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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
133/270

23-2 Eランクの彼

よろしくお願いします。


ちょっと強引かなと思いつつ、章タイトル回収。

ジバンリン歴52年7月7日


1週間の休校期間を経て、今日から学園の授業が再開されている。

だけど、いつもに比べて学園内に人が少ない。


「おはよう」

「あ、おはよう、リーンさん」

「ねぇ、学園内に人が少ない気がするんだけど、何故かしら」

「それは、まだ治療中の生徒が多いからなんじゃない?」

「え??」


だって、そーくんは3日で全快してたよ?

……って、よく考えれば普通は3日じゃ重傷は治らないよね。


「私が帰ってきたときには大体終わっていたから分かってないんだけど、魔物の襲撃って相当凄かったのね」

「ええ。魔物の本隊は街の警備隊が引き受けてくれたんだけど、それでも私たちの方にも数百体のオーク、オーガやその上位種が雪崩込んで来たの。

隣街からの援軍や、エラーザ君達がいなければ、私たちは全滅していたかもしれないわね」

「そこまで大変だったのね」

「リーンさん達も大変だったんでしょ。ソージュ君がボロボロになっているの見たわよ」

「そうね。そーくんが居なければ私も今ここには居なかったわ」

「ふふっ、またまた。リーンさんはソージュ君を持ち上げるの上手ね」

「うーん、事実なんだけどね」


やっぱり誤解されているのかな。

本当はそーくんが一番の強敵の相手をしてくれてたんだけど。

そんな昼休み。

いつものようにいつもの場所でそーくんと合流する。


「おまたせ、そーくん」

「え、ああ。こんにちは。リーンさん」

「ん?そーくん、何かあった?」


どこかぼーっとしてるそーくんって珍しいかも。

そう思って聞いてみたら、ぽつりとそーくんが呟いた。


「あの、僕ってEランクじゃないですか」

「ええ、そうね」

「この学園で最低ランクですよね」

「まぁ、名前だけはそうなってるね。

それが何かあったの?」

「……こういう言い方って傲慢な気もするんですけど、今回の襲撃で被害が大きすぎるって思ったんです」

「あーそれは私も思ったよ」


学園生が守備していた場所に来たのは500体に満たない数だったらしい。

これがもし私たち5人だったら……。

突然囲まれたら大変だったかもしれないけど、待ち伏せ出来るのであれば、多少攻撃を受けたとしても撃退できたと思う。少なくとも重傷は負わずに済むんじゃないかな。

だからBランク以上の学園生が数百人もいれば圧勝出来ても良いんじゃないかなって思うの。

でも実際は重傷者多数、死者が出なかったのが奇跡的な状況だった。


「僕がEランクなのは別にいいんです。

でも、それなら全員が、とは言わないまでも上位ランクの人たちくらいは僕よりも強くないとダメだと思うんですよ」

「そうだね。(そーくんより強いって言うと、全員学園Sランクじゃないといけないと思うんだけど)

実際問題としてランクが形骸化し過ぎてるんだよね」

「はい。今回は応援に駆けつけてくれた人達のお陰で死者が出ませんでしたが、次も同じようなことがあったら、今度こそ大量の死者が出ても不思議じゃないです」

「という事は、もっと実戦に即したカリキュラムを導入してもらわないといけないかな」

「そう思います。ただ、それをしようって思ったときに、僕の学園に対する発言力って無いんですよね」

「あー、Eランクだから、ね。

ランクについて何か言っても『Eランクごときが』とか言われそうだね。

うん。ならこの件に関しては私が動くよ。

こう見えてもSランクだからね」

「はい、お願いします。ただ、相当厳しいとは思いますけど」

「まぁそうだよね」


Sランクとは言っても、所詮学生だもの。

学園に掛け合っても「伝統が」とか言われそうだわ。

あ、こういう事なら学生会長のエラーザ王子に動いてもらえれば何とかなるかも。

午後の講義の時にでも話をしてみようかな。


そんな訳で、ソージュ達は学園の改革に乗り出すのか!?


次回、エラーザ学生会長視点を入れて2章終了になります。

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