自分とは
な、なななな!な!なんじゃっこりゃああああ!!!
メイドさんがいる手前声には出せず心の中で大きく叫んだ。
鏡に私ではない誰かの姿を見つけ近づいてみるとまだ5歳にも満たないような少女が青ざめている。
目の前にいる少女が、自分がしようとする事を全く同じにして動くから、多分これは今の私なのだと混乱しながらも理解出来た。
それと同時に、色々この少女の名前だとか身元だとかが記憶に駆け巡り、さらに衝撃を受け…
正直もう倒れたかった。眠りたかった。
鏡の前で青ざめていた少女、つまり私は
ファナメリア・ベルリア・ミーシャ
というまぁ公爵家の次女であり令嬢だったらしい。
確か今年で4歳になる。幼い…いや、幼すぎるだろ!
っていうか名前長っ!!
噛むよ。
これは噛む。私の滑舌の悪さは誰にも負けないからなと息込める位だ。
まじまじと姿を見ると、明るいブラウンのくせっ毛が特徴的でその瞳は黄色で、顔も整っているように見えた。
ただ、記憶が確かなら私はあの時トラックに轢かれそうになったのが1番最後の記憶で。
その前までは、普通に1人暮らしで仕事に薬剤師として務めていたはずだ。
ごくごく普通のOL生活をしていたはずなのだが、なぜか幼女になってるんですけど?どういうこと。
……うん。わーかーらーなーいー。
「お嬢様。ファナお嬢様。」
黄昏気味になっていた私の肩を叩いたのは、先程から心配してくれていたあのメイドさんだ。
確か名前は…
「…リリィ…?」
そう、リリィ・フラン
紫の瞳とダークブラウンの少しウェーブのかかっているボブの私から見ても、多分他人から見ても可愛いっていう部類に入ると思う。
そんな彼女の名前を呼ぶと、なぜだか目を点にして驚いている。
もう一度名前を呼べば、今度はその綺麗な紫の瞳には大粒の涙を纏っていた。
流石にこちらもそれにはびっくりで、リリィの方に近づけばリリィは肩を震わせ本当に泣き始めてしまった。
「リ、リリィ?どうしたの?大丈夫?」
「お、じょうさまぁぁぁあ!!うわあああん!」
何でだあああ!
なぜか号泣するリリィは、涙を流しながら私を強く抱きしめてお嬢様と何度も何度も言葉を繰り返していた。
「ファナメリア!?どうした!」
扉が壊れそうな勢いで開きそこから誰かが駆け込んできたが、
扉こわすなよ。おーい。
扉を壊れそうな勢いで室内に入ってきたのは、日に当たると反射しそうな少し癖の付いたプラチナブロンド髪に、私と同じの黄色の瞳を持つ少年だった。
その少年の顔はまるで人形の様に整えられており、髪と瞳にあう暗めの服装をしているためか、全てが彼に相応しいと言えるものだった。
呆然としながら彼を見ていると、リリィがやっと落ち着いてきたのか「感極まって…つい、申し訳ございません…」とグズグズしながら私から離れた。
「ファナメリア、起きたんだね!良かった。」
満面の笑みを浮かべながら私に近づいてくるので、そこでふと彼の正体を思い出した。
「…ミカエルお兄様…?」
そう、そうだ。
ミカエル・ベルリア・ミーシャ
私の2つ上の兄で確か…
「ファナ〜!そうだよー!ミカエルお兄様だよー!」
嬉しそうに頬を染め、愛称を呼びながら私を抱きしめるお兄様。
この人は兄の鏡とも言えるお兄様で…寝る時は勿論、子守唄や絵本を読んでくれたり、庭に出る時は植物の名前や動物の名前を教えてくれる優しいお兄様だ。
まぁちょっと過保護な部分もあるが、ご愛嬌というやつだろう。
「ファナが目を覚まさなかったらと思うと僕は本当に辛くて…」
「…お、お兄様…。」
抱きしめる力が強くなっている。確実に強くなっている。
さすが男の子。
…っじゃなくて、
「…ぐるじい…」
「ファナ?…ファナメリア!?」
私が意識を飛ばしかけたところで、今度はミカエルお兄様の絶叫が部屋に響いた。
色々初っ端からカオスな感じになってます
少し修正加えました…!




