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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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27-2 冒険者ギルドにいこう

よろしくお願いします。


前回長かった分、今回はキリが良かったので短めです。


朝食を摂り終えた後、より詳しい情報を得る為に僕たちは冒険者ギルドへと向かっていた。

この世界でもどうやら、それなりに大きな街には冒険者ギルドの支部が存在するらしい。


「ついでだからそー君の冒険者カードも作っておこうか」

「そうね、折角だからそーちゃんもAランク冒険者を目指してみるのもありかもね」

「あははっ、でもAランクになるには相応のクエストを大量に受けないといけないんですよね」

「勿論そうなるわね。大丈夫よ、私達と一緒なら嫌でもAランクのクエストに同行することになるんだし」

「ちなみに、そー君の元の世界にも冒険者ギルドがあったんだろう?」

「はい。今話を聞いてる限り、違和感を感じないですし、多分あったんだと思います」

「なら、実はもう、冒険者カードを持っているんじゃないかい?」

「えっ」


言われて僕は服の中やポケットを探す。

でもそれらしいものは何もない。

後は腰に付けている袋だけど……ん?これ見た目より中が広い?


「あの、グランさん。僕のこの革袋なんですけど、なぜか見た目より中が広いみたいなんですけど」

「ん?ああ。それはアイテム袋だね。魔道具の一種さ。

今そー君が言った通り、見た目以上にものの出し入れが出来る優れものだ。

でも、それなりに希少なもので高価だから、あまり言いふらさない方が良いね」

「分かりました」


あれ、そうすると、僕って元の世界ではそれなりにお金持ちだった?

いや、お金持ちって言われても何か違和感があるからきっと違うな。

多分それなりに安価だったんじゃないだろうか。

って、それよりもだ。


「えっと、袋の中には、色んな薬草類や食べ物、あとは木の杖と木のナイフと木の盾とって全部木製だ」

「ふむ、そー君は木製装備にこだわりがあったのかもしれないね。もしくは何らかの理由で金属武器が持てなかったのか」

「金属武器が持てない?そんな事があるんですか?」

「ああ。ごく稀にね。

物は試しに、僕のこの鉄のナイフを持ってみてくれないかい?」

「はい」


グランさんから何の変哲のないナイフを受け取る。

……特に何ともないな。ただ、何となく違和感を感じるけど。


「どうだい?」

「はい、問題なく持てるみたいです。でも本当に気分の話なんですけど、何か嫌ですね。

僕らしくないというか」

「なるほど。じゃあ、その木の杖だとどうかな」

「はい。あ、こっちは凄く手に馴染みます」

「そうか。ならそー君の使う武器はその木の杖が良さそうだね」


鉄のナイフをグランさんに返してから、木の杖を軽く振ってみる。


ヒュンヒュンヒュンッ。


うん、やっぱり、この感じだ。

流れる様に体が動く。

それを見たメイラさんも嬉しそうに頷いている。


「へぇ、杖を振るう姿は様になってるわね。記憶は失っていても体は動かし方を覚えているって事かしら。

それにその杖、相当強化されているし、使い込まれてるわ。

その風格はかなりの修羅場を潜り抜けないと付かないものよ」


そういう事らしい。

どうやら元の世界では何度も戦いの場に身を置いていたって事なんだ。

って、話が脱線したけど、ギルドカードを探さないと。

えっと、あ、あった。


「ありました」

「お、なら名前とかも書いてあるはずだね」

「はい、えっと。名前は『ソージュ』ってなってます。ランクはBですね」

「ソージュか。記憶の通り、頭は『そ』だった訳だ」

「なら今まで通り呼び方は『そーちゃん』で良いわね。

それにしてもその年でBランクとはやるわね」

「まあこの世界で通用するかどうかは別ですけど」

「うん、それもギルドの受付で確認すれば分かるだろう」

「はい」


これで一つ自分の過去が判明した。

あとは記憶もすぐに戻ってくれると良かったんだけど、それは虫が良すぎるか。


まさかギルドに辿り着かないとは思いもしませんでした。

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