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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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37ー1 追憶の旅

よろしくお願いします。


うーむ、久しぶりの現代で色々と話に齟齬がありそうで怖い。

Side リーン


今回の旅では実家に戻ることも目的地の一つだけど、その途中、あの時お兄ちゃんと一緒に旅した経路をなぞってみようと思う。

というのも、もしかしたら、そーくんの事だから何かあった時のために痕跡を残しているかもしれない。

私は商店街で旅の準備を済ませてから冒険者ギルドへと向かう。

受付に行って、当分の間私たちが町を離れることを伝えつつ、道中にある町宛ての荷物クエストが無いか確認しつつ、最新の情報を聞いて回る。

最初の目的地は鬼族の住む土地。

学園から行こうとすると北北西へ歩いて10日ってところね。


「『鬼門の町』ですか。そうですね、特に心配されることは無く、はないですね。

ご存知かもしれませんが鬼族は強い人を見ると力比べをしたがります。

リーン様ほどの実力があると、彼らから勝負を挑まれる可能性があります」


受付のお姉さんはちょっと呆れた感じでそう言った。

まぁ鬼族だしね。


「勝負の内容はスモウ、ですか?」

「はい。あら?リーン様はもしかして、以前かの町に行ったことがあるのですか?」

「ええ。小さいときに一度だけ」


当時は町というより、村か集落かってサイズだったけど、この15年ほどでだいぶ大きくなったようだ。

そういえば、あの時の子供たちは元気かしら。

まぁ、行ってみれば分かるわよね。

私はお礼を言って町を出た。


さて、ただ移動するだけだと勿体ないよね。

フレイ様の話だと、そーくんは空間だけじゃなく時間も飛んでしまった可能性が高いってことだから、こっちで急いでもそーくん側には大して影響はないらしい。

それなら次、そーくんと会った時にびっくりして貰えるくらい成長しよう。

その為に、何が出来るだろうか。

これまでと同様に魔力制御はやるとして、出来ることならオーガキングを余裕で倒せるようになりたいな。

うーん、なら強化系の能力アップと1つ1つの魔法の威力アップね。

そうと決まれば、そーくんの真似をしよう。

つまり自分自身に過剰な負荷魔法をかける。物理的にも魔法的にも。

確か前にそーくんが言ってた基準は、常時9割の力で負荷を掛けて、ギリギリ動ける状態を維持する。

それが余裕で出来るようになった頃に、負荷を見直してまたギリギリに調整する。

これを繰り返すことで加速度的に負荷を高められるって話だったよね。


「よし、やってみますか」


気合を入れて自分に常時解除可能な負荷魔法というか、呪いを掛ける。


「うぐっ」


失敗。強すぎて倒れちゃった。

その反動で強制解除されたから、無事に安全装置は稼働しているのは確認できたけど、ちゃんと調整しないとだめね。


「えっと、これくらい?ぐっ」


う、うん。今度は何とか、耐えられそう。

よし、これで更に魔力球を生み出して。


「ぬぐぐぐ」


魔力的に負荷を掛けるとこうなるのね。

いつもなら息を吸って吐くくらい簡単に出来る動作が、物凄く重労働だ。

う、よし。何とか両手に3つずつ作れた。あとはこれを手首の周りで回し続けてっと。

よしよし、これで準備オッケーね。

じゃあ、改めて鬼の集落に向かうとしよう。

というか、これ。

頑張らないと辿り着くのにすごい時間がかかりそう。

いくらそーくんが時間軸を超えて転移してしまった可能性が高いと言っても、早く戻ってこれるように急がないと。

そうして私はしっかりと踏み固められているはずの街道にうっすらと足跡を付けながら小走りに移動を開始した。



そんな感じで過去の道筋を辿る、と見せかけて暴走しそうな予感がひしひしとしております。

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