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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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22-4 オークキング?

よろしくお願いします。


今回は第3者視点でお送りします。

Side ケイ、ミラ、エリュース


目の前には100体近いハイオークとハイオーガが迫ってきていた。


「さて、お2人とも。予定通り雑魚の無力化は私が行いますわ。

まずは私の後ろへさがってくださいませ」


そう言いながらエルは魔力を集中させて練り上げていく。

それに合わせて髪の毛が帯電したようにブワッと広がりバチバチと音を立てる。


「さあ、上位種の魔物にどれだけ通用するか試させて頂くわ。

『サンダースネーク』」


その言葉と共に、雷撃が蛇のように魔物たちの足元を駆け巡っていく。


「ガッ」

「グゴッ」


雷撃に触れた魔物たちは次々と足を痙攣させて動けなくなっていく。

それはまるで長時間正座した後に立ち上がろうとした姿を連想させる。

だが流石というべきか、それで倒れる魔物はほとんど居なかった。


「残念ですわ。これで倒れてくれれば、その空っぽの頭もいい感じに刺激して差し上げますのに」

「ふむ、では美味しいところだけ貰うようで悪いが、止めを差していくとしよう」

「お供いたします」


スッと風のように前に進み出たケイとミラが、痺れて満足に動けなくなった魔物たちの間を駆け抜けていく。

1拍置いて魔物たちは首から血を噴き出すとバタバタと倒れていった。


「まったく手ごたえが無いわね。

これで本当に上位種なのかしら」

「俺達が入学当初に比べて強くなっている証拠でもあるだろう。

例の負荷魔道具のお陰で基礎能力は格段に強化されているしな」

「そうでございますね。

去年の私であれば、ハイオーガの体をこうも容易く切り裂くことは出来なかったでしょう」

「言われてみれば。私の雷撃も消費している魔力量は同じなのに以前より強くなっている気がしますわ」


お互いに自分の手を見やって手ごたえを確認する3人。

だが、それを見て怒り狂うモノが居た。


「ブルフフフ!」


オークロードだ。

戦いが始まってからまだ1歩も動いていなかったそれが、配下の魔物が悉く倒されていったのを見て、顔を真っ赤にしていた。

その結果、全体的に黄土色だった体がピンク色に染まる。


「……まさに豚ですわ」

「うむ。切って焼いたら上手いのだろうか」

「止めた方がよろしいのではなくて?

あれが全部筋肉なのであれば良いですが、どう見ても脂肪。

どんなに加工しても噛み切れそうにありませんし、胸焼けを起こしそうですわよ」

「なるほど。

ではラードとして冒険者ギルドに売り込んでみるか」

「『オークロードのラード』と聞けばそれなりに高級なイメージが致しますね」

「実際にはただの肥え太った豚だったとしてもね」

「ブヒッ!?」


さっきまで怒りに赤くなっていたオークロードが、ケイ達の視線を受けて若干青褪めていた。

ただ後ずさろうにも重すぎて満足に足が動けていない。


「見苦しいな。せめて潔く死ぬがいい」

「ブギーー!!」


最後の足掻きとばかりに大振りに振り下ろされる一撃。

確かに超重量のそれは重装兵でも叩き潰せたことだろう。

まともに受ければ、だが。


「ふっ」

ズルッ、ズン。


ケイの盾によって流されたそれは、ただ地面を陥没させるだけだった。

そして、その攻撃を行うことで一緒に下がって来た頭部にケイの剣戟が突き刺さる。

ズシンと音を立てて地面に倒れ伏す巨体を横目に3人はため息を付いた。


「間違ってもこうはなりたくないものだな」

「はい。常に自分を見つめなおせという教訓だったのかもしれませんね」

「そうね。さて、こっちはこれで粗方終わったけどリーン先輩の方はどうかしら」


そう言ってオーガキングの居た方を振り返った3人の前を、物凄い速度で吹き飛んでいく物体があった。


「今のってまさか」

「リーン様です!」


更にリーンを吹き飛ばしたであろう存在が悠然と歩いてくる。

それは、鋼の筋肉に覆われた巨人。

凶悪な闘気を放つそれは決して見掛け倒しではないことを物語っていた。


「あれは、まさか。オーガキング、なのか……」

「うそ、でしょ。さっき居たのと全然違うじゃない。

あんなのとどうやって戦えって言うのよ」

「まずは目を離さぬようにリーン様と合流致しましょう」


慎重に、だけど出来るだけ急ぎリーンの元に移動する3人。

オーガキングはその間、腕を組み早く合流しろと言わんばかりに悠然と3人を見送っていた。


相変わらず戦闘がさくっと終わっていきます。

結局オークロードの脂肪はラードとして使えるのでしょうか。


そして次回は、決戦オーガキング!!

と行きたい所ですが、ソージュの方を先に進めます。

このあたりの切り替えも考えないと読みにくいでしょうか。

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