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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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19-2 1回戦と木製の盾

よろしくお願いします。


当分1日1話ペースでリハビリさせてください。

2月に入れば2話ペースに戻せるようにがんばります。

試合会場は、1辺が10メートルの正方形のステージになっていて、さらにその外側4メートルの所に防御壁が展開され、観客に被害が行かないように配慮されている。

余談だけど、飛行魔法などを使って防御壁の外に出た場合、その選手は試合放棄と見なされる。

とは言っても、飛行魔法自体がレアなので、早々そんな場面がおきることは無い。


私達が会場に向かうと、既に第1試合が始まっていた。

今戦っているのは、共に1年生のBランクどうしね。

4人とも剣士で、扱っている剣もそれほど大きく変わらない、か。

これじゃあ、ただの剣術の講義でやってる模擬戦と同じね。

案の定、特に見せ場も無く、片方のチームの1人が相手を倒した所で試合終了となった。


「なんというか、普通、ですね」

「そうね」

「この大会って、剣を使わないといけないってルールは無いですよね」

「ええ。でも皆、普段は剣の講義を受けているから、必然的に剣に落ち着いちゃうんじゃないかしら」

「うわ、それってかなり問題がありそうですね」

「うん、そうかもね」


そうこうしている内に第2試合が始まっていた。

今度も全員剣士、いや、1人は2年生で魔法による強化を行う、魔法剣士タイプね。

うん、彼が他の3人より頭一つ飛び出てるわ。

そして一気に飛び出した彼が相手チームを圧倒して終了。

あ、でも、まだまだ魔力の運用効率が悪いわね。

最初の試合ということもあって、出力を抑えているみたいだけど、

これじゃあ、実戦ではまだまだ使えないかな。

ただパートナーの女の子に抱き付かれてヘラヘラしてる。


続く第3試合はさっきと打って変わって、1年生魔道士コンビどうし。

どちらも派手に魔法を撃ち合っていて、見ている分には綺麗、なんだけど。

もうちょっとこう、工夫したりしないのかしら。

まるで子供の喧嘩だわ。

結果、先に魔力が尽きたチームが降参して終了。

審判をしている先生もちょっと呆れてるわね。


そして第4試合。私達だ。

審判に呼ばれてステージに上がる。

相手は……2年のBランクペアね。

武器は剣と槍。前衛と中衛でバランスも悪くないし、普段から実戦経験を積んでるのか、お互いの呼吸も合ってる。

身体強化も行って安定した強さを発揮できそう。

……でも。そう思ってそーくんを見る。って、


「そーくん。その両手に持ってるのは、何?」

「あ、これですか?木製の盾(なべぶた)です」

「それで戦うの?」

「はい。相手に怪我させても悪いですし、これでリングの外に叩き出せば良いかなって思いまして」

「うーん、まぁ。そーくんが本気で攻撃したらフォースバリアなんて簡単に貫通出来そうだけど」


ただね、うん。見た目がちょっとね。

案の定、観客の生徒達から笑い声が聞こえてくる。

審判の先生も困惑してるみたい。


「ソージュ・ライオネル選手。

君が剣を使えないという話は聞いている。

だがしかし、それを武器にするのはどうかと思うが」

「ご心配ありがとうございます。

これはあくまで拳の代わりですので、攻撃力とか防御力とかは求めてはいないんです」

「ふむ、そうか。君が良いと言うのであれば特にルール違反という訳でもないし、問題はない。

それでは、第1回戦第4試合、始め」


審判の合図に合わせて向こうの2人が油断無く武器を構える。

そーくんはというと、まるで散歩するかのように気負うことなく剣を持ってる少年に近づいてく。


「チッ、舐めやがって。

そんなにやられたけりゃ、すぐに終わらせてやるよ!」


そう言って相手の少年がそーくんに切りかかる。

そーくんはそれに対して、大きく1歩踏み込んで、左手の盾で剣の根元の部分を受け止めてしまった。

さらには右手の盾を相手の体に当ててズンっと押し込む。


「うわっ」

「ちょまっ、げふっ」


そのひと押しで剣の少年が吹き飛び、槍の少年へとぶつかって倒れる。

そこへスッと、そーくんが近づき、2人の体を掴んで場外へと放り投げてしまった。


ドサドサッ。


うん、きっちりお尻から落ちるように調整してる。

さすがそーくんね。


「「……」」

「……はっ! そこまで。両選手が場外に出たため、勝負あり」


周りがしんと静まるなか、いち早く状況を理解した審判が試合終了を宣言した。

これは何というか、相手に同情してしまいそうになるわね。


生徒の戦闘力の低さが露呈するお話になりました。

ちゃ、ちゃんと3年には強くなってるんですよ、それなりに。

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