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Principia  作者: kei
プロローグ~自然哲学の数学的諸原理~
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プロローグ~自然哲学の数学的諸原理~

はじめまして。今回のものが初投稿のkeiです。

普段は小説なんて読まないのに、某動画サイトの生放送動画でこちらのサイトで小説を書き込めるということを知り、お恥ずかしながら駄文を書きなぐらせていただきました(そして書きなぐり続けるよていでもあります)。


この物語の2人の主人公、理と慧はどちらも僕の分身です。

理は高校の頃の自分で、慧は現在の自分をトレースしたものです。

(容姿の話題は触れないでくださいwww)

高校生の頃、工学部に進みたいという夢はあったものの、僕はどっちかというと落ちこぼれに分類される方が多かった。そこで、通い始めた小さな塾の思い出をもとに生み出されたのが理ちゃんです。

一方、なんとか大学に入学できた僕に、その塾の先生は「知り合いが塾を開くのだがそこで数学の講師をやらないか?」と持ちかけてきます。そこから数年間、バイトとして塾講師をやることになったのですがそこでの触れ合いを基にしたのが(というか今の自身なのですが)慧なわけです。


理には『真理』・慧には『知恵』というような意味が込められています。

立ち位置から2人の名前は逆でもよかったのだけど、結局今の状況に落ち着きました。

ハンドルネームもkeiですし、現状に近い方を慧にしたかったのでw


しょっぱなから小説?とも思える内容になりつつありますが、目標は知る人ぞ知る名著

『物理と特殊関数―入門セミナー (物理数学One Point、新田 英雄著、共立出版』

の高校生くらいの知識の方が読み進めることができるような話題・内容にしていきたいなぁと考えています。


昨今、ゆとりだ理科離れだと若年層を攻撃してくる人が多いですが気にしてはいけません。


理科離れを謳う人ほど、簡単な質問でもボロを出します。

彼らも実は理科離れしているのです。


興味がある時から勉強は始めればいい。

高校生程度からの若い方も、今更人に聞けないようになってしまった社会的ポジションをお持ちの方も、この駄文を読んで理科学に興味を持っていただき、大きめの本屋さんの専門書コーナーに足を運んでいただけるようになればそれが僕の喜びとなります。


数式の話題が登場しましたら、

http://ameblo.jp/kei-system/

あたりでサポートを行おうと思います。このサイトの使い方がまだ分かっていないのですが、流石に小説本文に計算式を書くわけにはいかないだろうと思うのでw

高校に入学したての少女・空時理(そらとき さとり)には悩みがあった。

とは言っても、さほど特別な悩みではなく同年代の高校生が大抵感じることである。

彼女の高校は学区内でも屈指の進学校であるが、それが故に彼女にとって(おそらく他のクラスメートにとっても)授業が難解すぎるのだ。

国語や社会なら難しかろうと何とかなる。

とりあえず教科書に覚えるべきことが書いてあるからだ。

しかし、数学や物理をはじめとする、いわゆる理系科目と呼ばれるものはそうはいかない。

教科書を丸覚えしたところで、式の形が変わってしまうと全然対応できなくなってしまう。

5月の頭にはついていけなくなってしまった。

恐らく優秀な先生たちなのだろうけれど、言葉が理解できなくなってしまった今となっては宇宙人と対面しているのとさほど変わらない。


数学教師「二次関数の軸を求めるには平方完成の手法を用いるのが定石ですが、微分を使えば簡単に軸の方程式を求めることができます。まずはこの関数を・・・(なんたらかんたら)。」


理に寒気が走る。


理「・・・やばい、全然言葉の意味がわからにゃい(’・ω・)」


謎だらけの宇宙人語をしゃべるだけ話した地球外生命体(と思いたい)から、衝撃の一言が発せられた。


数学教師「今の試験に出すから、良く復習しておくように!」


当然教室はどよめき立ったが、少女は思考停止してしまい硬直してしまった。

2分ほどして意識を取り戻した理はぽつりと言葉を発した・・・



理「・・・え?マジですか!?」




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



幸いにも理の住んでいるマンションの1階の店舗部分には学習塾が入っていた。

あまり流行っているような塾ではない様子であったが、とりあえず理はこの塾に通うことになった。

大手のフランチャイズ校ではなく、どうやら個人経営の塾のようだ。

入塾手続きに赴くと40歳くらいであろうか、小太りの男性が現れた。

どうやら彼が塾長のようだ。


塾長「うちは高校1年生の間、理科は開校していませんので数学と英語が受講可能科目ですね。どちらも積み重ねの科目だから今から頑張れば本番の受験も攻略できますよ。はっはっは~(笑)」


理「はぁ・・・。そう・・・なんですかね?」


塾長「とりあえず、明後日に初めての数学の授業をしましょうか。」


理「・・・よろしくお願いします。(先生って言う職業の人はテンションたけぇな・・・)」


とにかく、塾に(すが)れば、この間の宇宙人語が理解できるようになるだろう。

学校のように大人数を1人の先生が教えるのではなく、1対1での講義スタイルなのでみっちり指導してもらえるはずだ。

宇宙人語をマスターできれば勉強なんかに時間を割く必要は無い!

薔薇色の高校生活が満喫できる!

若干、塾長は胡散くさいけれど数学の講師なんてごまんといるからハズレなどないだろう。

そう思いながら、理は塾を後にした。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



2日後の夜、ついに初めての講義日である。

当然この間の高校における授業はこれまで通り散々なものであった。

それだけに薔薇色の人生に向けて期待が高まる。

何においても最初の印象は重要なので、15分位早く塾に入った。

今になって気付いたが、この塾は下は小学生、上は私のような高校生と何でもござれの塾のようだ。

本当にこの塾大丈夫か?素人ながらもっとターゲットを絞ったほうがいいんじゃないかと思った矢先、塾長が声をかけてきた。


塾長「やぁ、こんばんは!そっちの部屋で担当の先生が来られるのを待っててね。」


ん?私の担当の先生は今は授業はしてないのね、と思いながら促された部屋に移動する。

待っていると足音と共に塾長と誰かの話声が聞こえてきた。


塾長「こんばんは、新しい生徒さんがもう来てますよ。」


?「あ、本当ですか!もう一本早い電車に乗れれば良かった・・・」


って言う声が聞こえたかと思うと私のいる部屋にその声の主が現れた。

どうやら彼が理の担当のようである。


(けい)「こんばんは。今日から、え~っと・・・、あぁ、理さんだ。理さんの授業を担当する八雲慧(やくも けい)です。よろしくね。」


慧は学長と違って、かなり若く見えた。

むしろ、理の年齢に近いのかもしれない。

塾の講師と言えば、スーツを着て(高校の先生よりも)ビシッと決めている印象があったのだが、彼はかなりラフでダメージ加工を施したジーンズにちょこっと柄の入ったTシャツを纏っていた。

赤いフレームの眼鏡もしている。

おそらくワックスなりで髪型を弄っているのだろうと思うのだけど、きれいに整えているというより、パッと見のシルエットがほどほどに見れるようになったからもういいやというような感じ。


理「こちらこそよろしくお願いします。」


理は慧の年齢を聞こうかと思ったけれど、色々考えた挙句やめてしまった。

初対面であまり突っ込んだこと聞くと嫌がられるかもしれない。

理の今後の命運を握るであろう人物なので嫌われることは極力避けたい。


慧「俺の授業はよっぽどのことがなければテキストとかは使わず、理さんが気になるところを解説しようと思ってるのだけど、今のところは何に困ってるの?時期でいえば学校で二次関数あたりに触れているのかな?」


理は慧の発言に少々驚いた。

高校での授業がついていけない分、先生たちの講義の振る舞いを特に注意するつもりもなかったが眺め続けていた。

先生によってはその日のノルマと黒板に書くべき内容を纏めてから教壇に立つ人が多かった。

特に数学、物理の先生はベテランであろうと新人であろうと細かい字と図がいくつも書き込まれたノートを持ち込んでいた。

それを眺めて、理は先生でさえ“カンニング”まがいのことをしているのに私が無から解答を組み上げれるわけがないだろう。


それをこの慧という塾講師は何もなしで講義をするだと!?


理解が追いつかないときの恒例行事、“思考停止”に陥りそうになったが踏みとどまって彼の問いに答えた。


理「え~っと、そうです二次関数の単元に入って・・・。最初の方はグラフを書くだけだったのですが、急に難しい式変形が登場してからチンプンカンプンになってしまいました・・・。」


慧「なるほどね、みんなが躓くところで盛大にすっ転んでしまったわけだ。そういうときは単元の一番初めから追いかけなおすのが一番効果的だな。」


理「私は、一発逆転の答えの出し方だけ教えてもらえればそれで満足なんですが。ほら、有名な塾の先生も言っているじゃないですか、『青チャートは丸覚えするもんだ!』と。」


理は他意があったわけではなかったが、まさか反撃を喰らうとは口から言葉を発した瞬間には思いもしなかった。


慧「・・・理さん。俺もその格言みたいな言葉は聞いたことがあるけれど、それは大学入試に向けて時間が無い人に有効な方法だよ。まだ、高校の1年目の君にはお勧めなんてできない。」


理もこの程度の反撃は予想していた。

しかし、次の慧の意見は今まで考えたこともないことであったので目が点にならざるを得なかった。


慧「学問はどの分野も“哲学”の流れを()んでいる。数学や物理は哲学とは無縁に思えるかもしれないけれど、数学は人間の思考を数を使って整理したもんだ。思想と思考、両方合わさって初めて学術領域になる。計算技法は思考法だから、これだけを追求するのは数学ではなくて小学生の算数だ!」


理「・・・へ?」


理がその意味を解するにはそう時間は必要なかった。

現代の社会は数学に支えられてきたとよく言われます。


実際、理学の分野は物理・化学をはじめとして、偏微分方程式の解を問題の答えにしてしまうことが多いし、工学の分野として家や家電の設計なんかもまさしく数学のたまものです。近年は経済の分野まで確率微分方程式という人類の歴史から見れば新しい数学を駆使することで為替の変動まである程度予測できるレベルまで来ています。


シミュレーションという言葉を耳に挟まれた方も多数いらっしゃるでしょう。

あれも、理論式を簡単な計算の組み合わせに書き換えコンピューターに計算を代行してもらっているだけなので(コンピューターは足し算・引き算・掛け算・割り算位しかできません。微分・積分はこの4つの計算を上手く組み合わせて再現されるのです)、根本に戻れば数学の賜です。


ある程度、という言葉には含みがあり、完全ではありませんよという意味です。

これらの理論が成立するためにはいくつかの課程が必要で、現実としてその仮定が完璧でないことの方が多いです。


にもかかわらず数学が珍重されるのは何故でしょう?


その答えが書き込めればいいなぁと思います。

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