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地球が生まれたのは、確か英暦3万4782年4月7日だった。
地球が滅びたのは、確か同じ年の7月20日だった。
ちっぽけな地球でいう、「1万年規模」の歴史が、生命体たちの1日だ。
私はエレー。地球偵察部隊の隊長だった。
英暦8万4728年の6月17日に、お話は始まる。
まず、地球が滅びた話から始めようと思う。
地球は、人類という愚かな生き物たちによる「地球温暖化」なるものによって、罪のない全地球生命体を滅ぼすことになった。7月20日の午後に突然、地球は爆発し、爆発によって生まれた波は、広がった。
それはビッグバン並みに大きな波だったために、地球偵察に向かっていたR90号機の、機長レオナルド、乗員135名が死亡し、人生の、何十何周目かを送りはじめた。
そして滅びた全生命体は、私たちの星に向かった。
光が、生命体たちを乗せて、私たちの星に向かった……こういった方が正しいのだろうか。
無責任は光は、私たちの星に生命体をおろすと、またどこかの星へ向かった。「私の役目は終わった。あとはお前らでなんとかしろ」と光は言った。「たとえばどうしろ、と?」と私は聞いた。
光は何も答えなかった。もう私たちのこと聞こえない範囲に、それはいたのであった。
生命体のうち、人類はメキメキと頭角を表して、28年くらい後の10月2日になると、もう、地球時代の文化や、発明品などを再現していた。
もっとも、そのうちのほとんどは、もう私たちの星で作ることができていたが、冒険家など無意識に、地球時代の「金属」「磁石」だとか「水」といって美味しいものを握って、私たちの星に到着していたから、私たちの作った製品より使い勝手の良いものも、一部あった。
さて、二周目の生活もほとんど終わって、あたらしく迎えられた生命体の一部は、三周目の生活に入り始めていた。8万4719年の4月に、レーリティ少年は生まれた。