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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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17-A エリュース・ミスリニア

よろしくお願いします。


今回と次回はエル視点。

エルは今後ライバルポジになる予定です。

Side エリュース


学園ダンジョン。

教師の話では一流の冒険者になる為の登竜門が30階層までで、一般の学生は2年を掛けてそこまで行くらしい。

兄は1年で30階層まで行ったと自慢気に話していた。

なら私は半年で30階層まで完全制覇してみせましょう。


そう意気込んで23階層まで2ヵ月で来たのだけど、24階層で私は苦戦していた。

ヘドロゴーレム。体がヘドロで出来ており、切断系の攻撃をほぼ無効化し、更には雷撃もその体の表面を伝って地面にニガサレテしまう為、ほとんど効かない。

良くて雷撃の爆発で吹き飛ばすのが精々。

一応、貫通力の高い上級魔法のサンダーランスなら核まで届くのだけれど、広域殲滅魔法を主に研鑽を重ねてきた私は、そちらは苦手だ。


なるほど。

これが登竜門の由来なのね。

ここまでも多種多様な魔物が居たけれど、何が来ても対応出来る順応性を身に付ける必要があるって事か。


くっ、私としたことが、目の前に気を取られて後ろから囲まれていることに気付かないなんて。

最悪、帰還用魔道具で帰れるけれどそれは最後の最後よ。

そう思っていたら、ヘドロゴーレムの数少ない攻撃手段の1つ、泥投げをしてきた。


「っ、ちょっとその汚いものを投げないで下さるかしら!」


正面のゴーレムに呼応して、他のゴーレムも同時に投げてきた。

まずいわ。

1方向だけなら余裕だけど、3方向からは流石にかわしきれない。


「きゃっ」

どすっ。


横合いから飛んできたのを咄嗟に腕で庇ったけど、このままではじり貧ね。

一か八か魔法で吹き飛ばして突破するべきね!

そうと決まれば、


「『サンダーフィールド』!

からの、

『サンダーブリッツ』!!」


サンダーフィールドで防御壁を造りつつ、サンダーブリッツで打撃を与える。

これなら行け、てない?!

若干怯んだけどそれだけ。ゴーレムだから、痛みとは無縁だろうしね。


……並んでる2体に撃ち込めば、その間をすり抜けられるかしら。

そう考えた所で誰かがこっちへ走ってきたのが、一瞬見えた。


その人は私が苦戦した魔物をほんの一撃で倒してしまった。

凄いわ。上級生かしら。でも見た目は同い年くらいね。

そしてあっという間に助けられ、って早い早い早い!!!


私は手を引かれるままに、何とか走ったけれど、何て言う走力かしら。

っと、助けられたとは言え、弱味を見せる訳にはいかないわ。

ここは威厳を持って接しないと。


はぁ、それにしても、手を引かれて走ったのなんていつ以来かしらね。

そう思ってたら、思いもよらない発言が飛んできた。


「もしかして、えりゅたま?」

「っ!? ど、どど、どうしてその呼び名を??」


そんな。私の子供の頃の舌っ足らずな呼び名を知ってるのは、家族くらいなものなのに。

後は突然現れて、すぐに居なくなってしまった私の下僕(ともだち)1号。

(まぁ、今なら親に連れられて旅行に来ていた子だったんだってわかってるけど)


「もしかして、そーちゃん?」


うわぁ、まさかこんな所で再会するなんて。

そうか。さっき手を引かれた感じ。あれって昔そーちゃんにしてもらったのまんまだわ。

全くあの頃から凄い体力だったのよね。


それにしても。

大きくなってからまたこうして手を引かれる事になるなんてね。

でも、私もいつまでも守ってもらうだけじゃないのよ。


「『サンダーエンチャント』」


さあ、私の成長した所をとくと見せてあげるわ。

あ、とは言ってもこの階層は任せるわ。

まずは私のために道を切り開いて頂戴。

エルさんの子供の頃の出会いなどなど。

リーンさんとエルさんの昔話は何処かで描きたいのですが、本編中は厳しいかも。


あ、リーンさんの出番(修羅場?)はもう少しお待ちください。

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