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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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28-2 集団暴行

よろしくお願いします。


鬱展開のはずが悪役が雑魚過ぎて超ソフトに済んでしまった件。

グランさん達が立ち去ってから30分くらいが経過しただろうか。

僕はと言えば、何とか寝返りがうてる様になった所だ。

どうやらこの負荷魔法、速度に比例して負荷が高くなるみたいだ。

だから手足をゆっくりと動く分にはまだ何とかなる。

ただ、内臓にまでその影響はあるらしくて、心臓や肺、血管なんかにまで負荷が掛かっているのか、呼吸も困難だし全身の血の巡りが悪い気がする。

グランさんは死ぬことは無いって言ってたけど、実はこれ、かなりヤバいんじゃないだろうか。

それと、グランさんに会ったら一つ文句を言っておかないと。

ここって大通りだから、さっきから周りの人の視線が痛いです。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

「少年、こんな時間にこんな場所で行き倒れとは珍しい」


そう声を掛けて顔を覗き込んで来たのは、獣人のお兄さん。

逆光で顔は分からないけど、渋い感じの声がどこか懐かしい。


「これは、呪いの類いか?」

「あ、負荷魔法、です。訳あって知り合いの方に、掛けてもらったのですが、強すぎたので、何とか適応できるように、頑張ってるところです」

「ふむ、そうか。ならば勝手に解呪しては逆に迷惑になるな」

「お心遣い、ありがとうございます。

ふぅ。もう少ししたら、普通に動くくらいは出来る様になりますので」

「そうか。ではこれで失礼する。頑張れよ」

「はい」


そう言ってギルドに向かうその人を見送る。

赤茶色の髪の毛の綺麗な男性だな。

っと、そんなこと思ってないで、早く立てるようにならないとな。


「ん?おい、お前さっきギルドに居たガキだよな」

「?」


声の方を向けば、今度はどこかのチンピラ風の男達、というか、さっきの、えっと、馬鹿過ぎな人と同じ感じの男達が僕を見ていた。


「お、そうだそうだ」

「なんだ、もしかして一緒に居た奴らに捨てられたのか」

「ぎゃははっ、ばっかみてぇ」

「折角だからバッカスギの奴らの所に連れて行ってやろうぜ」

「あぁ。それは面白そうだな、ははっ」


言いながら僕を担ぎ上げて路地裏へと連れて行く。

僕はと言えば、何とか呼吸がまともに出来るようになったところで、まだ満足に動く事も出来ないでいた。


「ちょ、放せ」

「んん?な~んか変だと思ったら、お前、碌に動けないように魔法を掛けられてるな?」

「うわ、えげつないね~。さっきちらっと見た感じ、善良そうな奴らだったのに、人は見かけじゃ分からないって感じ?」

「ま、憂さ晴らしのサンドバックにはちょうどいいだろ」


そうして連れていかれたのは、スラム街なのか、全体的にぼろい建物が密集する区画の内の小屋だった。


「おーい、バッカスギ。少しは動けるようになったか?

お前らに土産を持ってきてやったぞ」

「あ?って、あの時のガキか」

「ほんとだ。へぇ、なに、動けないの?」

「そうらしい。で、銀貨3枚でどうよ」

「うわ、金取るのかよ」

「当たり前だろ」

「ちっ、しゃあねぇな。ほらよ」

「よし、じゃあ精々憂さ晴らしを頑張ってくれ」

「言われなくても」


ドサッと地面に放り棄てられた。

そんな僕を見下ろす全身包帯だらけのバッカスギの男達。


「おい、このクソガキ。お前の所為で冒険者資格をはく奪されちまったじゃねえかよ(がすっ!)」

「まったく、ガキはガキらしく、俺たちに媚びへつらってれば良いんだよ(げしっ!)」

「別の町に行ってやり直すのも面倒なんだぞ(ぐりぐりっ)」


罵倒しながら好き勝手、蹴ったり踏んだりしてくる。

ただ有難い事に、怪我のお陰か大して威力はないみたいだ。

その間に動けるようになれば。


「おい、黙ってないで何とか言ったらどうなんだよ(ごすっ)」

「ごめんなさいとか、もうしませんとか、泣いて詫び入れろっての(べしべし)」

「ちっ、このガキ、一丁前に耐久力だけは高そうだな」

「なら俺の新作魔法の雷の鞭でいたぶってみようか。それっ(ビシッ)」

「ぐっ」

「お、これは効くみたいだな」


くっ、そう言えば一人魔法使いが居たっけ。

そいつが鞭を振るう度に全身に電撃が流れる。


「ほれっ、もっと威勢よく跳ねやがれっ!!」

「ぐぅ、がはっ」

「ほらもっと。もっとだよ!!」


僕の反応が面白いのか、何度も鞭を振るっては、大笑いしている。

くそっ、電撃の所為で、意図せず体が跳ねる。

あ、でも、これのお陰で、だいぶ体が動かせるようになったかも。


「(これなら)」

どがしゃっ!!


そう思ったところで、小屋の入口の扉が外から蹴破られたのだった。


路上に捨てられてたら、ね。

ちなみにお気づきかとは思いますが、前話でグランさんは防御結界を張り忘れてます。

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