17. 嘘
『――――よかった、携帯の回線は生きていたようだな。ところで』
電話口で、九条が言う。
通信機を用いるのではなく、古典的なガラケー。
『鷹司、無事か?』
「全然無事じゃありませんよ!」
携帯電話を片で持ちながら、鷹司は言う。お気に入りのFN P90を縦横無尽に乱射する。大量にいる敵に疎らにあたるように。
二条は大きな刀を用い、何体もの敵を切り刻む。額から首にかけ汗を流しながら。手を震わせながら。
二条は今、手を離せない。だから鷹司が電話を取っているのだが。
鷹司が遠くからの援護、そして二条が敵を倒す。なんとか戦線を維持している。
敵は―――――プラズマに似た何か。
汚い。ハエが集っている。とてもじゃないが、生き物とは思えない。目が飛び出ていたり、足があらぬ方向に行っていたり……。
それが数百もの単位で襲いかかってきている。
彼らは、再生能力が異常だ。殺しても、殺してもいくらでも再生して何度でも襲い掛かってくる。
まるでゾンビだ。
「くっ……!」
そんな彼らに、いくら二条が素早く動こうが、鷹司が銃弾を撃ち込もうが、意味がなかった。
完全に、釘付けを食らっている。
「何故今連絡を寄越すんです!」
鷹司が、半分泣きながら言う。
「……すまん」
「こちとら今までどんな思いで……っ!」
そう言いながらも、銃を撃つのはやめない。
『シオンがやられたんだ。早く、合流しないと……』
「合流も何も、すでに合流済みです!」
『は?』
今までの情報なら、シオンは地下一階、鷹司と二条は地下二階で捜索していたはずだ。階段はがれき等で封鎖され、簡単に移動できなかったはず。
「だから我々は一階に降りたので、シオンとはすでに合流済みで……って、聞いてます?」
『―――――いつ合流した』
「一時間以上前です!!」
それは絶対にありえない。シオンとの連絡が途切れたのは、数分前だ。
『シオンの今の様子は』
「体中怪我だらけですよ! 頭からも血を流しているし……こりゃ目覚ましませんよ」
シオンは鷹司の後ろに横たわらせている。
鷹司、二条らがいるのは、まっすぐな廊下。
最奥へとつながる階段に伸びた、廊下であった。階段までは残り数メートル。とはいえ、階段はがれきの山で通れず、目の前はゾンビ地獄。
とにかく、今は戦うしかなかった。
『―――どうやって合流したんだ』
「階段が、なにやらコンクリートの破片で埋まっていたので手っ取りばやく、ダイナマイトで」
『お、おい! お前もっと早くに言いにこい!』
九条は、鷹司がダイナマイトを持っていたことなんて知らなかった。
「だ、だって、それどころじゃなかったんだもん!」
わんわん、わんわん、泣きながら、それでも銃を持つ手は止まらない。
『――――――』
鷹司が嘘をつくはずがない。だとすれば、一体。
さっき俺と通話していたのは、一体誰だったんだ。
九条は考える、しかし全く分からない。
二条の刃に、噛みついてくるプラズマに似た何か。
「……っぐ」
押されに、押され、小さな体がさらに小さく縮こまっていく。
その隙を突こうと、他の敵が二条の腕や足にかみつく。
痛い、怖い、しんどい。
「いやぁぁぁぁぁぁああああああああああああああっ!!!」
二条が大きな声を上げ、一気に、一瞬にして、敵を切り刻んでいく。
道が、開く。
「ったかちゃん!」
二条にそう呼ばれ、鷹司はサッと携帯電話を投げ捨てた。
「うん!」
鷹司はそれに答えるように、ダイナマイトを階段目がけ投げつけた。
埋まっていた階段に穴が開く。そして空いた道を急いで通って。
――――少し前。
ドーンっと大きな音をさせ、落ちてくる大剣。
何度も何度も俺目がけ、天から降ってくる大剣。
「そんな風に逃げてばかりでは何にもならんぞ! オリジナル!」
ガーネットが、俺に言う。
ドームのような競技場。真ん中はゴミの山。壊れた天井からわずかに降り注ぐ光。
「……っはあ、はあ、はあ――――」
みなさんこんにちは!なかなかに息が荒くなってまいりました!夏神ジンでございます!とにかくとにかく、書きなぐるしかないのかなと最近は思っています……。書いて書いて書きまくる……それは、初心者が一番最初にぶち当たる壁なのかもしれません。だとすれば、私は今その壁にぶち当たりまくっています。
どうか、どうかこのような私に、ブックマーク、コメント等々を用いて……励まして下さいまし!!!!
宜しくお願いしまぁぁぁぁぁぁあああああああああああああす!