初めての王宮
無駄にデカくてキラキラしている…
俺は師匠とともに、王宮に来ていた。
俺が王宮の内装の派手さに驚きを隠せないでいると
「そんなにキョロキョロするな。」
バレイアが苦笑いで言ってくる。
俺が「キョロキョロなんかしてない!」
文句を言おうとすると、師匠が急に止まった。
それに気づかなかった俺は師匠の背中に顔を強打した。
痛む顔を擦りながら文句を言おうとしたが、他の声にかき消された。
声の主を見ると、見た事のない軍人が師匠と再会を喜んでいるところだった。
誰コイツ…?
なんて考えていると
「ルド、彼はイアン・ハイランドだ。俺の同期で優秀な魔道士でもある。」
「宜しくね。イアンと呼んで。君は…?」
イアンは俺に手を差し出してきた。
「ルドルフ・シートンだ。」
名前だけ答え、手を握る。
師匠は苦笑いをすると俺が師匠の弟子であること、魔法を使えること、今度戦場に行くことを掻い摘んで説明した。
イアンは俺が魔法を使えることに興味を示した。
「ルドはどんな魔法が使えるの?」
「今使えるのは、肉体強化と簡単な風魔法だけ…」
新しい玩具を与えられた子供のようにキラキラとした目で聞かれ、色々と答える。
「じゃあさ、戦場で実際に戦って魔法をもっと使えるようになりたいと思ったら連絡して?」
師匠と軽く言葉を交わすと帰っていった。
「どう思った?」
「イアンのことか?なんか…面白い人だ。喋ってて嫌な感じはしない…」
「あいつは魔法に長けているから、今度学ぶといい。」
師匠はそう言うと歩き出した。