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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
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24-4 奪われたもの

よろしくお願いします。


おかしい。3章はのんびり展開にしようと2章を書いてた時は考えていたのに。


僕たちは喫茶店を後にして学園に戻って来ていた。

目指すは学園付属の図書館。

以前ここにリーンさんと通っていた時は、大分周囲の人から色々と陰口を言われたものだけど、最近はそれほどでもない。

きっと武術大会にリーンさんと参加したのが良かったんじゃないかと見ているけど、実際の所はどうなんだろう。


「ん?ソージュについての噂か?

そうだな、大きく分けると2つか。

1つは相変わらずEランクの癖にというひがみだな。

もう1つは、リーン先輩が見出したことはあったんじゃないかというものだな」

「うんうん、やっとみんなそーくんの凄さが分かって来たんだね」

「実際には先日、血まみれでリーン様に背負われて帰って来たソージュ様を見て、身を挺してリーン様をかばう気概のある殿方なのではないか、という噂が立っているそうです。

そうして命を救われたからこそ、リーン様もあれほどソージュ様に心を砕かれているのではないかと」

「はぁ。相変わらず噂好きの人達の想像力は凄いですわね」


そんな事を話しながら図書館に入り、司書のフレイさんを探す。

でもなかなか見つからないので、途中で見かけた別の司書さんに聞いてみる。


「フレイ様ですか?

フレイ様なら調べものがあるからと特別棟の方に行かれましたよ」

「特別棟?」

「はい。主に持ち出し禁止の書物や展示品を置いてあります。

勝手に入るのは禁止ですが、私達司書に許可を取れば誰でも入室可能ですよ。

今から行くなら案内しますよ」

「はい、お願いします」


そんなところあったんだ。

あの秘密の書庫といい、この図書館は色々とあるな。

僕らはお礼を言ってその特別棟に案内してもらう。

司書室横の扉を出ると階段があって、更に渡り廊下を通った先。


ブンッ


ん?今のは、もしかして何かの結界を通過した?

僕の考えを肯定するように、司書さんが笑顔を向けてくる。

多分害意ある人をはじくとかそんな感じなんだろうな。

特別棟の入口で案内は終わりのようで、司書さんは帰って行った。

さて、リーンさんはどこに居るだろうか。


特別棟……そこは美術館というのが一番しっくりくる造りの内装だった。

幾つもある展示台の上にはガラスケースに入ったよく分からない魔道具(?)が置いてあったりする。

そしてその一角にある石板の前にフレイさんが立っていた。


「フレイさん、こんにちは。

何を見ていらっしゃるんですか?」

「いらっしゃい、ソージュ君。そろそろ訪ねてくるころだと思ってたわ」


そう言って笑顔を向けてくるフレイさん。でも、どこか苦悩が見受けられる。

やっぱり何かあったとみるべきかな。


「これは、検索板と呼ばれる魔道具よ。

設定している空間内の情報を検索することが出来るの。

これで学園の敷地内で何が起きたかを調べていた所よ」

「そんな便利なものがあるんですね」


フレイさんの横からその検索板を覗き込むと、複雑な図形……学園の見取り図?と沢山の文字が書かれていた。

パッと見では何が何だか分からないな。


「それで、何か分かりましたか?」

「ええ。先日のあの騒動の折に、今わかってる範囲でも、幾つか貴重なアイテムが盗まれているわ」

「それは?」

「それは、ひとつは学園ダンジョンの制御石ね。あとのはもう少し調べないと何とも言えないわ」


ダンジョンの制御石。

ダンジョンコアと呼ばれるダンジョンの心臓部とは別に、ダンジョンの構造をコントロールする為に作られた魔道具らしい。

前に講義で習った内容が正しければ、学園ダンジョンを今の安定した状態にする為に開発されたらしい。

それが盗まれたって事は。


「もしかして、学園ダンジョンが暴走して魔物が溢れかえる?」

「確かにその可能性もなくは無いわ。

でも少なくともすぐには無理だし、そこまで大がかりな事をする為には、外からではなく中からないと無理なはず。

だから、今あるとしたら、制御を失ったダンジョン内の魔物が狂暴化したり、出入り口の位置が少し変わったりするくらいだと思うわ」

「つまり、イージーモードからハードモードになったって事ですか?」

「ええ。不用意にダンジョンに入ると生徒達にけが人が続出するでしょうね」

「それは大変ですね」

「そうなの。だから早めにダンジョンの状態を確認する必要があるわ」

「それなら僕らでダンジョンに向います。フレイさんは引き続き、盗まれたものの調査をしてください」

「そうね。あなた達なら任せても大丈夫かしら。

じゃあ、急ぐ必要はないから明日からでいいから、ダンジョンの50階層に行ってちょうだい。

そこのボス部屋の横に管理室があるはずよ。

そこなら50階層までのダンジョンの状態が確認出来るはずだから」

「分かりました。では明日の朝からダンジョンを攻略して、その管理室を見つけてきます」

「お願いね。くれぐれも無理はしないように。

学園長に掛け合って他のひとはダンジョンに入るのを禁止してもらうから1か月は余裕があると思ってもらっても大丈夫よ。

何かあれば逐一私に教えてちょうだい」

「はい!」


そうして僕らはフレイさんに挨拶して特別棟を後にした。

時間帯は既に夜か。

なら明日は準備に当てる事にして、明後日からダンジョン攻略に臨もう。

そうみんなと話し合って、今日は解散した。


じつはその他もろもろの盗まれたものもやばいんですが、それは4章にて。

そんな訳で、ダンジョン攻略を進めます。



そして、なぜか別の連載?も書き始めてしまいました。

https://ncode.syosetu.com/n5732fh/

これは気分転換に書いてるので、メインはあくまでこっちです。


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