笑い
「天乃さんってさあ?意外と自己中よね。」
田中館がクスッと笑った。まるで見下して嘲笑してるみたい。
口元に当てた右手の指は、恐ろしく色白で細長く見えた。
「私が自己中・・・?意味わかんない。」
特に感情は込めずに、私は目を細めて言った。
私のどこが自己中なの?私はただ、今まで私をいじめてきた奴らに仕返しを、復讐をしてるだけ。
罪悪感なんてないわ。
快楽すら感じないもの。
唯一感じることと言えば、あなたに対しての「苛立ち」くらい。
ハッと私は小さく鼻で笑う。
田中館は表情を変えずに続ける。
「だって、貴方だって幾度かやってきたでしょう?彼女らと同じ事を、あなたと同じ様な人達に。
もし、彼女らが殺されるべきって言うなら、あなただって死ぬべきじゃない。」
「そうね。確かに私も同じ事をしたわ。」
認めるよ、そこは。
でも、だからなんだって言うの?
他人にはやれるけど、自分がやられたら許せない。
誰でもそうなるわ。
それに悪いけど、私だってそれなりの理由があるもの。それだけで自己中だなんて言われる筋合いないわ。
「田中館さんは知らないのよ。私のことなんて、何ひとつね。」
ぶわああっっと私の右手元に黒くて大きなカマが現れる。こんなの、頭の中でイメージするだけで、すぐに実現する。
ぎゅぅっとカマを力一杯握り締める。
「悪いけど、今の私の頭の中には『クラス全員ぶっ殺す』ってことしかないの。忙しいんだから、話しかけないで。」
喋り終えるとともに、シャッッと空気の切る音がした。
私がカマを振って四・五人の首を飛ばしたんだ。面倒だったわけじゃない。
こいつらはそんな加担してたわけじゃないから、すぐ楽にしてやろうって思っただけ。
鮮やかな赤色が噴水のように湧き出る。
その光景は美しく思えて、うっとりしてしまう。
殺す機会はこれで三回目だ。
だから、結構慣れてる。
最初は確か5歳の頃。お母さんが怖くて仕方なかったから、殺したんだ、友達を。
まあ、それは今話さなくてもいいか。
それより今はこいつらを殺すのが先。
「あと9人。」
小さく呟いてカマをしまう。さあ、残りの奴らは、どう殺そうか・・・?
ケラケラと不気味な笑い声が教室中に響き渡っていくのが分かった。




