勇者降臨
ここは、ぶっちゃけ、ドラ◯エみたいな世界。人間達が魔族、魔物に日々命を脅かされている。
「魔王よ! そこまでだ!」
一人の少年がなんと、魔王のところまで行き着いた。相当な実力者である。
「待ってくれ! 私は魔王ではない。【参謀のアペンド】だ。力も魔力も勇者には敵わん。どうか殺さないで欲しい」
「魔王はどこだ!」
ひょろひょろのおじいちゃんのアペンドはただの参謀だった。魔王は?
「死んだ。お主がくるつい先日、インフルエンザで死んだ。本当だ」
魔王も病気になるらしい。
「なら、お前も倒す!」
「待ってくれ! 私なんぞ、いつでも殺せる。その前に私は【テレパシー】が使える。全世界の魔族にどこにいても伝えることができる。そして、私は人間との和平会議を試みたい。もう少し生かせてくれ」
「魔族と人間が話し合いなんて成立するか!」
「魔族とは、ほとんど人間だ。人間の突然変化みたいな者や、人間が闇落ちした者、ただ、生きてるだけの感覚で凄して爆裂魔法をぶっ放す者など、で、テレパシーによる命令を聞くことができる者達だ。魔物も同じ、動物の一種だ。お主も倒したことがあるだろ? ウサギの魔物【スライド】はただ大きさが人間くらいあるだけだ。人は襲わないし、農夫でも殺せる。実際、人間の料理にスライドの肉が使われているほどだ」
勇者は考える。
「では、和平会議はオレも参加する。それでいいな?」
「勿論じゃとも。詳細が決まるまで、ここ魔王城に泊まるがいい。魔王の宝全て好きにして構わない」