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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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27-3 冒険者ギルドにて

よろしくお願いします。



そうこう話している間にギルドに到着した。

扉を開けようとしたグランさんが、何かを思い出したように僕の方を振り返って、カバンから薬品の入った瓶を渡してくれる。


「渡すのを忘れてた。そー君。これを飲んでみてくれ」

「グランさん、これは?」

「魔力回復薬さ。そー君の話を聞いていて、もしかしたら、魔力欠乏症に近いものじゃないかと思って用意していたんだ」

「ありがとうございます。では早速」


貰った薬を一息で飲み干す。

あ、意外と美味しい。見た目が毒毒しかったからもっと不味いのを想像してたよ。

ん~でも、特に何も変化はないかな。


「すみません、グランさん。折角頂いたのに特に変化はないみたいです」

「ああ、気にしないでくれ。ダメで元々だし、それに即効性は薄いはずだから効いたとしてももう少し後からだね。

さあ、行こうか」


空になった薬瓶を受け取って、今度こそギルドの扉を開けるグランさん。

僕とメイラさんもそれに続いて中に入る。

ギルドの中は、意外と人が多い気がする。

それも若手よりも熟練の戦士っていういで立ちの人達が掲示板の前に集まり、今日の獲物を吟味しているようだ。

それを横目に、僕たちは受付の列へと並んだ。


「次の方どうぞ。あら、グラン様、メイラ様。お戻りになられていたんですね!」


グランさん達の顔をみて顔を綻ばせる受付のお姉さん。

聞けば町に戻ってきたのは一ヶ月ぶりらしい。


「あの、グラン様と入れ違いに次元の亀裂が発生した件は既にお聞きになっているでしょうか。

出来ましたら奥で詳しいお話をさせて頂きたいのですが、今お時間ありますか?」

「はい、それは構いませんが、今回来た目的はもう一つありまして、この子の冒険者カードについて確認をお願いしたいんです」

「はい……あら?もしかしてその子はおふたりのお子様、にしては大きすぎますね。

ご親戚の方ですか?」

「いえ、先日森で迷っていた所を保護しただけですよ」

「そうでしたか。顔立ちなどが似ていらっしゃるので、そうなのかと思ってしまいました」


そう言われて顔を見合わせる僕たち。

似ているのかな?確かに髪や目の色は同じみたいだけど、顔立ちまではよく分からないな。

と、そこに髭面のおじさんが奥の部屋から出て来た。


「おお、この気配はやっぱりグランか。メイラも久しぶりだ。さあ、奥の部屋に来てくれ」

「って、ギルド長。もうちょっと挨拶があるでしょう!」


ギルド長と呼ばれたおじさんは、グランさん達に声を掛けるだけ掛けて、再び奥の部屋に戻ってしまった。

受付のお姉さんがため息をついてる。多分いつもこんな感じなんだろうな。


「じゃあ、この子の事はよろしくお願いします」

「ちゃちゃっと終わらせてくるわ」


そう言ってグランさん達も奥の部屋へと入って行った。

残された僕は改めて受付のお姉さんに向き直り、持っていた冒険者カードを差し出す。


「あの、僕はソージュって言います。

まずはこの冒険者カードが有効かどうか、見てもらえますか?」

「はい、お預かりしますね」


冒険者カードを受け取って、魔道具と思われる装置を操作するお姉さん。

その眉間にしわが寄って考え込んでしまった。

やっぱり別次元のカードを持ち込まれても困るよね。

そうして1分程して結論が出たようだ。


「ソージュ様。こちらのカードは、確かに冒険者ギルドのカードではあるようです。

ですが、申し訳ございません。なぜかこちらのデータベースにこのカードに関する情報が一切ありません。

偽造を疑う訳ではありませんが、このカードはお使いにはなれません」


まぁ、やっぱり無理だよね。


「そうですか。ありがとうございます。

では、新たに冒険者カードを発行して頂けますか?」

「はい。その場合、ランクなどは初期のEランクになりますがよろしいですね?」

「はい、それでお願いします」

「それでは少々お待ちください」


そう言って手続きの為に奥へ下がるお姉さん。

それにしてもEランクか。何でか分からないけど、懐かしい気がするな。

久しぶりのスローペース。本当はこれくらいまったりペースが良いのですが。

あと、学園ラブファンタジーだったはずなのに、学園もラブも見当たらないのは問題ですね。せめてラブは回収せねば。

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