第五十九話 カオルたちが隣の個室に移動した理由 その1
カオルがエレノアに抱きしめられるのは、これが何度目になるのか数え切れない。
でも、何度抱きしめられても慣れない。
エレノアの豊満な胸を顔に押し付けられて、息苦しくなると同時に、その豊満な胸の何とも言えない弾力を心地良く感じる。
「カオルさん!カオルさん!本当に無事で良かったわ!駅前で倒れたのを見た時は、本当に死んじゃったんだと思ったんだから!」
エレノアはカオルをいつもより強く抱き締めた。
「ほら、ほら、エレノア、カオルくんが無事で嬉しいのは分かるけど、カオルくんが苦しんでいるよ。それに、ここは廊下だよ。部屋の中に入ろう」
「そうだわね」
ユリアの声で、エレノアはカオルを放した。
カオルたちは、エレノアたちがいる隣の個室に入った。
個室の中には、エレノア、ユリアの他には、アン、サリオンがいた。
全員が個室に入って扉を閉めると、カオルはみんなに向けて頭を下げた。
「みなさん、たいへん心配をさせてしまい。申し訳ありませんでした」
「本当だよ。これはカオルさんがボクを心配させた罰だよ」
「うわっ!」
そう言って、ユリアはエレノアと同じようにカオルを抱き締めた。
ユリアは胸をカオルに押し付けた。
エレノアほど強くは押し付けなかったので、カオルは息苦しくはなかった。
「カオルくん、どうだい?ボクの胸の感触は?エレノアと、どちらが気持ちいい?」
「胸の大きさではエレノアさんの方が上です。でも、形の良さではユリアさんが勝っています。柔らかさではエレノアさんの方が上ですが、鍛えていて適度な弾力があるユリアさんの胸にも味わいがあります」
「カオルさん、なかなか正直に言うようになったじゃないか。さあ、アンさん、選手交代だよ」
エレノアがカオルから離れると、アンがカオルを抱き締めた。
エレノアとユリアはカオルより背が高いので、抱き締めると胸がカオルの顔のあたりになるが、アンは背が同じくらいなので、顔と顔が向き合う形になる。
アンの方からカオルに唇を近づけた。
アンはカオルの頬にキスをした。
アンもカオルも顔が真っ赤になった。
「あ、あたしが、こんな大胆なことができるようになったのは、カオルさんのせいなんですからね!責任取ってくださいね!」
アンが顔を真っ赤にしたままカオルから離れると、サリオンがカオルの前に立った。
サリオンも同じようにカオルを抱き締めた。
「カオルさん、どうだ?俺の胸の感触は?」
サリオンは冗談めかして言った。
それに対して、カオルはサリオンの胸に頬ずりした。
「鍛え上げられた身体していますね。わたしの理想ですよ」
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