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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
16/270

3-C 合格判定会議

よろしくお願いします。

会議回です。数字いっぱいです。

読むのが大変な場合は前半飛ばし読みでも大丈夫です。

ジバンリン暦52年3月14日 朝


Side マリアッジ学園


マリアッジ学園 第一会議室

今日そこには学園長を筆頭に学年主任、各部門責任者、入試試験官などが集まっていた。


「ではこれより今年度の合格判定会議を行う」


学園長のその言葉を契機に会議は始まった。

続いて試験主任が立ち上がり話し始める。


「それでは、試験主任の私が議事進行を務めさせて頂きます。

お手元の資料を確認下さい。


今年度の受験者1242名のうち、言動に問題が無く、全ての試験の基準値を上回る受験者582名は合格と致します。

また、基礎2項目および剣術または魔術のどちらかが基準値を満たした受験者335名についても合格と致します。


続いて、試験期間中に騒動を起こした者が72名居りました。こちらについては試験の成績に関係なく不合格と致します。

もし、気になる受験者が居りましたら、この報告が終わった後で構いませんので、発言をお願いします。

さらに、試験期間前に重犯罪を犯した経験があり、現時点で再犯の危険ありと判断された者が47名。こちらも不合格と致します。

これら不合格者については、保護者の方に不合格理由を伝え改善依頼を出していく予定です。


続いて1日目の基礎学力または基礎体力のいずれかが基準値に満たなかった143名。このうち、剣術で高得点を出した7名、魔術で高得点を出した4名を除き不合格と致します。

逆に、基礎学力、基礎体力は基準値を満たしたものの、剣術魔術共に基準値に達しなかったもの62名。こちらも不合格と致します。

最後に基礎学力、基礎体力は申し分ないものの、剣術魔術ともに真面に取り組まなかった者が1名居りましたので不合格としています。


よって、本年度の合格者は928名となります。

ここまでで、質問や意見があれば挙手をお願いします」


この裁定については、毎年行われている事なので、異論が出る事は少ない。

あるのは試験期間前の犯罪についての補足情報であったり、試験期間中に起きた内容の原因の確認であったりだ。

幾つか発言があった後、頃合いを見て試験主任が次の議題に移った。


「続いて、合格者のランク分けについて発表致します。

こちらは皆様ご存じのとおり、剣術および魔術テストの結果を元にランク付けをしております。


では。本年度のSランクは、1名のみ。エリュース・ミスリニア嬢です。昨年度のSランク、エラーザ・ミスリニア氏の妹です」


「あの雷撃は見ものでしたな」

「ええ、試験会場の一部が焦げてしまいましたからね」

「流石はミスリニア王家と言った所ですな」

「全くですね」


「おほん。続けます。

総合Aランクが12名。剣術Aランクが35名、魔術Aランクが27名です。

Bランクは179名、Cランクは634名、Dランクは40名となります。

何かご質問等ありましたら挙手をお願いします」


マリアッジ学園において、賄賂などによるデータの改ざん、優遇措置などが発生することはまずない。

試験結果についても全受験生分が前日の内に全員に配布されている。まあ見ているかは人それぞれだが。

これらの事から、会議という名前の報告会である事が常だ。


だが今回に限っては、学園長から手が上がった。


「不合格と判定されているソージュ・ライオネルだが、彼は合格にしなさい」


学園長の言葉に会場は騒然となる。

仕来たりが、ルールが、制度がと声が上がる。

だが、学園長の不正を問う声が出ないのは、学園長の人望か、はたまた。


「お言葉ですが学園長。彼は剣術魔術共に0点です。そのような者を合格させたと知られたら内外から苦情が殺到しそうですが」

「苦情を言ってきた者には、彼以上の基礎試験の結果を出してみろと伝えておきなさい」

「……分かりました。ただ、ランクについてですが、現状のままですとEランクとなります。それこそ異例中の異例ですが」

「ふむ。構わないでしょう。それで挫折するのであればそれまでの人物だったということです」

「はい。……他にはないでしょうか。それではこれで全ての案件が終了となります。

「これにて今年度の合格判定会議は終了とする」

学園長の言葉で会議は締められた。



学園長は手元の資料に目をやって、ふっと笑みを溢した。


ソージュ・ライオネル

基礎学力テスト:130/100点(失点なし)

基礎体力テスト:1時間32周

剣術テスト:0点

魔術テスト:0点

前科:なし

外部評価:勇気があり、他人を思いやる能力に長けている。ブラッドベリー美味しかった。

監督評価:彼に論文の作成を依頼させてください。

ギルド評価:合格させないならこちらで預かります。

街の評価:この人は私達の恩人です。

学園評価:おともだち、きた♪

備考:基礎スキルLv7。精霊武器との契約者。


通常、○○評価は1つあるかどうかです。

なにせ、1000人以上居る受験者の個人が特定出来て、学園側にわざわざ報告する必要がありますので。


次回からまたソージュ視点に戻ります。


#########


無事に合格できたソージュ。

学園でまず最初に行うのはこれから3年間お世話になる寮に向かうことだった。


次回:学生寮とちいさな寮母さん

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