学校とは 2
目を開けるとそこは、植物の蔦が壁という壁に張り巡らされている所。
目を覚ました私は、何故か植物がいっぱいの部屋にいる。
そして私の頭の中では、?が乱舞していた。
間違いでなければ、ここは多分母の部屋の一つ。……だと思う。
誘拐されたとは考えにくいし、何より自身で薬を開発している母の部屋は、植物に溢れていてもおかしくはない。
なら母の部屋と考え付くのが妥当だと自分の中で決定付けた。
けれど、何故私がここにいるのか意味がわからない。
それにあの後、意識を失ってから光と話していたが、それがどれくらいの時間なのかも分からない。
前は1日半位と、その場にいた兄やエレンに聞いて分かったが、今回は誰もいない。
おおーい!放置!?放置か!!
珍しく一人になり暇になったので、この寝ているふっかふかなベッドを堪能しようと、体を回転させて横にごろごろしたり、枕を抱き締めたりしてみた。
自分の部屋ではリリィが怪訝そうな顔をするため出来ないから、今がチャンスである。
「ふかふかー…。」
丁度ベッド横にあった小窓から、日の光が漏れてくる。
お昼寝には丁度いい場所なのだろうなと、暫く小窓の向こうにある外の景色を眺めていたら、部屋の中に誰か入ってきた。
「ファナメリア!」
「…!お母様。」
それは嬉しそうに笑う母で、こちらに駆け寄ってきたかと思えば、全身で抱き締められた。
何やらデジャブを感じさせるが、今回はきつく抱き締められているわけではないので、大丈夫。……多分。
「体調は?大丈夫?」
そのままの体勢で頭を撫でながらそう言ってきた。
「大丈夫です。」と言い返したが、母はただ抱き締める力を強めた。
「お母様?」
「…ファナメリア。お願いだから、もうあんな無茶はやめてちょうだい。」
少し強張った声で話した母は微かに震えていて、私はただ頷くだけだった。
「…はい。」
暫く抱き締められ、私はあの後アイシャ様や姉がどうなったのか教えてもらった。
アイシャ様は勘当。
普通のところは実家に返されるのだが、父と母は義理でも姉だと言って国外へと逃亡させた。
アイシャ様の家は子爵家で、公爵家に勘当されたとなっては恥をかいたも同然。
シーナ様が亡くなった事は子爵家も知っていたが、アイシャ様が愛人となったので、まだ公爵家との繋がりを持てたと安心したのだろう。
けれど、それが無くなった。
だからこそアイシャ様には、余計心の支えであったシーナ様がいなくなったことが気苦労になったのだろう。
姉のレミーナは母の家に引き取られる事となった。
実はハロマン家に行きたいと言ったのは、姉だった。
ハロマン家でメイドとして働くと言っていたらしい。
思えばあの人中々にストイックな性格してるよなぁ…。
勿論父と母は「このまま公爵家の長女として生きていくのもいい」と言ったらしいのだが、姉が「公爵家の血をひいていても姿が少ししか似ていませんから、社交界に出た時、不義の子と思われます。だから、此処にいるのが嫌です。」と言ったらしい。
そう言われて「だったら」とハロマン家から母の妹……つまり叔母から「養女になってほしい」と言ってきたらしい。
因みにハロマン家は私の母と叔母しかおらず男子は生まれなかった。
だからこそ、叔母が跡を継ぐと言って、今のハロマン家がある。
そんな叔母もある意味、ストイックな性格の持ち主だから、姉とも気が合うだろう。
叔母は子が出来ない体らしく、叔父も賛成しているらしい。
何にせよ一件落着というやつだ。
ただ、母は一時訳ありでも、愛人を作った父に怒っているらしく、アイシャ様との問題を解決したのにあまり話していないらしい。
私が産まれた後すぐから、あまり話していないと言うから驚愕しかない。
………やきもち焼きだなぁ………。




