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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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21-B 先導者達

よろしくお願いします。


サイドストーリー続けて、ブラッド達です。

マリアッジ学園都市の南西にあるダンジョンの入口。

そこと学園との間の草原に2人の人影があった。

ブラッドとダークだ。


「はぁ、高みの見物ってのは楽で良いんだが、退屈だな」

「ヒヒッ、先日はもう戦うのには飽きたようなことを言ってませんでしたかな」

「雑魚の相手はな。魔物に命令して指揮するってのは、人間みたいに変に反対されない分楽だが、面白みに欠ける」

「ヒヒヒッ。一度指令を出して終わりに出来ればいいのですが、今はこうして時々指示を出してやらないといけませんからね。

もう少し知性がある魔物を、とも考えましたが、そうすると自我に目覚めて裏切る危険性がありますからね。

まあ、今回のようにまともな軍隊の居ないところを攻め落とすなら、これで十分ですよ」

「……ふむ。そう簡単に行けば良いけどな」

「先日のゴブリンの件をきにされているのですかな。

あの時とは圧倒的に戦力が違いますからね。

あのオーガキング達も居るのです。

これは流石のあなたであっても、骨が折れるのではありませんかね」


その視線の先には身長3メートルを超えるオーガキングとオークロードがハイオーガ達の担ぐ御輿に乗って進んで行く所が見えた。

討伐ランクAとの評価を受ける魔物。

ただどこか迫力に欠けるその横顔を眺めてブラッドはため息をついた。


「オーガキングねぇ。

まあ、単体ならぶった切るだけだが、全部を相手しようと思うと疲れるな。

あ、そう言えば、昨日の昼過ぎにグレムリンがほぼ壊滅したそうだな。

『地上と上空からの立体攻撃で一網打尽です』とか言ってたのに残念だったな」

「ヒヒッ、あれも知性の低さが露呈した結果ですね。

グレムリンは防御面では難がありますから、奴らだけで先行した場合、蜂の巣にされても不思議ではありませんよ。

ま、今の学園都市程度の戦力であればオーガ達だけでも余裕で殲滅できます」

「だといいがな。

(時間的に考えて、グレムリンを倒したのは街の警備隊ではないはずだが、さて)

それと、オーガどもの行軍速度が予想以上に遅いな。先頭の方で何かあったのか」

「ヒヒッ。どうやら夜は寝ていたようですな。

全く休憩してよいとは命令していないのですがね。

所詮、魔物も生物ということですか」


そう楽観的に考えるダークに対してブラッドの疑念は晴れない。


「(もしかしたら、またあいつ等が何かしてたりな)

俺はちょっくら先頭の方を見てくる。こっちはお前に任せる」

「フヒヒッ。ええ、ごゆっくり」


そうして魔物の先頭に向けて歩き出したブラッドだったが、おもむろに立ち止まり周囲を眺めだした。


「(なんだ?いま、風景が揺らいだような気がしたが……ッ!?)」

「セイッ!!」


ギンッ


突然振り下ろされた一撃を勘だけで迎撃するブラッド。

受けた剣を振り抜いて相手を見据えると、思わず口元がにやけてしまった。


「こんにちは。えっと……あれ。名前なんでしたっけ」


そんなどこか惚けた挨拶をする相手も笑っているのは似た者同士だからか。


「ようソージュ。なかなかに過激な挨拶だな。

そう言えば前回は名乗ってなかったな。今はブラッドで通ってる」

「ブラッドさんですか。

それでは、ブラッドさん。この魔物の群れを元の住処に帰して貰えませんか?」

「あほ。人にものを頼むときはまず勝ってからにしろ」

「それもそうですね」

「ところで、グレムリンを撃退したのはお前か?」

「さあ。人にものを尋ねる時は勝ってからにした方がいいそうですよ」

「へっ。それもそうだ、な!」

「ハっ!」


そうしてふたりの2回戦が開始された。

オーガキングやオークロードが無駄に偉そうなのは、人工的に作られたからです。

本来の彼らであれば力でのし上がって来た王者としての風格で堂々と進軍してます。

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