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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第4章:それぞれのルーツ
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39-4 祖母の行方と

よろしくお願いします。

半分、今更ながらの説明回。

エルパルさんはいつ会っても全身鎧を纏っている人で、ご飯の時も外さない徹底っぷりだ。

彼は商会の警備隊長であり、主要な重鎮がどこでなにをしているかはほとんど把握しているはず。


「エルパルさん、エリーお婆ちゃんはいまどこにいるか分かりますか?」

「いや、残念だが現在の位置は分からん。

なにしろ今は商会全体の総力を挙げて活動している最中だからな。

エリー様に至ってはどこまで飛んで行ってるのか見当もつかん」


あれ?今ってそんな大事件が起きてる最中だったっけ。

隣のリーンさんに視線を向けてみると、首を横に振っていたので、リーンさんも知らないらしい。


「まぁ立ち話もなんだ。この先は2階の応接室で話そう。

そのお嬢さんのことも聞いておきたいしな」


そういってニヤッと笑った(兜でいまいち分からないけど)エルパルさんに続いて応接室へと移動する。


「さて、坊は確か今、マリアッジ学園に通っているんだったよな。

なら先月の頭くらいに新しい学園が出来たことは知っているか?」

「噂くらいなら」


その頃って言ったら、もう僕は学園ダンジョンから過去に飛ばされてる時だ。

居なかった間の話はリーンさんから聞いたけど、リーンさん自身も半分修行に明け暮れていたらしくて知らないことが多い。


「その学園になにか問題が?」

「ああ、大有りだ。

なんでもその学園は『人間こそが最も優れた種族である』と大っぴらに宣言している人族至上主義でな。

いや、全く時代錯誤も甚だしいって笑いたくなるだろ。

だが、意外と賛同者が多いらしいんだ。酷い所だと小国丸ごとがその意見に賛同しちまいやがった」

「うわぁ」


人族っていうのは、この場合「大地人」の事で、獣人や森人、魚人、魔人などと区別する為に使われる表現だ。

主に2本足で立ち、共通語を使って意思の疎通が出来て、ある程度の文化的生活を営む存在を広義の人族とした場合、純血の大地人が大陸に占める割合は約6割だと言われている。

ちなみに僕やリーンさんは見た目は大地人と同じだけど、曰く人族至上主義からは迫害の対象になる。

いや、むしろ見た目が似ている分、あたりが厳しかった歴史もある。

そんな差別を無くす為にマリアッジ学園が創られたって話も聞いたことがあったし、実際最近は種族差別が問題になった話はほとんど聞かなかった。


「で、その影響で大地人以外を排斥しようとする運動が幾つかの地域で起きつつある訳だ」

「なるほど。それでうちの商会は問題が大きくなる前に各地に手を回してるって事なんだね」

「そういうことだ。ちなみにマリアッジ学園からも引き抜きがあったって話だ」

「え、そんな話に賛同するような人たちって……居たかも。

僕のことを見下して色々動いてた人たちならありえそうだ」


マリアッジ学園は入試の段階で素行の悪い人たちは弾いていたはずだけど、それでも他人を見下さないと気がすまない人は一定数居た。

それに。


「学園の入試で落とされた人たちがそっちに行ったのかも」

「それはあるかもな」


僕の入試の時にもケイ達が獣人だからって差別した人たちが居た。

多分彼ら以外にも何人か居ただろうし、そういうところで鬱憤が溜まっていたのかもしれない。

それと、僕の考えすぎなら良いんだけど、このタイミングで起きたのは、先日の魔物騒動や学園の魔道具の盗難とも何か関係がある気がする。

その場合は単なる差別社会の建立が目的じゃないかもしれない。


「ま、そっちの問題は俺達大人が何とかするとしてだ。

坊、今日来たのは坊のお嫁さんを紹介しに帰ってきたっていいんだよな」

「お、お嫁さんって」

「うん、それはちょっと早すぎると思うよ」

「そうなのか?てっきりそうだと思ったんだが。

それに、気になってるのは俺だけじゃないみたいだぞ」


くいっと指差された先にある扉が開いたかと思ったら、聞き耳を立てていたらしい人影が4人分雪崩れ込んできた。


「うわっとと、だから押すなと言ったのに」

「まあまあ、いいじゃないか」

「しっかし坊が女の子を連れて帰って来たって聞いて耳を疑ったが」

「綺麗な子ね。仕立てがいがあるわ」


1人は現商会長のエルマさん。

他の3人も僕が生まれる前からこの商会に居る重鎮だ。

みんな暇なのかな。

まだ早すぎるってことは、つまりはそういうこと、なんでしょうね。

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