学校とは 6
暫くミリア様が天を仰いでいると、後ろから叔父に抱えられた兄とエレンが来た。
その綺麗な顔を自分の手で、覆いながら俯く兄と、最早蝉の脱け殻の様に脱力しているエレンがいた。
「…うぅ…こんな情けない姿……。」
「あはは………。………うぅ………。」
…大丈夫か…二人とも……。
将来、二人が高所恐怖症にならないように心の中で祈った。
叔父はご満悦なのか二人を足元に降ろした。
すると、先程まで見えていなかった顔がハッキリと見えた。
焦げ茶色のオールバックの髪に、父ほどでは無いが整えられた顔。
その顔には緑色の瞳が埋め込まれている。
「……おや?メアリー様、その子は?」
「ミカエルの妹、ファナメリアよ?貴方とミリアはまだ会ったことが無かったわね。可愛いでしょう。」
母が見た事もないどや顔をしながら叔父に話している。
そっか私、二人にはまだ会ったこと無かったのか。
ふむふむと一人納得した。
「ファナメリア、ミリアの夫のレビィアスよ。」
おっと、挨拶忘れるとこだった。
「レビィアス様、初めまして。ファナメリアです。」
頭を下げると頭上からはくぐもった声が聞こえた。
何か無礼だったかと、内心冷や汗が出てきたが顔を上げれば、そこには叔母と一緒のポーズをしている叔父。
あ、大丈夫ですか。
なんかデジャブだが、慣れたぞ。
ホッと息をつけたと思ったら、今度は横から声がかかる。
聞きなれたその声に母は反応し、私の体を抱き締める力を強くした。
母よ。頼むからフラグだけは作ってくれるなよ?
「…あなた…。」
声がかかった方向を向くと、そこには父がいた。
「…はぁ、ミリア殿、レビィアス殿。お久しぶりだな。」
父から視線を外し、反対に母の顔を伺うと少し顔をしかめて、口をきつく結んでいる。
その顔をみた父は、呆れた様な諦めた様なそんな顔をした。
あ、そっか。まだ仲直りしてないのか。
うーんと私も口を結べば、私の顔を見た母と父が何故か唖然としてしまった。
そんな顔も束の間。
次の瞬間、二人とも何故か真っ青な顔になってしまった。
「ファナメリア、どうかしたの?……まさか、魔力がまた…!?」
「な…!?早く医務室に!」
検討違いな事を言い出す両親の誤解を解こうと、口を開いた、その時だった。
「えっ!?ち、ちが!ちがいみゃっす!」
………噛んだぁぁあ!!
みゃすって何だよ……。
勢いよく舌を噛んでしまい、急いで口を手で覆いながら痛みに悶えた。
ぐおうう。
私はこの時改めて思った。
……滑舌良くしよう。と…。




