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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第3章:だから僕と彼女はここにいる
135/270

24-1 学園の現状

よろしくお願いします。


微妙な切れ目ですがここから3章になります。

まだ全然内容決まってませんが、ソージュ達ががんばって動き回ってくれることを期待してます。

ジバンリン暦52年7月7日


Side ソージュ


先日の事件を受けて、色々と気になった僕は、これまで参加していなかった午後の剣術・魔術の講義を見学させてもらう事にした。

昼休みにリーンさんにその事を告げると、凄く微妙な顔をしていたから、やっぱり何かあるっぽい。

ただ「私は最初最初数回でて、すぐ単位認定試験を受けて合格したから、それ以降出てないの」とだけ言っていた。

ちなみに学園の講義は一部、担当教官から単位を認定してもらうことで、それ以降講義に出なくても良いことになっている。

そして、まずは応用剣術の講義を見に来たんだけど……


「ええい」

カンッ

「やあぁとぉ」

カンッカンッパシ

「あいたぁ」

「へっへー」

「くそ、まだまだぁ」


えっと、こういうのを何て言うんだっけ。

あ、そうだ。確か、チャンバラって言うんだった。

別にチャンバラが悪いとは言わないんだけどね。スポーツとしてなら。うん。

開始10分は柔軟などを行ってからパートナーで組んで乱取りをはじめたんだけど、見ていて全体的に危機意識が無い。

さっきなんて、頭に一撃受けておいて痛いの一言で済んでたけど、実戦だったら運が良ければ重症、普通なら死んでる。


「あの、先生。皆さん、模造剣を使われているのですか?しかも防御魔道具付きで」

「ああ。授業で怪我をされても困るだろ。

剣の重さは本物と同じだから、あれで剣で打ち合う練習にはなるんだよ」

「はぁ、そうですか」


訓練なんだから剣の重さを倍にするくらいやってもいいと思うんだけど。

お母さんなら笑顔で10倍の負荷を掛けて鍛錬させてくれてた。

流石に地面に足がめり込む位、重いのはやりすぎじゃないかって思うときもあったけど、お陰で足腰は大分鍛えられたし木刀が風を切る快感を覚えた記憶がある。

そうして1時間。

一部、儀礼の練習みたいなのも有ったけど、全体的に特に面白みも何も無いまま(オブラートに表現すると、実戦ではほとんど役に立たない)授業が終わった。

整列して剣を空にかざす練習とか、それって剣術関係ないと思うんだけどな。



そして翌日は応用魔術の見学をさせてもらった。

こちらも最初10分は瞑想して魔力を集中する時間を設けていた。

あ、いや。基礎は大事だから、ここまでは僕も良いと思ったんだ。ここまでは。


「我が右手に集い漆黒の炎となりて、眼前に立ち塞がりし、無知蒙昧な愚者を灰燼に帰せ!『ダークネスフレイム』」

「我は請い願う。風よ、我の願いに応え、暴風の刃となりてかの者を切り裂け!『疾風剣』」

「母なる大地よ……」

「大いなる神々に告げる……」


……学芸会?

なんで自分ひとりで使う魔法で長々と前口上を述べてるんだろう。

あれって、儀式魔法なんかで複数人で1つの魔法を創り上げる時に、イメージの統一化をする為に言うんじゃなかったっけ。

もしくは初心者が魔法をイメージするために呪文を唱えながらやるとは聞いているけど、内容がみんなバラバラだし、自分で考えていってるっぽい。

まぁ、ほんのちょっぴり威力が上がっているように見えるから無駄じゃないんだろうけど。

どう考えても実戦じゃ使えないよね。

少なくとも目の前でこんなこと始められたら、最後まで言い終わる前に殴って終わる。


「あの、先生。なぜ皆さんこのようなことを?」

「なんだお前。呪文を唱えることで威力が上がっているのが見て分からないのか」

「いえ、それは何となく分かりますけど」

「それに何より、この方が格好良いだろ」

「は、はぁ」


格好良いって言われても、敵は格好良いからって攻撃の手を止めてくれることはないと思うんだけど。

しかも、魔法を撃ったら撃ちっぱなし。

保有魔力をほとんど使い果たしてしまってるし。

その後の魔力回復速度もそんなに早くないみたい。

格好良さよりも、まずはそっちを上達させるべきじゃないかな。

結局、終始そんな感じだったので、途中で見学を切り上げて帰ることにした。



放課後。

僕は皆と一緒にいつもの喫茶店に来ていた。


「そういえば、みんなは剣術や魔術の講義ってどうしてるの?」

「私達はリーン様と同じ様に、早々に単位を取得しております」

「私もですわ。あれは王国の近衛騎士としてであれば多少は有用なのかとも思いましたが、私には必要ありませんもの。

実際問題として、今あの講義をまともに受けてるのは初等部から、ここの学園で学んでいる人ばかりですわ」


マリアッジ学園には付属の初等部が存在する。

僕らが通っている高等部と呼ぶべき方は、その初等部からそのまま上がってくる人がかなりの数いるらしい。

初等部から高等部に上がる際も試験があって、誰でも上がれるって訳じゃないけど、それでも若干の意識の差はあるみたいだね。


「つまり、何割かはすぐに試験を受けて講義に来ないってことだよね。

それって教師としてはなんとも思ってないのかな」

「多少思うところはあるっぽいけど、以前からそうだから、そういうものだって思ってるんじゃないかな」

「一部の教師は、独自に講義の内容を変更してダンジョンの魔物を相手に戦い方のレクチャーをしているそうですわ。

ですが、今のままでいい、もしくは、努力して変えて行きたくないと考える方もいらっしゃるようね」

「なるほどね」


そこまで皆の話を聞いて、自分がどうしたいのかも考えながら結論を出した。



ほんとうは、このあたりの残念な学園風景って1章で出そうと思ってたんですけど、

ソージュが午後の講義を受けないもので、3章までずれ込みました。


ま、まぁ。みなさん動かない的に対しては強いんですよ。

学園ダンジョンも最初の10階層まではボスも含めて温厚ですしね。

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