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次の日、とうとうスカルドラゴンの攻撃の日、
目の前に核がありながら、見ている事しかできないなんて。
地震の間隔はどんどん短くなり、
規模の大きくなっている。
この地震だけで、家屋の倒壊や食器棚が倒れるなど、
なんだかの被害が出ているだろう。
そう思い、スカルドラゴン眺めていると、ふと思いつき、
アイテムボックスを出す。
死霊って事は生きてないんだよな、収納できないだろうか?
そう言えば、ここに来るように言ってくれた精霊も、
”核を壊す”ではなく、”核を変える”と言っていたような・・・
試しにアイテムボックスに入れてみる、
すると、すっぽりと、
スカルドラゴンの核はアイテムボックスに収まった。
驚愕に目が見開き、あわててパネルを見る。
すると、きちんとスカルドラゴンの核が収納されていた。
壊す事はできない、ならば最後の賭け。
調合でスカルドラゴンの核を他の物に変えるしかない!
スカルドラゴンの核でできるのは・・・・
世界樹の苗!
まず必要なのは世界樹の枝。
こんなのあったか?とひやりとするが、世界樹で木刀を
作っていたので、それが使えるらしい。
とりあえずほっとする。
調合で一番やっかいなのは、手持ちの素材の量、
しかし、攻撃の期日は今日だ、素材を集めている時間もない。
必要な物の素材、その素材に必要な素材、その素材に必要な素材・・・・
どんどん遡っていく。
今まで、いらないと思われる物だけ分解していたが、
今はそうは言っていられない。
手当たり次第分解していく。
とにかく時間がない。
幸い、マチルダが整理し、偽物は鑑定済みなので、
だいぶん時間の短縮になった。
マチルダの鑑定がないと、絶対に間に合わなかっただろう。
分解し、調合する。
調合したのを、また調合。
中には、騙そうとした冒険者達と入手した物、
マチルダが商店で手に入れた物、
龍神様から頂いた物、全てが今生きてくる。
特に役にたったのがオークションで手に入れた商品だ、
レアな素材が多く、あの時マチルダが落札してなければ、
素材は大幅に足りなかっただろう。
気が遠くなりそうな作業が続く。
ひたすら調合を続け、とうとう最後の調合になった。
最後、本当の最後で。
「駄目だ」
その言葉に、エルフの姉妹が息を飲むのが分かる。
『ちょーすごい宝石』
これだけが手に入らない。
昨日から、攻撃が駄目で、魔法が駄目で。
最後の希望だった調合も、希望が潰えた。
重い空気がその場を支配する。
俺は大きく息を吐き、空を仰ぐ。
何とかしたい、でも素材がなければどうしようもない。
エレナが声をかけてくれる、
「ハルト様は頑張ったよ」
昨日、魔法が無理で、腫らした目で言ってくれて、
少しだけ優しい表情になる。
そう、全力を尽くした。
「後、何がいるの?」
エレナは、調合を成功させようと言っているのではなく、
単に気晴らしに言ってくれているのを感じ、気軽に答える。
「『ちょーすごい宝石』だよ」
「そっか」
その場に何とも言えない空気が流れる。
「そうだ、これ使えないかな?」
エレナが頭に付けていた宝石を外す。
確か最初に出会った時の別れの際、
セスティナのドレスと一緒に買った髪飾りだ。
「いいのかい?」
「うん」
多分駄目だとは思うが、気持ちは無下にはできない、
髪飾りを受け取り、アイテムボックスに入れる。
すると、今までできなかった調合に、
調合できますのマークが付いた。
心臓がばくばく言う
ひょっとしていけるのか?
調合!
すると、今まではなかった霊卵石と言う素材が現れた。
いけるか!
膨大な素材を眺めながら、調合を進める。
世界の理を壊し、変える程の調合。
まだ、スカルドラゴンの核は素材として存在してる。
必ず俺が変えてやる!
そして、調合を重ねた後。
「できた・・・・」
ちょーすごい宝石ができた。
後は必要な素材全てを調合し、世界樹の苗を作るだけ。
これで、最後だ。




