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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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34-1 吸血病

投稿が不安定になっています。

申し訳ございませんm(_ _)m


そしてなぜか休むとブックマークが増える不思議。

りーんちゃんと旅を始めてから1週間ほどが経過した。

りーんちゃんは若さのお陰か成長が早い(こういうと自分がおじさんに思えるけど)

肉体的な面もそうだし、知識面でも飲み込みが早いから教える側としても楽しいんだよね。

っと、りーんちゃんが何か見つけたみたいだ。


「お兄ちゃん。あそこにパルネ草があるよ。採って来て良い?」

「ああ、あるね。ただガラドクヘビが近くに居るから気をつけてね」

「はーい。一緒に狩って来るね」


元気に挨拶をして、タタタッと駆けていくと、手早く木製のナイフでパルネ草の根に近い部分の枝葉を刈り取っていく。

パルネ草はそうすることでより上へと伸びて元気になる特性があるんだ。

採取を行う時は、極力その植生を害さないように気をつけるように教えている。

続いてりーんちゃんは隣の木の上にサッと飛び乗ると、地面に向けて大きくジャンプして、そこに居たガラドクヘビの首を切り飛ばしてしまった。

そのまま残った胴体部分に噛み付いて、血を吸いながらこっちへ戻ってくる。

あ、血を吸っているのは、そうすることで普通に血抜きをするよりも早くて綺麗に血が抜けるかららしい。

おやつ代わりって面もあるみたいだけど。


「おふぃふぁん、ふぁい」

「うん、ありがと」


差し出されたパルネ草をアイテム袋にしまいつつ、りーんちゃんの頭を撫でる。

それにしても、小さな女の子が全長3メートルあるヘビを笑顔で咥えてるのって絵面的にまずい。

これは他の人が居る前ではしないように注意しておかないと。

ちなみにこのやりとり、軽いランニングくらいのペースで走りながらやってたりする。

最初のころは普通に歩いているだけでバテていたことを考えれば、本当に凄い成長速度だ。

っと、道の向こうから人の気配が近づいてきてるな。


「りーんちゃん、誰か来るみたいだよ」

「またG?」

「いや、多分普通の人。馬車が1台と護衛の冒険者が5人、かな。だから普通にすれ違うよ」

「はーい」


そう言っている間に、馬車が見えてきた。

見た目は普通。雰囲気もおかしな所はないから、行商か何かだろうな。


「こんにちは」

「こんにちは~」

「おう、ってちょっと待て」


あれ、何かあったかな。

ひとまず悪意は感じないし止まってみるか。


「はい、なんでしょう」

「お前達、この先の町に行くのか?」

「はい。正確にはその先の村に向かっている所です」

「そうか。なら悪いことは言わないから、町には滞在せずにさっさと進んだ方が良い」

「え、町に何かあるんですか?」

「吸血病だよ。町の住人が何人か発症しているみたいなんだ」

「吸血病?」

「なんだ、知らないのか。吸血病ってのは夜な夜な人の血を欲して徘徊する病気だ。

日中は普通の人と変わらないから見分けは付かないし、夜になったら突然ガブッとやられる訳だ。

で、酷い言い方だが吸われた奴は適正があれば吸血病が移るし、適正が無ければそのまま死ぬ。

お陰で今は、浮浪者は減るし、夜に戒厳令が敷かれているくらいだ」

「なるほど。情報ありがとうございます」


僕はお礼を言いつつ、ここに居る全員を注意深く観察した。

というのも、この中にもその吸血病に罹っている人がいる危険性があるからだ。

その人達が何の対策もせずに他の町に拡散すると危険だ。


「ところで、皆さんがその吸血病に罹っていないっていうのはどうやって確認したんですか?」

「ああ。俺達は町を出てすぐのところで、お互いを確認しながら夜を過ごした。

それでまぁ、特に怪しい兆候も見られなかったんで大丈夫だろうって判断した」

「怪しい兆候っていうのは?」

「目が赤くなったり、挙動不審になったり、爪や歯の形が変わったりだな」

「あぁ。それだけ見た目で分かるのであれば大丈夫ですね」

「そういうことだ。じゃあな」


そう言ってその一団は去っていった。

見送ったところで、くいっと袖をひっぱられた。

見ればりーんちゃんが不安そうな目で僕を見ている。


「お兄ちゃん」

「うん、残念だけど町には入らずに迂回して行こうか」

「ううん。そうじゃなくて、私のあれって移るの?もしかしてお兄ちゃんも病気になっちゃう??」


あぁ、なるほど。

確かに血を吸うっていう点では同じだもんね。

そりゃ心配になっても仕方ないか。


「大丈夫だよ。りーんちゃんのそれは病気じゃないから。

その証拠にりーんちゃんは昼間でも普通に血を飲むし、夜になったからっておかしくなったりしないでしょ」

「それは、うん」

「それにもし病気なら、とっくの昔に僕は発病してないとおかしいからね。

りーんちゃんのそれは、言わば味の好みみたいなものだよ」

「そっか、なら大丈夫なんだね」


そう言って胸をなでおろすりーんちゃん。

安心できるように、いつものように頭を撫でてあげながら、僕達は先に進んだ。

だけどそれが不味かったのかもしれない。

日が暮れて夜営する頃には、例の町が見えるところまで近づいていたのだった。


この3章は余りにも分岐ルートが多くて色々大変です。

吸血病ルートも数多ある内の1つでした。


出し切れなかったネタは元の世界に戻ってから思い出話的に出すかも。

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