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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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32-2 グラン vs 風神雷神

よろしくお願いします。


何とか、間に合った……

僕の前に並び立つ雷神のカンテラと風神のハルク。

どちらも強さで言えばオーガキング以上だ。

1対1でも勝てる見込みは、ほとんど無い。


「ちょっと待ってもらおうか」

『む!?』


僕達の間に割って入ってきたのはグランさんだ。

いつもの優しそうな顔はそのままに、纏っている闘気は桁違いだ。


「子供達が頑張ってくれている所を大人が水を差すのはいただけないな。

どうしてもって言うなら、私が代わろう。

それとも何か。風神雷神なんてご大層な呼び名の癖に、子供を苛めるのが趣味なのか?」

『ふん、良いだろう。

だが我らに大口叩いたのだ。

覚悟は出来ているのだろうな』

「そっちこそ、勝敗が付いてから無効だとか、納得出来ないとか言わないようにな」


威圧してくる2人に対して、負けずに言ってのけるグランさんはとても頼もしく見えた。

でも、いくらグランさんでもこの2人を相手にするのは無理があるんじゃないだろうか。

そう思ってた僕の肩にポンと手が置かれた。

振り向けばメイラさんが笑顔で頷いている。


「よくやったわ、そーちゃん。

ここからはグランに任せましょう。

大丈夫。あれは少し怒っている時の顔だから。

それに勝算も無く大見得切ったりもしない人よ」

「はい。分かりました」


メイラさんと一緒に後ろに下がると、りーんちゃんが迎えてくれた。


「お兄ちゃん。さっきは格好良かったよ」

「うん、ありがとう」


でも僕のせいでグランさんに危険な役目を押し付けてしまった。

僕にもっと力があればそんな事をさせずに済んだだろうか。

視線の先ではグランさんと2人の鬼が向かい合い、間にバールさんが立っていた。


『それで、我らのどちらと先に勝負する?』

『もっとも、どっちとやっても結果は変わらないだろうがな』

「ん~面倒だから一緒でいいぞ」

『『なに!?』』

『……良いんだな。彼ら2人が本気になったら俺1人では止められぬぞ』

「ああ。心配には及ばないさ」

『分かった。他の皆はもっと離れよ』


バールさんの言葉に全員が土俵から大きく離れる。


『……よし。ではニンゲンのグランと、雷神のカンテラと風神のハルクとの試合を始める。

勝敗が決まった後の追撃はくれぐれも禁止だからな。

では、はじめ!!』

『おおぉ』

『はっ!』


開始の合図と共に竜巻を纏うハルク。

そして雷光のように光ったカンテラが一瞬にしてその場から消えた。


「ま、そんな所だろうな」


一言つぶやいたグランさんはおもむろに腰を落として目を閉じた。


「……そこ!」

『もらっ、なに!?』


突然グランさんの後ろに現れたカンテラが繰り出した拳が、グランさんによって掴まれる。

そしてパンチの威力そのままに前、つまりハルクに向かって投げ飛ばした。


『ぬぉっ』

『くっ、小癪な』


ハルクの竜巻にぶつかったカンテラは、その風に巻き上げられて上空へと吹き飛ばされた。

ハルクも一瞬正面を塞がれて動きが止まった。

そしてその隙をついてグランさんが前に出る。


『馬鹿め。貴様も吹き飛べ!』

「いや、この程度の風なら大丈夫だ」

『なんだと!』


グランさんはまるでそよ風の中を歩くように安定した足取りのまま、竜巻の中に突入していく。

だけどその時。上空がひときわ光ったかと思った次の瞬間。

空からグランさん達に向けて巨大な雷が降り注いだ。

咄嗟にりーんちゃんを抱きしめて地面に伏せたけど、それでも雷撃の余波と轟音が僕達を襲う。


「ぐぅっ」

「お兄ちゃん!!」

『うぎゃあああ』

『うおぉ』

『なんのぉ』


僕同様、周りからも苦悶の声が聞こえてくる。

今の衝撃で皆吹き飛ばされたんだろう。


そして少しして落ち着いたところで顔を上げる。

まずりーんちゃんは、うん。無事だね。良かった。

他の人たちも一様に吹き飛ばされたりしてたけど、重傷者は居なさそうだ。

それで、勝負はどうなったんだ!?


結末を引き伸ばしてしまいました。すみません。

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