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悪夢(2)・・・

作者: 東風こち

 私は洞窟にいた。前にもここにいたような気がしているが、思い出せない。

 背中がずきずきと痛む。手には血がべっとりと付いており、体は怠く感じ

ている。


 そして、目の前には・・・

「こっ、これは・・・」

 そこで私が見たものは、無残に切り刻まれた肉塊。どんな生き物の肉塊か

も見分けが付かないくらいに変わり果てた姿になっている。

 ふと、私はもう一度自分の手を見てみると、そこには血がべっとりとつい

た包丁を握り締めていた。

「・・・・・・」

 私は言葉もなく、ただそこに佇んでいた。



 ピーポー、ピーポー・・・

 不意に、救急車の音が耳に入った。

 私は周りを見回す。しかし、周りは暗い洞窟・・・そう思った瞬間、

 ブー!ブー!

 私は道路の真ん中に立っていた。そして、クラクションを鳴らしながらこ

ちらに向かって走ってくるのは救急車だった。


 だ、だめだ。こちらに来ては駄目なんだ!

 私は心の中でそう叫んでいた。

 頼むから、こちらには来ないでくれ!

 今度は声に出して言おうとしたが駄目だった。声が出なかった。

 そうしている間にも、救急車はそのままこちらに向かってくる。

 私は、声にならない叫びを上げながら、救急車に向かって突進していった。

 救急車は最初にクラクションを鳴らしてからは、速度を緩めるどころか逆

に速度を上げているような気がした。しかも、私に向かって進んでくるでは

ないか。

 どうなっているんだ?

 茫然自失となりながら、私は無意識に逃げ道を探していた。

 しかし、そうしている間に救急車はもう私の目の前まで来ていた。

 もうだめだ・・・・、私はあきらめてその場に立ち尽くしていた。

 目をつむり、歯を食いしばる。

 キキーッ!!

 私は救急車がブレーキを踏む音を聞いたが、その後当然あると思っていた

衝撃を感じなかったけれども、突然意識が暗闇のなかに沈んでいった。



 次に気が付くと、私はどこか暗い狭い所で寝ていた。

 周りにはどうやら花が置いてあるらしい。そして、起き上がろうとして手

を上に上げようとした時、手が何かに当たった。

 何だろう?そう思って調べてみる。

 しかし、暗いので分からない。仕方ないので力を入れて押し上げてみる。

 ギィー

 きしむような音をたててそれは動いた、と同時に目の前に明かりが入り込

んで目が眩んだ。

 しばらくして、視力が回復すると周りが見えるようになった。

 そこには、皆が皆黒い礼服に身を包んで私の方を見ていた。

 私の友達もいれば、先生、親戚、兄弟、両親・・・いろんな人がいた。

 みな一様に涙に濡れた目で私の方を見ていた。

 私はびっくりしながらも、起き上がった。

 いや、起き上がろうとしたけれども、起き上がれなかった。それどころか

実は目も開いてないみたいだ。

 それなのにどうして私は周りが見えるのだろうか?

 ふと、私はそこに信じがたい光景を見た。

 目の前で、私がじっとこちらを見ているのだ。最初はだれか似た人かとも

思えたのだが、よく見るとそこには、紛れもなく私が立っていた。

 なぜ?

 しかし、そんなことは分からなかった。分かるはずがない。

 こちらを見ている私は、不適な笑みを漂わせながら冷酷な目付きでこちら

をじっと伺っているようだった。

 私はそんなに冷たい目をしていただろうか?

 いつもそんな表情をしていただろうか?

 どうして私が私を見ているのだろう?

 そのうちに、また周りが真っ暗になった。

 そのとたん、私はほんの少しだけ理解した。

 これは葬式なんだ・・・・と。

 そして、死んだのは・・・・だれなんだ?


 そのうちに、どうやら霊柩車が棺を積んで出発したみたいだった。

 行く先は、火葬場・・・・



これは最初に投稿した作品の続きと言えば続きになるかも

しかも、その先の話も考えていたりします



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