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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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37-2 遠回りな近道

お待たせしておりますm(_ _)m


仕事の合間に溜まってきた内容を勢いで書いてます。

まだ更新は安定しませんがご容赦ください。

町を出てから4日。

やってきました、森の中。

……って、あれ?ち、違うよね。

私、鬼族の町に向かっている途中だったのに、なんで街道から逸れて森の中にいるんだっけ。


リンリン♪


あ、そうだった。

そーくんの残していった精霊武器から『あっちに良いものがあるよ』って言われたんだ。

もしかしたら、そーくんが良く脱線して採集に向かうのって、このせいだったのかな。

ちなみに、私は精霊武器の発する音は聞こえるけど、明確な声は聞こえない。

その音から伝わるイメージで、何となくそういう事を言いたいんだろうなっていうニュアンスだけ分かる感じ。

なんだけど。

今回は間違って解釈したのか、見落としたのか、進めど進めど何も見当たらない。

まぁ現在進行形で全速力で駆け抜けているからっていうのもあるんだけどね。


ズンッ、バキバキッ


っと、森の奥から何かが衝突した音と木が折れるような音が響いてきた。

それと共に魔物がこっちに近づいてくる気配がする。


「ブモォーーー」


あれは、クラッシュボアね。

クラッシュボアは全長5メートルを超える猪型の魔物で、丈夫な毛皮と太い牙が重宝され、肉は独特の臭みがあるので干し肉にして越冬用の保存食として扱われる。

ただ生半可な攻撃はその毛皮で弾かれるし、速度の乗った突撃は重戦士でも吹き飛ばす程の威力があり、初心者の冒険者や狩人では歯が立たない。

そんなクラッシュボアだけど、全身至る所から血を流している所を見ると、何かから逃げてきたのかしら。

真っ直ぐ私の方に向かってくるのは偶然、なのかしらね。

まぁ、鬼族なら喜んで食べてくれそうだし、お土産代わりに狩って行こうかな。


「ブモッブモッ」


どけって言ってる気もするけど、ごめんなさいね。


「『アイスパイル』」

「ブモモォー」


地面から氷の杭を生み出してクラッシュボアの顎をかち上げる。

突撃の勢いもあって上空に舞い上がった後、私を飛び越えて遠くに、ってダメでしょ。


「『アイスハンマー』」

ゴンッ、ズシンッ……


今度は上空に氷塊を生み出して叩き落す。

結果、頭が完全に潰れた状態で絶命していた。

あ、これじゃあ牙はダメね。

身体に付いてる傷はかすり傷程度だから、まだ大丈夫かな。

そう検分してから回収しようとした所で、新たにこっちに走ってくる気配を感じた。

今度のは魔物じゃないみたいね。ただ、クラッシュボアとは比べ物にならない位強そうだけど。

そうして茂みを掻き分けて出てきたのは、1人の赤鬼だった。


「よぉ、こっちに大猪が逃げてったと思うんだが。って、そいつか。

あー、けしかけたみたいになっちまって、悪いな。大丈夫だったか?」


頭をボリボリ掻きながら謝ってくる赤鬼。

うん、この様子だと悪い人では無さそうね。もしかしなくても、この先の鬼族の村の人よね。


「こんにちは。私の方は大丈夫よ。この程度なら十分対処できるから」

「そう言ってもらえると助かる。他人に迷惑をかけた事がばれたら母ちゃんにぶん殴られるからな。

あ、それでその猪はどうする?狩ったのはお前さんだから好きにしてくれて良いんだが。持っていけるか?」

「ええ。これくらいなら運ぶのは問題ないわ。

ただ、私。これからこの先にある鬼族の町に行こうと思ってて、これはお土産にしようかなって思ってたんだけど」

「お、そうなのか。お前いい奴だな。

ならここで出会ったのも何かの縁だ。俺が運んで行ってやるよ」


言うや否や、クラッシュボアの後ろ足を掴んで軽々と担ぎ上げてしまった。

あれって数トンはあるはずなんだけど、さすが鬼族ってところね。


「ん?どうした、町に行くんだろ?付いて来いよ。こっちが近道だから」

「え、えぇ」


そうして、ズンズン森の中を掻き分けて進む鬼の後ろについて、鬼の町へと向かっていった。



ちなみに、精霊武器は元々寄り道好きな訳ではなく、ソージュに付き合う結果、寄り道するのが当たり前になってしまってます。

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