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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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21-3 それぞれの対空攻撃

よろしくお願いします。

僕の合図で一斉に振り返り攻撃態勢に移る。

そんな中、エルさんが一歩前に出た。


「ソージュ。私が中央ということは、私の一撃で壊滅させても良いのよね?」


そう言って振りかざした両手には大量の魔力が集中していた。

って、それはあまり良くないな。


「エルさん。これは言わば前哨戦です。

本体を相手する為にも、使用する魔力は2割くらいに抑えてください」

「あら、それは残念ね」


すぅっと手に集まっていた魔力が体内に戻っていく。

それでも結構な量が残っているところを見ると、エルさんの総魔力量はかなりのものみたいだ。

隣のリーンさんも負けずと魔力を練り上げて氷弾を生成していく。

そんなリーンさんと目が合った。


「そういえば、そーくんは空の魔物への攻撃ってどうするの?

私達と違って魔法でっていう訳にもいかないよね」


以前、学園ダンジョンの45階層でボスと戦った時はそれのせいで苦労したのは記憶に新しい。

だから対応策は幾つか考えてあるんだよね。


「はい。その為に冒険者ギルドから魔石を貰ってきたんです」


僕はアイテム袋から魔石の詰まった皮袋を取り出して、手を突っ込む。

中からは赤く光を放つ親指サイズの魔石が幾つか出てきた。

先日、ゴブリンジェネラルを倒した時はかなり大きな魔石を使ったけど、グレムリンくらいならこれで十分だ。

そうしている間にグレムリン達は僕らまで10メートルのところまで近づいてきていた。


「では、行きますわ『サンダーエクスプロージョン』」


エルさんが打ち出したのは直径30センチくらいの雷球。

それが矢の速度でグレムリンの群れの中心に飛んで行き……


カッ、ズガガガガッ!


強烈な閃光と共に大爆発した。

光が治まった後には大穴と、直撃は免れたものの、感電により満足に飛べなくなったグレムリン達が大量に地面に落ちるのが見えた。


「どうかしら」

「やるね。よぉし、私も続くよ『フリーズビット20連』」


続いてリーンさんから短剣サイズの氷の槍が次々と飛んでいく。

その直撃を受けた数体が絶命して地面に落ちる。


「言ってはなんですけど、地味ですわね」

「この魔法はこれからが本番なの。見てて」


リーンさんの指がクルクルっと踊るように動く。

それに合わせて先ほどの氷の槍が縦横無尽にグレムリンたちを蹂躙していった。

それも良く見れば頭や羽の付け根などの急所を貫いているのが分かる。


「まさか、この距離であの数を全部制御しているの!?」

「うん。さすがにこれ以上離れると細かい操作は出来なくなるかな。

でもこうすることでかなり魔力の節約になるんだよ」


話しながらも次々と撃退し続け、左側に残ってるのも既に疎らだ。


「後はそーくんだね」

「ソージュはどのような戦いを魅せてくれるのかしら」

「あー、そんなに期待されても僕は地味ですよ」


持っていた魔石をグレムリンの群れに向かって次々と投げながら答える。

この距離なら別に投擲紐を使うまでもないな。


ヒュッヒュッヒュッ……ボッボッボッ。


投げた魔石がグレムリンに当たり、小さな爆発を起こして吹き飛ばしていく。

エルさんが頑張ってくれたお陰で1袋分で足りるかな。


「あら、確かに地味ですわ」

「うん、最小限の力で倒してるんだね」

「まあ、やろうと思えば威力は上げられますよ。こんな風、に」


ピチョン、ビュン、ボフッ!


ちょっと気合を入れて投げた先に居た、一回り大きなグレムリンの頭が吹き飛ぶ。

ま、威力を上げたって言っても頭を吹き飛ばすくらいなんだけどね。

ただその拍子に落ちた水滴をエルさんが見ていた。


「あら?ソージュ、今何か赤い水が魔石から滴ってたように見えたけど、何かしら」

「これは、魔力水みたいなものです。

ちょっとややこしい話なので、帰ったら説明しますね」

「ん?ええ、分かったわ」


僕の血を魔石に塗りつけてる、なんて言ったらまた変に思われるだろうしね。

そして残り1割といったところで撤退しようとするグレムリン達を、ミラさんも合わせて4人で討ち取って行った。


「む、俺の出番が無かったな」


ひとりケイだけが不完全燃焼みたいだったけど。


前哨戦とは言え、グレムリンが瞬殺されてしまいました。オカシイナー

オーガたちの頑張りに期待しましょう

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