兄弟とは 序
その夜何となく起きてしまい、喉が乾いてしまった。
子守唄を歌ってくれた兄は自室に戻ったのかいなかった。
まぁ当たり前か…。
リリィは私に付きっきりだったからか椅子の手摺に寄りかかりうとうとしてしまっている。
このままでは風邪をひいてしまうだろうとベッドから布団を運んでみた。
重すぎて無理だった。
さすが4歳児の体である。もう1度言おうさすが4歳児の体である。
布団を掴んでベッドから運んでみようと引っ張ると、布団が予想以上に重く逆に私が引っ張られてしまった。
リリィを起こそうとしたがそれは心許なく、他の従者を呼ぼうと扉に手をかけると少し重かったが隙間を作れたので外にでた。
廊下に出で暫く歩くとある部屋が光を漏らしていた。
従者がいるかもと、そちらへと歩を進めると話し声が聞こえる。
子どもが通れるぐらいの隙間が出来ていたので、その中を覗いてみるとそこには見慣れたプラチナブロンドの髪が地面に横たわっている。
近くには彼が昼間着ていた上着や靴も散乱させており、ただ事ではないと部屋に入ると、そこにはお腹を抑え横たわっている兄とその前には腰まである私と同じ癖のある明るいブラウンの髪を持ち、暗く淀んだ緑の瞳をもつ人物がこちらを見開いて見ていた。
「…おねぇさま…?」
絹のネグリジェを着て、髪を首元で緩くひとつ結びにしている為か歳に合わない色気が出ている。
私とは4つ違う姉。
名前をまだ教えられていないその人のその顔立ちは、お父様に似たのかはたまた私とは血の繋がりがないお義母様に似たのか、
そこに佇んでいる異母姉は、私とはあまり似ていないが端正な顔立ちをしておりまるで絵本から飛び出てきたお姫様みたいだった。
「…ファナ…メリア…?」
横たわっていた兄が私の声で存在を気づいたのか、弱々しくもこちらに体を向ける。
「お兄様!」
急いで駆け寄ると蒼白した顔には所々かすり傷ができ、まだ膝小僧出ている足からは青あざが見え隠れしている。
まるで暴行にでもあったようで、私は目の前にいた姉に詳細を聞こうと前を見据えるとそこにはなぜか顔面蒼白になった姉の顔があった。
「ファナ!違うの!これは違うの!」
「…何が違うのですか!お兄様を傷付けたのはあなたなのですか!?」
「…っ違うわ!私ではないわ…!」
何が違うのだろう。
何者かに傷付けられ横たわっていた兄、そしてその目の前にいた姉。
どう見たって姉が兄を傷付けた様にしか見えない。
討論する前にと目の前に横たわっている兄に、今自分が出来る初歩な回復術をかけた。
「…ファナ、大丈夫。大丈夫だから泣かないで?」
昼間と同じような穏やかな顔で私の頭を撫でると、自分のお腹を抑えながらシャツの袖で私の目元を拭いてくる。
自分では気づいてなかったが涙が出ていたらしい。
「…お兄様…誰がこんなことしたのですか…?」
「…ファナ…、これは…。」
兄が言い淀む中、目の前にいた姉が1歩1歩とこちらに近づいてくる。
心なしかその手は震えていて、顔も蒼白さを増しているように見えた。
「どうして…ミカエルだけなの…?私だって、私だって…ファナに…!」
なぜか私の名前を言った後すぐはっと我に返ったのか、手で顔を覆ってしまった姉は、そのまま部屋を飛び出ていってしまった。
「……は?」
取り残された私はハテナマークを頭の上に沢山乗せ、私の頭を撫でていた兄を見るとなぜか苦笑を浮かべていた。
すみません…!修正しました…!




