聞いてくれないので困ってしまいます。


あーもー、だ、か、ら。

私のことをルーちゃんって呼ぶのは禁止です!!

頭を撫でないでください!

……飴はいりますけど。


そんな折、学園から通知が届きました。

……なんでしょう。悪い予感しかありません。


えっと……Eランクの生徒をそちらで預かって欲しい?

Eランクとか名前だけは聞いてましたけど、本当に居るんですね。

どんな子でしょう。

成績が悪いって事は、やっぱり不良生徒でしょうか。


コンッコンッ。


あら?誰か来たみたいですね。

この時期だと新入生でしょうか。


「はい、なにかご用ですか?」


あ、やっぱり新入生ですね。

めずらしく冒険者の服装です。

最近は貴族の子供が増えて見た目に拘った人が多いんですよね。


「えっと、寮母さんですか? 僕はソージュ・ライオネルです。

今日からここでお世話になる事になりました。

どうぞよろしくお願いします」


あら。あらまあ。

私の事を初見で寮母だって言ってもらえたのって5年ぶり、でしょうか。

いつも「寮母さんの娘さんですか」ってそればっかりなんですもの。

この子はきっと良い子ですね。


「あの、僕の部屋がここの6階だと聞いてきたんですけど、案内図に描いてなくてですね」


6階?この寮は5階建てですよ?

見せてもらった書類には確かに「ソージュ・ライオネル。第2男子寮6階」とありました。

って部屋番号が書いてないですね。

ちょっと待ってください。

間違いだったとしたら、昨日届いた新入生名簿を見れば分かるはず。


……え?Eランク?こんな良い子が!?

6階ってまさか屋根裏部屋の事?

あそこって部屋とは名ばかりのただ屋根に上がるための空きスペースじゃなかったでしょうか。

私の記憶違い?

まあ、行けば分かりますね。


「うーん、分かりました。付いて来て下さい」


って、あぁぁぁぁ……!!

やってしまいました。

はしごなんて普段使う機会が無いから油断していました。

ソージュさんのあの顔、絶対見ちゃってます。

しかも今日ってたしか、ねこにゃんパンツを履いてたような。

きゃぁぁぁ!?!?


「……ソージュさんのえっち」


真っ赤になって謝ってくれたから許してあげます。

って、それよりも。

やっぱり屋根裏部屋はもう何年も人の出入りが無いせいで埃が積もってます。

それに家具の類いも無いから新しく揃えないといけないです。

失礼ですけどソージュさんにそんなお金は、無さそうなんですよね。


「やっぱりこんな部屋、いや、ですよね」


梯子を上がって来たソージュさんに恐る恐る聞いてみると、予想外に喜ばれてしまいました。

なんて、ポジティブな子なんでしょう。

Eランクで心配でしたけど、これなら安心ですね。



そして翌日から、なんと私のお手伝いを買って出てくれました。

ソージュさん、良い子です。

それまで日の出と共に一人で起きて掃除と朝食の準備をしていたんです。

あの広い食堂で一人っきりって寂しかったんですけど、これでもう大丈夫です。

これから3年間は楽しくなりそうです。

ルーメさんは第2男子寮の妹的立ち位置でみんなから愛されてます。

時々居るロリコンは方々から教育的指導を受ける為、ルーメさんを陰ながら見守っています。

(いや、手伝えよ。え、ヘタレだから無理?)


########


マリアッジ学園都市。元々は学園の為に商人や職人が集まってできた都市だ。

しかし人が集まれば上下関係が出来、特権階級と呼ばれる人たちも現れる。

栄枯盛衰、陰謀、賄賂、光あれば闇もまた存在する。


次回:シルキーのキーヌは知っている


次はちょっぴり?ダークなお話になります。

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