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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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33-3 1日の終わりと始まり

よろしくお願いします。


ほのぼの回。

最初の予定では1話を短く、終始これくらいほのぼのゆっくりする作品を目指していた気もします。

その日の夕方。

途中何度か休憩を挟んだものの、長時間の移動でりーんちゃんが疲れてきたので、早めに夜営の準備に入る。


「さて、りーんちゃん。

旅を続ける上で、常に考えておかないといけないのが夜営だよ。

これまでは僕達の言うままに過ごしてたと思うけど、今日からは夜営のノウハウも学んで行こうね」

「はい」

「まずは場所の選定から。

大事なのはある程度開けた場所であること、地面が平らで乾燥していること。

それから、必須ではないけど近くに水場があるといいね。

じゃあ、他に気にかける項目はなにか思いつくかな?」

「他に?他には、うーん」


問いかけられて考え込むりーんちゃん。

一方的に教え込むのは簡単だけど、そうすると考える習慣が身につかないから、簡単なことでも一緒に考えていくようにしよう。

僕はその間に夜営に必要な道具をアイテム袋から取り出したり、焚き火を炊いたりする。

今日は根野菜のスープが良いかな。

そうしていると、あたりを見回していたりーんちゃんが何かに気が付いたみたいだ。


「えっと、近くに魔物の気配が無いこと、かな」


なるほど。

昼間のことを覚えていたみたいだ。


「うん、そうだね。

気配に限らず、近くに獣道や魔物の糞が落ちているかどうかっていうのも、夜営中に襲われないようにする工夫の1つだね。

あとは、いつもそんな夜営に適した場所にめぐり合えるとは限らないから、そういった場合は周囲に結界を作って、魔物が近づけないようにしたり、魔物の嫌がる臭いのお香を焚いたりするんだよ。

っと。さあ、スープが出来たからご飯にしようか」

「はーい」


焚き火にあたりながら一緒にご飯を食べる。


「味付けはどうかな?濃かったり薄かったりしない?」

「うん、大丈夫。とっても美味しいよ」

「そっか、なら良かった」

「うん」


そうして食べ終える頃には、りーんちゃんが船を漕ぎ出した。

やっぱりまだまだ小さな女の子だし、一日中歩き続けるのは相当な重労働なのだろう。

でもこの時代、魔物も多く居るし、治安も良いとは言いがたい。

出来ることなら基礎体力や生き抜く知恵は一緒にいられる間に身につけさせてあげたいな。

っと、完全に寝入っちゃったか。

このままだと明日の朝動けなくなるだろうから、マッサージとかしてあげないと。

僕はりーんちゃんをそっと毛布の上に横たえると、アイテム袋から疲労回復を促進する軟膏を取り出して、寝ているりーんちゃんを起こさない様に注意しながら優しくマッサージをしていった。



翌朝。

日の出と共にりーんちゃんが目を覚ました。


「おはよう、りーんちゃん」

「ふぁ、おはようございまふ」

「あはは、顔を洗ってすっきりしておいで」

「はーい」


寝起きでふらぁっとした足取りで水を張った桶の所に向かうりーんちゃん。

足取りが覚束ないのは寝起きだからってだけみたいだ。

さぁ、今日もりーんちゃんが頑張れるように特製ジュースを作ってあげようかな。


「おはようございます。お兄ちゃん」

「うん、おはよう。身体の調子はどう?疲れは取れてるかな」

「えっと、うん。なんか凄く軽く感じるよ」

「それは良かった。じゃあ、はい。

朝一番の健康ジュースをどうぞ」

「わぁい。ゴクゴクッ。んん~美味しいね」

「うん、それ飲み終わったら出発しようか。

今日は歩きながら、効率的な身体の動かし方について一緒に学んでいこう」

「はーい」


元気に返事をするりーんちゃんに笑顔で頷いて、僕らは旅を再開する。

予定ではりーんちゃんの村まで普通に歩いて2週間くらいのはずだ。

だから3週間くらいを見込んでおけば大丈夫だろう。


多分もう1話くらいまったりする頃にはりーんちゃんのふるさとに辿り着きます。

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