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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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31-A 赤鬼マルス

すみません、丸1日空きました。


今回は鬼たちのお話(さわり)です。

おっす、俺はマルス。

赤鬼族の族長のオヤジの息子だ。

過去には大陸の東で最も畏れられた一族って話もあるんだけど、

半年位前に起きた災害のせいで、元々住んでいた場所から避難することになったんだ。

でも何処も災害の影響が酷くてすぐに移動を余儀なくされた。

くそっ、俺に災害を吹き飛ばす程の力があればな。


その数ヶ月後、避難先で見付かったのは不思議な鳥居。

オヤジ達は『次元門』って呼んでたそれは、新天地への入口らしい。

ただし、新天地が安全である保障も無ければ戻って来れる保障もない。

それでも長い避難生活で疲弊していたのもあって、オヤジ達は1日協議を行った後、次元門を通る決断を下した。


そして門を通った先は、驚くほど緑豊かな大地だった。

俺を含め、皆が歓喜に沸いた。

これでもう飢えなくて済むって。

でも素直に喜べたのはそこまで。

俺達が通ってきた門の姿が一瞬ぶれたかと思うと、次の瞬間、別の2部族が門から出てきたんだ。

肌の色は特徴的な黄色と緑。

最悪だ。よりによって、一番仲の悪い雷鬼と風鬼の一族。

ぶつかり合うのは必然だ。

ただ幸いだったのは、どの部族も疲弊しきっていること。争うだけの余力がないんだ。

でも大人の男達は目が合う度にいがみ合っていて、その度にオヤジ達が仲裁に駆け回っていて大変そうだ。

お袋達はその辺割り切っていて、早々に協力体制を築いて子供たちも一緒に遊ぶ事が多くなった。

自慢じゃないけど、腕っぷしだけなら俺が一番だ。

まぁ、姉ちゃんには敵わねぇし、魔法はからっきしだから風鬼や雷鬼の奴らと喧嘩すると勝ったり負けたりだ。

でもそれが面白い。お互いがライバルって感じた。


ある日、また大人達が広場で睨み合っていた。

今回のはいつもより険悪なムードのせいか、俺達子供は近付かないように言われた。

と、その時。3軒となりのガバリのおっちゃんが吹き飛ばされたのが見えた。

まさか襲撃かと、皆が広場に集まっていく。

俺もこっそりと様子を見に行く。

あ、あれって確かニンゲンだっけ。

前に1度だけ見たことあるけど、相変わらず細っこいな。

って、おいおい。マジかよ。

ニンゲンの子供がオヤジ達に何かいったら話の流れが変わったぞ!

あんな小さいのに一人前って事だよな!!

すげぇ。面白そうだ。

スモウ?それを子供達で?良いじゃねぇか。

これまでずっとオヤジやお袋に苦労させっぱなしだったんだ。

ここで俺がキバって皆に楽させてやる。

その為にも、まずはあのニンゲンの子供と勝負だ。

お互いに2メートルの距離を空けて対峙する。


『ソージュって言ったか。おまえ、強いんだよな。

俺は手加減なんてしないからな』

「うん、失望はさせないくらいには大丈夫だと思うよ」


そして俺たちの間にニンゲンの大人が立つ。

試合って話だからな。それにスモウは向こうが言ってきた事だからルールとかも詳しいんだろう。


「改めてルールを確認する。

敗北条件は、足の裏以外が地面に付いた時、または土俵の外に出た時。あとは降参した時だ。

また禁止事項として、武器の使用は禁止する。空を飛ぶ行為、土俵を破壊する行為も禁止だ。

そしてこれは殺し合いではない。明らかに勝敗が決まった後の追撃は禁止する。

いずれかの禁止行為が確認された場合、審判が強制的に止めに入るのでそのつもりでいてくれ。

では。

双方準備は良いな。……はじめ!!」

『おおぉ』


開始の合図とともに一気に飛び出す。

さぁ、楽しませてくれよな。



子供ながらにも色々と思う所はあります。

本格的なバトルは次回から、という事で。

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