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それからは、横から槍が出て来るとか、
大きな岩が転がってくるとか、落とし穴とか、
お約束っぽい罠があったが、エレナの勘で、全て回避した。
俺が1人で進んでいたら、20分ももたなかっただろう、
エレナの勘の凄さに驚かされる。
そして、2時間ぐらい進んだ時見覚えのある部屋に出た。
螺旋階段があって・・・
「あれ?入り口?」
俺は思わず口に出してしまう。
どう考えても、降りてすぐ入った入口としか思えない、
さんざん歩いて、元の場所に戻って来たという事だろうか。
2時間も歩いて、かなり疲れていた。
罠がいつ出て来るかもしれないという緊張感もあって、
疲労はかなりのものだ、
エレナを責める気はないが、
入口に着いて、がっくりと来たのは否めない。
「エレナどうなの?」
セスティナがエレナに聞く。
「そうね、食事にしよう!」
エレナの言葉に驚くと共に、そう言われてみれば、
ずっと食べずに歩いていた事に気づく、
確かにお腹も空いている。
アイテムボックスから、アルテノン共和国で買った食事を出す。
エルフの2人にとっては珍しいと思ったのだ。
「これはライスだよ」
俺はおむすびを出す。
「ぼろぼろする~」
パンに慣れているエレナにとっては、
おむすびは少し食べにくいようだった。
「エルフの独自の食べ物と言ったらうどんでしょうか」
セスティナの言葉に思わず飛びつく。
「うどん?」
「ご存じですか?細長い麺です」
「ぜひ食べたい!」
米に続いてうどんが食べれるとは!
元の世界の食事は、やはり懐かしい。
俺は前かがみでセスティナにお願いする。
「ハルト様には助けて頂いてばかり、
そんな事でよいなら、いくらでも用意します」
俺はよし!と思う。
そうして食事を堪能していると、エレナがぽつりと言った。
「そろそろかな」
「そろそろとは?」
セフィロスがエレナに訪ねる。
そうしていると、降りて来た螺旋階段の上から、
不思議な光が差し込んできた。
階段の光が複雑な色を作り、模様を描いていく。
「凄い」
そう言う俺に、セフィロスは緊張した面持ちをしている。
すると、光が揺らぎ、いた部屋全体がぐにゃりと歪んだ。
「なんだ?」
「目の錯覚だよ」
エレナだけが冷静に言う。
「最初いた部屋にスカイドラゴンの核はあったの、
でもダンジョンを巡って、この現象を起こさないと、
核が見えないように細工されていたんだよ」
エレナの言葉に呆然となる。
最初いた部屋にスカイドラゴンの核があった?
信じられない気持ちでいながらも、
部屋の歪みが無くなるのを待った。




