00.プロローグ チャンネル⑤
突然の新シリーズ開幕! 驚く人多数! または、私の事を全く知らない人多数! と言ったところでしょうか。
実はですね! 一話ッ! まだ始まってないんですよ! 明日投稿する予定なので、ぜ・ひ・と・も! ぜひとも、ぜひとも! この時間に、もう一度私の小説を読んでいただけることを願っています! 最後に、読んでいただき本当にありがとうございました!
しんしんと雪が降る中、俺のスマホが鳴った。
時刻は、午前二時。
『プラズマ、本当にやるのですか』
女、一条は俺に聞く。
「俺がやらずして、誰がやる。お前たちは来なくていい。政府から人手はもらった。この数があれば、制圧はすぐに終わる」
『ですが』
「いかなる犠牲も惜しまない。ここにあるのは、敵だけだ」
一条の言葉を聞くつもりは、一切ない。彼女がどれだけ俺を説得しようとも。
第四研究所。山の中に隠された研究所。表向きはただの病院、地下にあるのは研究施設。
真夜中、森の中では雪が降り注いでいた。
『夕陽は、大切な家族です! 敵ではありません!』
一条が、焦ったように言う。
だが。
「今、その名前は聞きたくない。まさかそんなことを言うために、俺に電話を掛けたのか? なら、切るぞ」
「あと、今日で『オリエント』は解散だ。俺もボスを下りる。他のメンバーにも言っとけ。じゃあな」
『待ちなさい、プラズマ!』
容赦なく〈通話終了〉を押し、スマホをポケットにしまった。
「あいつはもう、家族じゃねんだよ」
俺は小さくつぶやいた。
「あの、ボス。もう侵入してもいいでしょうか」
俺の目線に合わせるようにしゃがみ、ぎこちなく喋る、兵。
心底嫌だろうな、こんな……見た目がガキなヤツに、敬語を使うのは。
俺もこんなやつに、ボス呼ばわりされたくない。
ちょこまかちょこまか、ネズミのような人間ども。
十歳前後にしか見えない俺に、頭をぺこぺこ下げやがって。
まあいい。
「そろそろ入るか。俺は最後に入る。だからこの部隊の指揮は、お前がとれ」
話しかけてきた、名も知らぬ兵に、適当に命じた。
兵が困ったように言う。
「で、ですが、こういうのはボスが先陣を切るべきなのでは」
「口答えする奴は嫌いだ。今すぐ殺すぞ」
「そんなッ!」
「死にたくなかったら、黙れ。あと、地下三階にある一番奥の部屋に行くのは最後にしろ。最初に狙うのはデータを保管している場所、それと司令塔を狙え」
「―――――」
誰もかれも口を開いていいのかわからず、脅えている。
「返事もできない馬鹿なのか、それとも俺に逆らいたい馬鹿なのか、お前たちはどっちだ」
「は、はい! すみませんっ!」
一斉に謝られる。
政府は、指揮官がいないと録に行動できない奴らをよこしてきたのか?
これ以上、失望させないでくれ。ただでさえ、気分は最悪なのに。
俺は研究所を指差した。
「行け」
最強だった俺は最弱に成り果て、仲間にも裏切られ、最愛の人は意識不明。
全てを持っていた俺が、全てを失ったのは2024年の冬だった。
何もかも、散々だ。