入学までとは 2
レイモンド・ベルリア・フォンガード
彼はエドモンド殿下の双子の弟で、
"主人公と会う時の彼"は、銀を交えた白髪を乱雑にハーフアップにし、いつもメガネと白衣を身につけていた。
今は白衣とメガネを付けてはいないが、白衣から見える高貴さのある服を、全面に出している。
そして彼はこの国の第3王子でありながら、1人の「植物科学者」でもある。
そうは言っても、植物を育てる上で必要な知識を揃えていたら、周囲からそう呼ばれていたという。
彼が育てるのは主に花や果物らしい。
最初は王妃様である母親の為に自分の魔力で花を作ってみたら、王妃様が「その魔力を使って、土から植物を出してみなさい」とか言われたそうな。
王妃様、スパルタ教育か…??
ゲーム内での知識の為、主人公が彼に聞いていたことをそのまま思い出しているだけだが、「僕の温室」と言っていたので多分合ってる。
呆れ返っているユリウス殿下の腕の中からあたりを見回してみると、私とユリウス殿下が座っているブランコ式のソファの近くには、色とりどりの花壇や小さな花を咲かせたプランターが置かれている。
少し視線を上に持っていくと、大きな木がリンゴ…(こちらの世界ではルワの実だったかな)の実がちょこちょこと葉っぱと一緒に木にくっついている。
「……すごーい…」
「ん?どうしたの?」
「植物がいっぱいなのに、どの植物も元気に見えて…」
「…ふふ、レイー。」
えっ何呼んでるんですか、やめてください。
私の心の叫びと裏腹に、ユリウス殿下は先程の呆れた顔を笑顔に変え、まだ喧嘩しているであろう末っ子を呼び始めた。
「いやでも、いくら呼ばれても喧嘩していたら」という私の希望も直ぐに砕け散り、レイモンド殿下はこちらに駆け寄ってきた。
エドモンド殿下も先程から叫び続けるのにも疲れたのか、自分の弟であるレイモンド殿下の背中を見ながら、大きなため息を吐いてこちらに歩いてきた。
まじかよ。
「兄上、どうしました?」
「レイ、この子が君の温室が元気いっぱいに見えるってさ。」
「えっ…。」
何故か困惑気味になったレイモンド殿下を置いて、ユリウス殿下がやっと腕から解放して、自分の横に改めて座らせてくれると「はい、自己紹介どうぞ?」とか言ってきた。
……ええい、もうやけくそだ。
過去のデジャブを感じつつも、私は姿勢を正した。
「…高い場所から失礼します。自己紹介が遅れ、申し訳ありません。ファナメリア・ベルリア・ミーシャといいます。」
「……ミーシャ…ミーシャ公爵家!?」
なぜそんなに驚く。
「ドフスキー・ベルリア・ミーシャ公の御息女だよ。ほら、レイも自己紹介して?」
お父様?
父の名前を出した途端、レイモンド殿下は目をキラキラさせ、そしてなぜかそのまま私を見てきた。
え、まさか。
父のファン?みたいなやつですか?
「レイモンド・ベルリア・フォンガードだ。ドフスキー殿からよく薬剤に興味を持っている娘がいると聞いてる。君がそうだったの…!?」
「……えっ……。」
「ミーシャ夫人の元で教育を受けていると聞いてる。」
興奮状態で捲し立てながらグイグイくるレイモンド殿下は、まるでワンコの様になっている。
先程のあのエドモンド殿下に対するツンケンした態度はどこに行ったのやら。という感じで。
「……えぇ…?」
「…あっ、思い出した。そう言えばミカエルも…妹が英才教育を受けているとか、よく言ってたな……。」
何か思い出したように横からもエドモンド殿下が、トドメと言わんばかりのそれを突きつけてくる。
何してんですか兄と父の2人はぁぁぁあ!!!!!!
すみません、ファナメリアが父と兄への、心の呼び方を間違えいたので直しました。




