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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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39-3 救ってくれたのは

GWが明けると、予想通り、忙しい日々が再臨しております。

まだ当分不定期更新になりますがご容赦を。

気が付くと真っ白い石造りの天井が映った。

……あれ?ここはいったい……。

寝ているベッドがふかふかだから、かなり上質な部屋なんだろうけど、こんな部屋には心当たりはないなぁ。

寝起きでぼーっとしていた私の疑問に答えるように、横合いから声が聞こえてきた。


「あら、起きたみたいね。

どう?身体におかしな所はないかしら」


声の方を振り向けば、そこには赤い髪が綺麗な女の子が居て私の顔を覗き込んできた。

そっとおでこに当ててくれた手が温かくて、回復魔法のような優しい魔力が流れてきて凄く安心する。


「ふふっ。お父様直伝の手当ては気持ちいいでしょ。

それにしても、その歳で最終氷結封印呪の魔法を使えるとは驚いたわ」

「さいしゅう……はっ!」


その言葉を聞いてようやく意識が覚醒した。

そうだったわ。確かあのドラゴンに襲われて貞操の危機だったから、自分諸共氷の中に閉じ込める魔法を使ったんだっけ。

あれからどうなったんだろう。

少なくとも今意識があるってことはこの人が魔法を解除してくれたってことなんだろうな。


「えと、助けて頂きありがとうございます」

「いいのよ。あれは身内の落ち度だしね」

「身内?あの、それより私が意識を失ってからどれ位時間が経ったか分かりますか?」

「安心して。あなたがあの魔法を発動してから2時間くらいしか経ってないわ」

「そうでしたか。良かった」


お母さんから、発動したら年単位で眠りに就くことになるかもしれないから、他に手が無いピンチの時に使うのよって言われてたから、そーくんを呼び戻す手伝いが出来なくなる事も覚悟したけど、大丈夫だったみたい。


「あの、それでここはどこでしょう。確か私は竜の山に居たはずなのですが」

「そうね。ここは竜の巣。私の部屋よ」

「あなたの、ということは、あなたもドラゴンなんですか?」

「ええ。私の名前はレン。一応いまこの山に住んでいるドラゴンの中では3番目くらいには偉いことになってるわ。

見ての通り、人間換算で言えばあなたと同じ位だから、敬語とかは無しで良いわよ」

「ええ、分かったわ」


何というか、すごい話しやすい。まるでクラスメイトと話しているみたいな気分になってしまう。

ドラゴンってもっと厳格だったり、あのドラゴンみたいに力で全てを捩じ伏せるようなイメージがあったけど違うのね。


「ってそうだ。あのドラゴン、サラバラはどうなったのかしら」

「安心して。あいつには厳しくお説教しておいたから、二度とあなたに迷惑をかけることは無いはずよ」

「そう」


そっか。良かった。

あれがドラゴンの標準だったら、スキルを学ぶどころの話じゃないし。


「あ、そもそも私、ドラゴンに飛行スキルを教えてもらいたくて来たんだった」

「飛行スキル?その為に竜の山に来る人は初めて見たわ。人間なら風魔法で飛べばいいのに。何か理由があるの?」

「ええ。それは」


私はここに来た経緯を掻い摘んでレンさんに説明した。

それを聞いたレンさんは楽しそうに目を細めた。


「ふぅん。大好きな人を追いかける為か。良いわね。

私も生まれたばかりのころ、早くお父様に追いつけるようにって頑張ってたのを思い出しちゃった。

そういうことなら私が手を貸してあげるわ」

「ありがとう」

「良いのよ。それと、もう1つ聞いておきたいんだけど、あなたから私のお母様の匂いがするんだけど、どこかで会った?」

「お母様?うーん、少なくともドラゴンに会ったのは今日が初めてのはずだけど。

あれ?でも人の姿だと気付かない、かも?」

「そうね。お母様クラスになると、普通の人にはまず見分けは付かないでしょうね。

お母様はフレイって名前なのだけど、心当たりはある?」

「フレイ……って、学園の図書館司書のフレイ様!?」

「そうそう。今はお父様達が創った学園に居るの」

「そうだったんだ。フレイ様にはこれまで色々とお世話になったわ」


それにお父様って、もしかして……。

あれ?確かそーくんのお祖父さんも学園の創設者だって言ってたから、


「レンさんって、そーくんの伯母さんなのかも」

「そーくん?」

「うん。そーくん。ソージュ・ライオネルって言ったら分かるかな」


レンさんは、うーんって若干記憶を巡らせてから、ぱっと思い当たったみたいだ。

こういう仕草も、時々そーくんがしてるのに似てる?いや、そうでもないかな。


「ソージュって名前は分からないけど、ライオネルの方はエリーお姉ちゃんと同じ苗字ね。

であれば、お父様の息子か孫か、子孫である可能性は高いわね。

そっか~。こんなところで繋がるなんて、世界は広いようで狭いね」

「ほんとね、ふふっ」


そうやって2人で笑い合った後、改めて飛行スキルについて教えてもらえることになった。


そんな訳で、プチ女子会みたいになってます。

レンちゃんはドラゴンなので実年齢で言うと○○歳なのですが、そこは永遠の17歳ということで。


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