11.第一回、オリエント会議!(2)
「それで、二条。詳細を教えてくれ」
「はい! ボス!」
元気いっぱいにそう言う、二条。
それと同時に、メモリデータをパソコンに読み取り、それを見せる。
その中には大量の写真があった。よくわからない死体の写真や、ドアの写真。
とにかく、何故撮ったのか、必要があったのか、わからない写真が多い。
「中は廃墟と化していて、職員はほとんど見当たらず、ターゲットであるガーネットもどこにいるのかわかりませんでした。最後に最奥へ向かおうとして、何者かに追われ、やむを得ず脱出しました!」
二条は、頬を掻き、照れながら報告をする。
「――――――」
え、それだけ?
と多分、ここにいる誰もが思っただろう。
敵の弱点とか、弱点とか、弱点とか……。
二条は、俺が褒めるのを待っている。俺が、「二条、でかしたぞ!」と言ってくれるのを……待っている。
……オリエントの中では最年少でまだまだな所ばかりな二条が、頑張ったのだ。
普通に考えて、ガーネットが敵の侵入に気付かないはずがない。気づき次第、始末に当たるだろう。
それでも、生きて戻ってきた。
「……で、でかした、二条。本当によくやったな」
「はい! ボス!」
嬉しそうに、笑う二条。
しかし、少しだけでも情報は十分に役に立つ。
「第一戦、ガーネット戦を開始する」
「シオン以外に、鷹司、二条、お前たちも来い。潜入は四人で行う。行動は二人ずつ。鷹司と二条は、研究所でツキナミの情報を集め、敵を発見したら即刻殺せ。それから一条と九条で、通信しながら俺たちをアシストしてくれ。
「そしてシオンと俺で、ガーネットを討つ」
メンバー全員が立ち上がり、俺の決定を聞く。
『――――奴を確実に追い込み、撃破するぞ』
受話器越しに聞こえたその言葉に、ガーネットはわくわくした。
体は右足がなく、他の部分も少しない。
しかしそれは、すぐに回復する。
ゴミの山、スタジアムみたいな実験室の中で、ガーネット一人で楽しそうに鼻歌を歌っていた。
「回線を掴んでおくとは、ククリの奴はすごいな。これで、奴らの情報も筒抜けというもの」
「だが、アリは逃げ足が速くて構わん。まさか、爆弾を持っていたとは」
小さな爆弾だったのに、衝撃は大きく、思わず手足が吹っ飛びどこかへ行った。
あと少しで、手足をもぎ取っていたというのに。
逃がした魚は小さいけれど、脂は大きかった。
あれをだしに、奴を脅すことだってできたのだから。
「逃がしてしまったが、まあどうせそのうち殺すだろう」
この私が。
くすり、と静かに笑うガーネット。
薄暗い研究所の中に、月の光が入り込む。
あたりから聞こえてくるのは、メリーゴーランドのような楽しげな音楽。
「……さあ、さあ、さあ、はじめようじゃないか! 正義の戦いを! どちらが正しい!? 間違っている!? 全ては私が決める! 私が奪い取るッ!」
「神よ、私に勝利を与えたまえ」
一人の少女は、神に奇跡を希う。
思っていた以上に、文字数が少なかった!!どうも、夏神ジンでございます!
ゆるしてください。それ以上は言いません。
許してくれる方はぜひともブックマークやポイントを……ッ!!!!