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夏生詩集3

似て非なる

作者: 夏生

人の命などゴミと一緒と

言った人がいた


命はゴミなのか

捨てられるものなのか

だから命を捨てるという

言葉があるのか


宇宙から見れば

人など塵に等しいだろう

営みなどあってないような

ものだろう


命はゴミなのか

あなたもわたしも

ゴミなのか

ゴミ箱にある紙くず

夢の島にうず高くもられた

月水金に捨てる日が決められた

ゴミと一緒なのか


かけがえのない

尊いものが命だと

教えられてきた

命を知れば知るほど

愛しく思ってきたわたしは

命はゴミと一緒という言葉を

テーブルに広げて分解した



ゴミは生まれ変わることが

できる

生まれ変わりの命を信じるならば

命もまた生まれ変わるだろう


場所を変え、活き方を変え

この世にあり続けるじゃないか


ちっぽけなものと思って

命をゴミだと言ったようだけれど

その強かさ美しさをご存知ないようだ

命はあるだけで恵みをもたらして

いることもご存知ないようだ


分解する手を止める

言葉の端は酷く傷ついていた

錆びがついていた


人の命など、と吐き捨てた心を

取り出すとそっと撫で

懐におさめた





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― 新着の感想 ―
[良い点] 命に対する問いに積極的な面と微細な疑問が良く伝わります。 生死、生前、生後、死後。 これらを哲学するべき原点の一歩かと。 僕は好きでしたよ。いいものを読みました。 [気になる点] 特に…
[良い点] 時々自分自身を、風に舞う紙切れのように感じてしまうことは、命を大切に思っていないからなのかと、考えさせられました。 人の命は コンビニで売られている傘のように、代わりのきくものではなくて…
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