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04. コピーは、オリジナルを助ける

 槍には、毒が仕組まれていた。

 体中に侵入し、すぐに俺の体は動かなくなる。


 膝をついて、その場に倒れ込む。


 そしてその周りを囲む三人集団。



 

「ガーネット、殺すなよ」

 これも、聞き覚えのある、男の声。


「……お、前」

 俺のデータを基に作った、クローン。


「体が無事ならどうってことない。死んだって構わないと、ソフィアは言った!」


「それはソフィアの命令であって、上の命令ではない。上は、できるだけ傷をつけず生きたまま連れて来いと言った。上の命令にはできるだけ従っていたい」


「だが、だが! 拳銃はもう使い物にならないし、爆弾も一個しか持ってこなかった。奴を殺すための武器は、この剣だけだ! 傷がつかないはずがないだろう!」


「はあ……お前は話を聞けなくて困る。ソフィアも、適当なこと言うな」


「……ふん」





 ピンク髪、ツインテールガール、ガーネット。大剣。


 グリーンショートヘア、丸メガネボーイ、ククリ。槍。


 金髪くるくるロング、お人形ガール、ソフィア――――――――――――なんだっけ。


「俺から四肢をもぎ取った、三人集団か」


 カラフルな組み合わせ。しかしそれほど記憶にない。特に、ソフィアについては。なんでだろうな。それほど記憶に残んなかったのかな。


「お久しぶりだな、オリジナル! 今度はお前のすべてを貰いに来た」!

 元気よく、ガーネットは言う。


 オリジナル―――――――俺のことか。



「っは! くれてやるものか。お前たちジャンクにやったところで、何になる?」


「ジャンク、だと?」

 ピンキーガール、アンはツインテールを逆立てた。


「そうだ! お前たちはジャンク品だ! 俺の能力の十万分の一にも満たない! 俺から遺伝子やら四肢やら様々なものを奪ったんだ! もっといいものができると思っていたんだが」

 笑いがこみあげてくる。


「全くもって、失敗作だなッ! ああ、いやいや傑作だ!」

 ふはははは、ふはははと笑ってやった。

 

「……貴様、この世から消し去ってやろう」

 アンは、ぎちぎちと歯を立て俺に威嚇すると、ユピテルが止めに入る。


「おい、ガーネット」

「ククリ! 手出しするな。私を止める気なら、お前もろとも、消し炭にしてしまうぞ」

 

 仲間の制止も聞かず、倒れた俺の頭の上に刃をを置いた。


「――――――――死ね」

 剣が勢い良く降ってくる。

 のを、止められた。誰だ?




 剣に、何かが当たった。石みたいなものが。


 予期せぬ事態に、彼らはいったんそこから離れた。

 

「間に合った――――――っ!」

 と棒読みで、低音の声がした。



 

「間に合ったのは良かったが、これまた困った困った。見つけたと思えば、こんな有様」

 頭上に立っていたのは、№400。


「お前っ」


「最強にして究極の救世主様が、こんな有様。らしくない。ああ、忘れていた。今は最強ではないんだった」


「……この野郎、俺の事をバカにしに来たのか」


「まあまあ落ち着いて。状況は把握している次第だ。だかしかし、僕を見ても攻撃しないということは、僕の事はとっくの間に忘れ去られているということかな?」


 三人衆、ガーネット、ククリ、ソフィアの誰一人として、№400に対し驚かない。

 彼らは一様にして、頭に疑問符を抱いている。



「なればこそ、今はご協力を。元最強」

 №400は手に持っていた短刀で、腕に傷をつけ血を出す。

 溢れてくる血を、俺の胸の傷に流し込んだ。

 


「はあ?」

 俺は、驚いた。

 血が入り込んだ途端、傷口がふさがっていく。

 

 毒が抜け、回復し、動けるようになる。





「おりゃあああああああああああああ!」

 №400に大剣を降りかかる、ガーネット。それを、短刀でなんとか止める№400。


 抑えている間に、俺がガーネットを蹴る。


「案外いいチームプレーじゃないか。№400」

 俺は、思わず言った。リズムがいいんだ。




 予測していなかった事態に驚き、ククリ、ソフィアも動きだす。

 2対3の攻防が始まった。



 №400は、三人の攻撃を短刀でガードしつつ避け、俺は敵の隙をついてひたすら攻撃を行う。

 良いコンビネーションでは、確かにある。


 

 しかし、この戦法には問題がある。



「お前の短刀、大丈夫なのかよ! そんな風に使っていたら、折れちまうぞ!」


「この短刀は、特注品さ。この程度で折れるほど(やわ)じゃない。とはいえ、あの少女の大剣とは、相性が悪いな。さすがにあと数発、真正面から受ければ、折れるだろうさ!」


「お前っ、何の気なしにきたのか!?」


 いくらなんでもそれは困る。今の状態を維持できるとは思えない。


 俺の攻撃は、当たっていると言えば当たっているが、核を突くようなものじゃない。

 小さな傷をつけているにすぎない。


 №400が加わったとしても、奴らを圧倒できる技がない。


 このままでは負けは確定していた。


 

「いや、勝機はある。バレていれば、僕らに勝ち目はなかったが。バレていないのなら、僕のとっておきが役立つ」

 ニヤつきながら、№400は言った。



 

 

 








るんるんば!夏神ジンでございます!最近はリアルな方で紆余曲折、出会いと別れ……なんてものがありまして。わたくし(いくつとは明確に書くことはないと思いますが)、学生でございますのでそれなりのどす黒ぐちゃぐちゃな青春があったり、なかったり。

皆さんが私の小説で救われることを、常々!願っております!(きらっ!、きらきらっ!)

最後まで読んでいただきありがとうございました!ブックマーク、コメント等々、ぜひぜひつけていってください!

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