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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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38-3 帰郷

間が開きすぎて、文体とかが変わってしまっている気がします。

後でちょこちょこっと書き直すかもしれません。

私はこの地に眠っている人たちの冥福を祈る。

数分祈りを捧げた後、ふと気になったことを妖精に尋ねてみることにした。


「ねぇ、この町がこうって言うことは、近隣の村も?」


確か当時、この町から更に西に行った村もバンパイアの被害に遭っていたし、私が両親と暮らしていた村も、恐らくはバンパイア化していた。

ならきっと、ここと同じ様な状況じゃないだろうか。

私の疑問に、妖精は静かに頷いた。


「ええ。お察しの通り、近隣の村も全滅。

ちなみにソージュ様が手をかけたのはこの町と西側の幾つかの村だけ。

他は別の冒険者達が手がけたみたいよ。

そのせいで2つほど、村が死霊の巣になってしまう問題も起きたけど。それも今は鎮静化しているわ」

「そっか。ならもう私に出来ることはなさそうね」

「ええ、気にかけてくれてどうもありがとう」


お礼を言った妖精は何かを思い出したように他の妖精たちに声をかけた。

うーん、妖精語っていうのかしら。さっきとは違って特殊な高周波の音で連絡を取り合っていて何を言っているのか分からないわね。

そして程なくして何人かの妖精が小瓶を運んできた。


「リーンさん。あなたにこれを預けるわ」


その瓶には真っ赤な液体が入ってるけど。

回復ポーションや解毒ポーションなんかとは雰囲気が違うみたいね。何かしら。


「ライフフラワーの蜜から精製した薬よ。

ソージュ様のには敵わないけど、それでも死に至る命を現世に繋ぎ止める効果があると言われているの。

少しでもソージュ様の血の代わりになればいいのだけど」

「え?」


なぜか寂しげに語る妖精。

どういうことなのか聞こうとしたけれど、小さく笑うだけでそれ以上は教えてはくれなかった。

そしてそのまま妖精たちに背中を押されるように町を追い出されてしまった。

うーん、何か隠していたようにも思えるけど、なんだったのかな。

まぁ考えても分からないし先を急ごう。


そこから先は特に大きな問題もなく走り続けることが出来た。

そんな中、ふと見つけた空き地で足を止める。


「……確かここが、昔住んでいた家があった場所よね」


結局私は一冬しか過ごしていなかったから大した思い出も残ってはいない。

そーくんがここに寄ったかもと思ってちょっと調べたけど何もなし。

精霊武器も反応しないことからきっと何も無いのだろう。


「先を急ごう」


小さく呟いて移動を再開する。

この先は確か、大きな森が1つ、川が2つあるだけだったはず。

結局、1週間ちょっとで両親が暮らしている霧の深い渓谷へとたどり着いた。

この渓谷はすぐ隣にドラゴンの住む竜の山があることもあって、滅多なことでは普通の人は近づかないらしい。

その代わり、竜人族と呼ばれる、竜の鱗を持った種族が暮らしている。

15年前も保護を求めてやってきた私たちは、そーくんのお陰で快く迎えられた。

なんでもそーくんのおじい様がその竜人族と仲が良かったらしいのよね。

当時は漠然と凄いんだなって思ってたけど、フレイ様の話曰く、竜人族の英雄のような扱いだったみたい。

だから私達も大切な客人として歓迎された。


「うん。こっちは懐かしいな。もうかれこれ実家を離れて3年だもんね」


みんな元気にしてるかな。

そう思って歩く私の元に、鋭い制止の声が届いた。


「止まりなさい、そこの人間。

この渓谷に何の用があって来た!」


声の主はこの先の岩の上に居るようだけど、霧のせいではっきりとは見えない。

それでも強い意志を纏った視線を感じる。

ただ、知った声だったことに安心した。


「私はリーンよ。その声はゾルタよね。

ひさしぶりね。元気にしてたかしら」

「ええっ!ちょっと待って。今そっちまで行くから」


言うが早いか、岩から飛び降りてこっちへと走ってきた。

あ、やっぱり向こうからも霧のせいで私が誰かまでは分からなかったんだね。

そして現れたのは、首や手足が鱗で覆われた20歳位の見た目の竜人族の女性、ゾルタだ。


「お帰りなさい。リーン姉」

「ええ、ただいま。こっちは特に変わりないかしら」

「それはもう。リーン姉のご両親も元気ですよ」

「そう、それは良かったわ。それにしても、数年見ない間に抜かれちゃったね」


ゾルタが私のことを『リーン姉』と呼ぶのは、年齢的には私の方が年上で、当時ここに来た時はゾルタはまだ赤ん坊だった。

それが今では身長も大人びた雰囲気も抜かれていた。竜人族は成長が早いな。


「リーン姉が帰ってきたってことは、例のお兄さんは見つかったんですか?」

「そうね。その事でちょっと力を借りたくて来たの」

「そうだったんですね」


そう言って頷くゾルタを連れて、私は両親の住む家へと向かった。



そして話の山や谷が見あたらない今日この頃。

もう1話リーンさん視点が入って、そこからソージュに戻るので少しは改善されるはず。

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